チーズはどこに消えた

カルヴィーノ三部作を読み終っちゃったので、改めてホイジンガを少し読んだりしているが、昼飯時になんとなく島の人がくれたこの本を読んでみた。

チーズはどこへ消えた?

チーズはどこへ消えた?

  • 作者: スペンサージョンソン,Spencer Johnson,門田美鈴
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2000/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 11人 クリック: 153回
  • この商品を含むブログ (235件) を見る
これは世界を迷路になぞらえた寓話である。そこには4つの生き物が暮らしている。スニフとスカーリはネズミ。分析力も判断力もない彼らは、ただやみくもにチーズを求め、手に入れるためならどんなことでもしようとする。ヘムとホーは「小人」で、ネズミサイズの人間だ。彼らのチーズに対するかかわり方は、ネズミたちとはまったく違う。2人にとってチーズは単なる食べものではなく、自己イメージなのだ。彼らの生活や信仰のシステムは、見つけたチーズを中心に形成されていく。

読み進めるうちに、この物語の中のチーズとは、我々の生活手段、たとえば仕事や職歴、仕事で携わっている産業に関係があると、ほとんどの読者が気づくはずだ。そればかりでなく、チーズは健康から人間関係にいたるまであらゆるものの象徴と受け取れるのである。この物語の要点はすなわち、「我々はいつもチーズの変化に敏感でなければならず、チーズがなくなったときに新しいチーズを求めてすぐさま行動を起こせる姿勢でなければならない」ということなのである。

どうもベストセラー本らしいんだけど、つまらないことこのうえない。読んで損した。というまれに見る本としてはすごい。というのもどのようにこの寓話を読むべきか?などという導入があったり、この寓話を読んでのディスカッションがあったりして、馬鹿か?社員研修用のテキストにしては下らん。こんな糞寓話ではなんの感銘も起きんぞ。などと流し読みをして終らせてしまいましたよ。カルヴィーノのごとき高度な寓話を読んだあとだったのも災いしたと思うが、とにかく一言でいうなら「幼稚」だ。
だがこれがよく売れるってのは世の中が「寓話」を読み解く力を失ってしまったということなんだろうか?・・と思ってアマゾンのレビューやらサイトの書評やらをみていたら、同意見の人が多かったのでほっとする。まぁ寓話を用いたビジネスハウツー本というのも珍しいので奇書の部類ではあるな。
ネットで怒りまくっている人の書評で面白かったモノ↓
○熊の巣
まれにみる興ざめの本
http://www.ne.jp/asahi/kuma/radical/dokusyo/special/cheese.htm
すごく怒っています。すべてを語り尽くしてくれています。
○i哲学
チーズはどこへ消えた?』批判−−寓話を教育に使うな 
http://www.irev.org/shakai/cheese.htm
インターネット哲学者、諸野脇正氏が哲学的怒りを爆発。

ネットであれこれ検索してみると、冗談かと思ったらマジに企業の雇用者が社員教育に使っているようだ。
出版元が扶桑社って辺りも・・・・(ill ´Д`)<だめだこりゃ。