中野滋の聖母子入手・イエズス会の話

中野滋という彫刻家は、大学の先輩でもあり、またわたくしが教えてる美大の教授でもあり、信仰の同志でもある。要するにカトリック信者で彫刻家。かの舟越保武しに師事し、現イグナチオ教会のイエス像を作ったことでギョーカイでは有名。彼がイエス像を造った時はまだ信者ではなかったのだが、イエズス会の罠にはまって洗脳させられたという按配である。イエズス会恐るべし。

その中野氏の展覧会が都内で開かれていますが、紹介しようにも今度の土曜日で終わりです。

http://www.spinn-aker.co.jp/kobo/k-guide.htm

場所は、銀座「巷房」。わたくしもよくやるギャラリーです。(因みにわたくしのは2009年の秋予定っす)

気が向いた方は足をお運びください。
最終日は終了が早いので要注意。

さて中野氏の彫刻。キリスト教的な題材を多く造られますが、ロマネスク的なフォルムと静謐な空気。舟越桂や画家、望月通陽、或いは有元利夫、もしくはミンモ・パラディーノとかに通じる形といえばなんとなく雰囲気は伝わるかもですよ。フランスロマネスク的な石彫を髣髴とさせるその世界に浸ると、まぁ心洗われる気がします。

中野氏が小さな聖母子像を造っておられたのだが。これがすこぶるよい。なんとも素朴であり同時に、トゲトゲとした心が無くなっていく様な、そんな形である。わたくしでも手の届くものだったので一つ購入した。
正直、和泊教会とおフランスの聖母子像に、煮詰まっていたので、中野氏の展覧会を見たことでかなり助けられた。もう一度、一からやり直してみるかと、反省した次第。既に約束を半年過ぎているんだが・・・・中野氏は3年待たせたといっていたので、気を取り直してやり直す。済みません。

で、昨日はセンセとイグナチオ教会の建築をやった建築家と飲む羽目になり飲んでました。

イグナチオ教会の建築というと、まぁ賛否あるわけですが、どげな建築家が担当したのかと思っていたのですが、引き受けた板倉建築事務所でのイグナチオ担当建築家(現在は独立している)さんはなんとわたくしのほとんど同期というか、2年先輩で、同じ時代にあの学校でだらだらといたらしい。いまや事務所を抱える偉い建築家であるが、うーん。こちとら下流な絵描き。キリギリスな人生を送ってきた私とは違い、えらいなぁと。
この方、女性でしかも独身。そしてカトリック信者である。
その彼女があのSJのおっかないイエズス会士と丁々発止やっていたというのだからすごいな〜と、改めてびっくりですよ。因みに、建築ギョーカイでも「イエズス会は怖い」と評判らしい。やはりすこぶる碩学、すこぶる聡明ぞろい故にクライアントとしても一筋縄ではいかないらしい。
そのイエズス会の司祭の会議に出たことがあったらしいが、みんなばらばらのことを主張し譲らず、まとまりがぜんぜんつかないのだが、メンディサバル神父様が最後に一言言うと対立しあっていたみんなが納得して収まるらしい。メンディサバル神父様は聖人といってもいいぐらい、ナニかが違うそうな。彼の部屋はまるで聖堂のようだとのこと。

我がフランシスコ会にも欲しいメンディサバル神父である。

ところで、彼女は今、菊名教会を建設中だそうです。見に行ってみたいなぁ。アントニオ様の教会だもんよ。