戦友

たけくまさんとこで、美術系の予備校の交際の密度の濃さについての話が出た。彼は新美だそうだが、新美のカラーとか、どばたのカラーとか、お茶美のカラーとかあって、大学入ってからもそれを少し引きずる。新美はとにかく元気なバンカラが多いというイメージだった。実は私は浪人時代は美術予備校に行っていないんで、唯一の予備校経験は新美の講習会である。ピンポイントの新美しか知らん。スティーブン・タイラーにそっくりな講師がいたのを覚えている。その後、大学に入って仲良くなった友人達が新美あがりで、まぁ、懐かしい予備校である。
新美出身というたけくまさんとそういう話が出たのは、何故に美術系は予備校仲間の結びつきが強いんだろう?という謎。たけくまさんは半年ほど在籍した時に仲良くなった漫画家桜玉吉氏と腐れ縁に仲がいいらしい。桜氏はタマ美中退だという。タマ美は中退して自分の科で学ぶこと以外のことをすると名が売れるという都市伝説があったな。(例>高橋幸宏、鮎川まこと)桜氏が同世代というか少し上とはしらなんだ。わたくしは「ファミ通」で場の文脈お構いなしの変なパワーに溢れた主観的な漫画を描く人ということ以外知らなかった。
しかし、他の普通の予備校だとそういう密接した友情はないのか?普通の大学を知らんので判らん。
わたくしは予備校とか専門学校とか、とにかく4年制の大学以外では教えたことがあるんで、他と比較してもその「予備校仲間」の結束力というのはよく判る。ボーイズラブなんか生まれてもおかしくない密度である。なんせ受験期という大学での生活以上に悲壮観が漂っているだけに、「戦場での仲間」って感じになる。あと浪人をし続けるとヌシになる。めちゃくちゃデッサンの上手い伝説の人物なんかがいたりする。
そういえば、この手の美大話って久しぶりにしたよ。最近、美術系の人間とほとんど話をしていなかった証拠だな。なんとなくたけくまさんとこにお邪魔して、縁側お茶話をさせていただいたような感覚であるが、懐かしい話をしはじめると爺婆である。いかん。ファンキーに生きねば。