『21世紀少年』完結したノスタルジー漫画
21世紀少年 上―本格科学冒険漫画 “ともだち”の死 (ビッグコミックス)
- 作者: 浦沢直樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/05/30
- メディア: コミック
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- 作者: 浦沢直樹
- 出版社/メーカー: 小学館
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- メディア: コミック
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なんだか本日下巻が出ていて完結した。
島のごとき蛸壺にいると新刊情報に激しく疎くなるので『ワンピース』がすでに2冊も出ていたのも知らなかったんだけど、こっちも『21世紀少年』などと名を変えて出ていたのを知らなかった。
手を広げすぎてナニがなんだか収拾がつかなくなってしまった感はあるが、まぁ一応の決着を見たようです。盛り上がりすぎるぐらい盛り上がっていくストーリ展開にしてはラストは気が抜けたような感じがしなくもないが、正直、やっと終わってくれてほっとした。これ以上続くと、頭が分裂症になりそうでこわかったっす。
同時代人のノスタルジア漫画。この漫画を面白いと感じる反面、どこかこっぱずかしさも感じてはいた。ケンヂがわたくしとほぼ同時代人であるがゆえに、そして自分の子供時代の忘れ果てていたあれこれがよみがえっている光景に、しかも小学生を取り巻いていたチープな文化(万博への憧憬、ムー的な科学、昭和30年代の街並み)の再生ときたら、恥ずかしさを感じずには読めないんだが、しかしこれらのニセモノ科学的な、或いは「スプーン曲げ」に代表されるチープな超能力を「すげー」などと言ってしまうガキ世界が、その後「オウム」を産んだと思うと、この漫画の持つ怖さはそれなりにリアルでもある。
もとより、この漫画自体が荒唐無稽。子供の妄想が実現化して世界が危機に陥るなんて「ありえねー」状態なわけで、トンでも科学な一宗教が世界を席巻する前に、容易くそのからくりなど見破られ、終わりになるとは思うのだが、それでもそれを単純に荒唐無稽と言い切ることが出来ない、ぞっとするような現実を体験した我々の時代を、このように描き切ったという点で滝沢はすごいなと感心する。
ただ、おフランスのセシルが、この漫画を「すごい好き!」といっていたので、ちょっと不思議だった。というのもあの昭和30年代の貧乏臭い文化の体験があってはじめて面白いと感じるだろうという漫画だったからなんだけど。とはいえ大阪万博を知らない多くの次世代たちもまたこの漫画を面白いと感じているわけで。その辺り、わたくしと、大阪万博を知らない世代、もしくはおフランス人のセシルと、感じるものの差異が多少あるかもしれない。
しかし。。。アレがラスト友達?
ええと、誰だったっけ?**君って???
なんかあと出しじゃんけんされている気がする「トモダチをめぐる秘密」漫画でもあったな。「ズルは駄目だ」とサダキヨもいっていたじゃないか〜・・・などと、微妙に不満はあったな。