芸術

わかる・わからない

どうも、芸術というか美術はコムズなモノとして認識されることが多いようで、これに関して昨日のエントリでsumita-mさんが書いているような「世界は判りにくいものだ」という辺りは同意してしまう。 ○Living, Loving, Thinking http://d.hatena.ne.jp/sumita…

アカデミズム・大衆芸術

昨日から牛の涎のごとくだらだらだらだらだらと考えているこれ。トラバをいただいた。 Living, Loving, Thinking http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060430/1146374995#tb ■アート、教養、ポピュリズムとかとか アート、それからその享受の前提となる教養、…

アカデミズムの限界

ずっと以前にこんなことを書いた。 ■大衆文化 http://d.hatena.ne.jp/antonian/20050127/1106766073 この時は固有名詞を出さなかったんだけど、あきらかに村上隆の作品を意識して、オタク文化がアカデミズムに組み込まれるとつまらなくなるだろうということ…

村上隆とアート世界、著作権など

私も剽窃してみる。 パロディとは果たして著作権というのはどうなるんだろう?マッド天野氏の仕事とか。村上隆の一件で色々読んだが、どうもすごく嫌われている。はてなのキーワードなんかちょっと酷い。気の毒だよ。あんまり嫌われているのを見ると天の邪鬼…

剽窃・自分自身を否定した人

おとなり日記な人々のブログを読んでいた。するとこんな情報が。 ▼「マウスくん」訴訟で和解=ナルミヤが4千万円支払い−東京地裁 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060424-00000146-jij-soci 子供服メーカー「ナルミヤ・インターナショナル」(東京都港…

カテゴライズ

ネットが人口に膾炙して、一番目に付く現象が「カテゴライズする」ということかなぁ。つまりハテナでもそうなんだけど、キーワード化される言語がある。なにかを語る時に取りあえず記号化しておくと語り易い。だもんで或る特定の漠とした傾向を持った集団、…

死の床の伴

相変わらず平野啓一郎の『葬送』 ショパンが死の床に付き、姉や母に会うことを切望している光景。また未だ忘れ得ぬ恋人サンド夫人と再会をかなえてあげた方がいいのか?と悩む友人達・・・という光景。 書き上げた楽譜が意外と少ない。39歳という年齢で、そ…

音楽と美術の死

あいかわらずだらだらと平野啓一郎の『葬送』を読んでいる。一気読みすりゃとっくに終わってるんだろうけど、仕事があるために、ご飯の時にしか読んでないので時間がかかる。 現在、ショパンが病床で死に脅える光景のとこ。 音楽という芸術は時間の芸術であ…

戦友

たけくまさんとこで、美術系の予備校の交際の密度の濃さについての話が出た。彼は新美だそうだが、新美のカラーとか、どばたのカラーとか、お茶美のカラーとかあって、大学入ってからもそれを少し引きずる。新美はとにかく元気なバンカラが多いというイメー…

美大・美術系学校の就職

美術学校とは社会の無駄飯食いを養成するところである。芸術とは衣食住の最低限の生活とははずれたあってもなくてもいいような代物に付加価値をつけてしまう、金銭感覚が度外れた世界である。付加価値がつけば成功するが、つかなければ無能者であり、乞食で…

オタク

オタクってのは今でこそ人口に膾炙し、特定の地位を築き、カウンターカルチャーな若者の琴線に触れたりしているようであるが、しかしまぁかつては「変なひと」の代名詞だったよね。 漫画文化に精通した文筆家であり編集家でもある竹熊健太郎氏の過去の話 ○た…

ロマン主義の時代

仕事の合間にぼちぼちと書店に届いた文庫を読んでいる。 これね↓ 葬送〈第1部〉作者: 平野啓一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/08メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (17件) を見る 平野啓一郎というと、「日蝕」で芥川賞を取り、そ…

聖人伝

芸術家にとって先人達というのは一種の聖人だったりする。美に仕えた先人達のその生き様というのを知るのが面白い。弟子は師匠の背中を見て育つなどというが、正も負も含め、その美へ生涯をささげた彼らがどのように生きたかっていう話を知るのはある意味勉…

土星の画家

相変わらず芸術脳を鍛えんと懐かしの人々を思い起こしている最中であるよ。 竹下さんに「ミケランジェロって鬱で天才」とご指摘されて、緩慢な鬱状態に在る私と致しましては、そうかミケちゃんてば鬱かぁ。と、あらためて本棚から彼の書簡集を出してきて読ん…

メキシコバロック

随分前になるが、K社の雑誌で竹下節子さんと組んで仕事をしていたことがある。竹下節子さんはフランス在住の比較宗教なんぞをやっている方で、カトリック周辺文化の、すごく変なものを採集して歩いている人だった。フォークロア的なカトリックのもう一つの…

バロック以降

バロック以降の宗教美術は正直これだという面白いのがあまりない。個々にはブレイクみたいなのとか、マティスの礼拝堂みたいのとか、ガウディのとか、コルビジェのロンシャンの教会とか、色々あるけど、教会主導のムーブメント的には面白いのがあまりないで…

エル・グレコ

時代はルネッサンスからマニエリズム、バロックと移り変わろうとしていた時代に、すごい変な画家がいた。 「ギリシャ野郎」と渾名されていたその画家の絵はすごく変だ。くねくねしていて、人物は茄子みたいだし。私は正直嫌いだった。人物を少女漫画みたいな…

バロック

16世紀以降、マニエリズムを経て、バロックへと移行する。自然科学を基礎としたルネッサンス美術からやがて視覚世界は内面へと向かいはじめる。様式の過剰。国際ゴシック様式のような牧歌的なものではない目的を持った様式の過剰さである。 おりしも西方ヨー…

言語ゲーム

ギャル語変換サイトをみつけた。 http://members.at.infoseek.co.jp/majirika/gallanguage.html 早速、ウィトゲンシュタイン先生にお出まし願って変換してみた。 ぉ∋そ語られぅゑこ`⊂は、日月晰レニ語られぅゑU、 語りぇTょレヽもσレニ⊃レヽτは沈黙UTょけれは〃Tょ…

典礼美術

どうもルネッサンス期の美術というのは、教会の典礼的な筋からは外れ個人の思想の反映となっている。この辺りはラッツィンガーが指摘していた通りだ。ラッツィンガーは典礼美術としての絵画なり彫刻なりを考えているので、どうもルネッサンスの画家達はお眼…

ミケランジェロ

俺様ルールのもう一人の雄、ミケランジェロ。彼こそエキセントリックで自我肥大の感情ダダ漏れ芸術家の代表だと思う。いつも怒ってそうで怖い。実際、友達が少なかったらしいし。 彼の作品は偉大だとたいていの人は認めるが、そのあとの評価が分かれる。嫌い…

レオナルド・ダ・ヴィンチ

レオナルドは個人の極み。自分がどう思うか?が優先される現代的な画家だ。ピエロ・デ・ラ・フランチェスカがレオン・バッティスタ・アリベルティの思想の実験を、或いは友人のルカ・パッチョリの数学を画面上で証明していたのと違い、レオナルドは俺様ルー…

ボッティチェッリ

サンドロ・ボッティチェッリというのはかなり普通の人だと思う。だから判りやすい。世の中の流行がプラトン・アカデミーならそれを中世の寓意画の伝統を踏まえて描いて見せたりしたのが、たぶん「ヴィーナスの誕生」とか「春」みたいな絵なんだろう。リッピ…

ピエロ・デ・ラ・フランチェスカ

眠れなかったので、時代を次世代に。 ピエロ・デ・ラ・フランチェスカの絵は感情がまったく押さえ込まれた絵画の代表作かもしれない。静かな祈りの絵であるはずなのだが、それを通り越した冷静な理性の絵画という感じ。 もともと数学や光学に興味のあったピ…

アンジェリコ

アンジェリコはドミニコ会の修道僧である。リッピがカルメルならアンジェリコはドミニコ。フランシスコ会にはどうも著名な画僧はいない。何故かいないね。カルメル会は後年改革があり、アヴィラの聖テレジアや十字架の聖ヨハネに連なるような神秘主義的な霊…

リッピ

フィリッポ・リッピという画家は坊さんである。絵描き坊主。雪舟みたいなものかというとそうでもあるしそうでもない。雪舟は高僧っぽいけど、リッピは破戒僧だ。しかし子供の頃に修道院にぶち込まれたのは似ている。雪舟が絵ばかり描いていて怒った住職に柱…

国際ゴシック様式

なーんとなく中世とか14世紀あたりの画集をぱらぱらとめくっていた。シエナ派などは「国際ゴシック様式」などといわれている。昔から「変なネーミング」と思っていた。ゴシックに対し国際ゴシック?ゴシックというのがそもそもルネッサンスに比して野蛮臭い…

装飾画家

ヨーロッパ中世はまだ印刷術がなかった。だから本というと手書きである。羊皮紙にイカ墨のインクで描いていくんだが、作業としては大変である。たいてい修道院の写字生が行う。修道院によってはこれが大切な収入だったりする。印刷がないので、目的の本があ…

無名性

・・・というわけで、時事脳の知的刺激はもういいので、芸術脳を活性化しようかと芸術周辺ネタでも書く。 人の脳味噌というのは色んなジャンルに区分けされていると思うのですが特化して鍛えないといけない時ってあるんじゃあるまいか?などと思ったり。 私…

ウィークエンド

今日は土曜日。週末である。島の天気はトロピカル。こんな午後に聴く音楽はこれ。 ■WEEKEND / "LA VARIETE’" http://www.greatesthits-rec.com/blog/rec/archives/2006/01/weekend_la_vari.html 80年代の英国、ネオアコブームの時、ヤング・マーブル・ジャイ…