某教会の像の修復・濱尾枢機卿の訃報

けふは教会にマリア像をなおしに行った。修復してるんだな。
一部のプロテスタントの方には不評なカトリックの像だが、まぁ、カトリックはそういう伝統芸なんですわ。文字言語より視覚言語が好きなわたくしとしては、解りやすいんでおます。正直、そのほうが聖句が頭に入るわたくしはまことにもって糞ったれなカトリックなわけだ。
まぁイエス自体が神様の言葉が受肉した存在ってわけで、「見て聞いて動いてるロゴスな存在よ」ってこって、それを未完成ながらも追随してみたってことで。ひとつ。

そういうわけで、師匠濱ちゃんから頼まれた壊れた像なんだが、この由来はなかなかにドラマチコ。なんでも中国に共産党革命が起きたとき、当然ながら、外来の怪しげな宗教であるカトリック教会は追い出されたり、迫害受けたりしたらしいっす。毛沢東フランシスコ会が建てた教会を撤収して共産党の活動拠点にしてみたりしてたらしいっす。動乱の時代ですな。
そこで難を逃れてやってきたのが、このマリア像なのだが、ファチマのマリア像ってトコがミソ。ファチマといえば共産主義をそこはかとなく批判しているがごとき、つまり、ロシアについての預言で、ムーな世界では有名なのだな。

この像、共産党革命によって命を落とした修道士の返り血を浴びたとか、まぁそんな都市伝説もあるいわくつきの((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル な像なんだが、実のところ、像の出来としてはすこぶる悪い。大量生産型の石膏像で着色も投げやり。型もいがんでいて倒れそうである。その性で何度もひっくりこけてよく破壊されたらしく、前述の都市伝説も、単にその破壊あとが無様に修復されていた性で出来たガセではないか?などと不謹慎にも疑っておるのだが、とにかく、無残な修理あとによって、もともとチープな像が更にチープな状態になっていた。

その像をなおせっていうわけで、結局、一から整形しなおしとります。いかにもありがたやで都市伝説が生まれそうなアンチークな風貌にしてやろうと思ってますが、寄る年波の性で、老眼はなはだしく、細かい作業が辛いのでありました。

そんな作業を地道にちまちましていたら、濱尾枢機卿の訃報が飛び込んできましたよ。
がーん。

ご冥福をお祈りいたします。