沖縄のあの事件の顛末でまたもや暴走している花岡氏

まぁ、左右問わずイデオロギーな人々は思考停止しているのがタマにいるわけだが、かつては左に巻いた方向で思考停止しているサヨな人が多かったけど、最近はウヨの劣化が酷い。その好例が、事の発端となった事件問題そっちのけで、「花岡ヲチ」にブロガー達を走らせておる、花岡信昭産経新聞客員編集員である。
ここまで来ると既に芸の域に達している。↓
▼14歳少女はこれを教訓として生きてほしい
http://hanasan.iza.ne.jp/blog/entry/499008/#cmt

いや、我が家は親父がウヨで当然産経新聞とってるんですよ。んで、朝日のトンでも言論を読む度に親父の血圧が上がるんで「産経」取りはじめたはいいんですが、いつの頃からか「産経抄」や様々な論説コラムが過激方向に右に行きはじめ(まぁもともとそういう過激ナショナルな根はあったけど)、昨今はどんどん論説が劣化していて、流石のプチウヨなわたくしもついていけないレベルになってしまいましたが、こういう方が書いてると思うと、そこはかとなく戦前価値の右方向だった母が「朝日に変えようかな」などと言いだす現象も分ります。(因みに朝日でなく、毎日を勧めといたですよ)

まず、この花岡さん、沖縄の事情しらなさ過ぎなんでは?あとアメリカや欧州ではその年齢の女の子を「強姦」「暴行」以前にナンパすると犯罪になるとか聞きますが、まぁ色々ありますね。

前にも述べた通り、これらの犯罪が犯罪として成立するか?という問題はイデオロギーなことから離れて考えないといけない。先ずアメリカの国内法という辺りでは未成年ナンパは犯罪行為なのかどうか?んで、そうだとするとそこ違反して日本でやりたい放題なそういうのって有りかよ?とかいうような日米地位協定問題とか、日本の法律的にはどうなんだ?とか、ま、色々絡んでくるわけです。上記の記事ではカッコ付きで「強姦」などと書いているのですが、この事件は「暴行事件」として取り扱われているので、「強姦」行為だけが対象ではないとは思いますが、それらの行為による罪の軽量はあったとしても、とにかくそういう辺りを冷静に探ってはじめてジャーナリズムといえるわけですから、「しつけ」とか、そういう個人レベルに落とし込んで済ますって、どうもジャーナル的に「無責任」言論といいますか・・・頭悪過ぎなもの読まされたら、まぁ日本のジャーナルも劣化したなぁと嘆かざるを得ないです。いやはや。困ったものです。

躾というと、以前沖縄の人のブログかなんかで、沖縄住人と、基地との関係をよくするために、「基地の兵士達は親切で優しい安心ある隣人」という教育をお子様達にしているって話を読んだことがあり、(何処だったか忘れたんで、伝聞で済みません。)そういう教育をされていたら、この記者のいうような内容の「教訓」は「反基地思想を煽る危険思想」と見做されたりするでしょう。

本土とは違う、沖縄の人々がおかれている実情を調べたり、現地の人の声を拾ってから記事を書くという姿勢が大切かと思いますが。それを踏まえていればイデオロギー的に右でもここまで乱暴な言論にはならないと思いますね。

まぁ、沖縄の人々の訴えなどがナショナルなイデオロギーな人々に「反日」的方向に見えるとするなら、こういう論説家たちがあまりにも沖縄の人々の事をしらなさ過ぎ、尚且つ偏見で書きよるから、つい沖縄の人々も「やまとんちゅは・・・」的な事言いたくもなるわけだろうし、それを以てネットなどで「沖縄=反日」レッテル貼られたりしている光景など見ると、まぁがっくりとしてしまいますね。いいかげんそういうのやめたら?とか思います。

この問題を検証する為の資料を挙げているぶろぐ
○Ohnoblog 2
http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20080222/1203689365#tb
■「反省の日」に(レイプとレイシズム
モテ、非モテ恋愛論で有名な大野さんのぶろぐ。
駐留米兵による犯罪件数を欧州とアジア圏で比較した資料、証言などが紹介。

○愛・蔵太のすこししらべて書く日記
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080301/beihei
■[事件]米兵の犯罪率に関するその後の情報
少しどころかしつこいまでに調べまくり事実探ろうとする愛・蔵太さんのぶろぐ。
米兵の性的犯罪について、沖縄での件数は突出しているというデータが出ている。

お二人とも、文筆世界で生きている方ですから、憶測などを控え、データを集め、極力事実関係を洗い流したうえで、結論を出すという、まぁ文筆ギョーカイでは当たり前の「大人の常識」のお作法を身につけた方々です。こういう姿勢は特にニュース関係など、現実問題を取り扱うギョーカイでは当たり前なのかと思いましたが、昨今は、わたくしのごとき素人レベルより[これはひどい]ジャーナルな方々が新聞関連等に徘徊している模様。

なお、この事件に対する私の所感は以下に書いてありますです。
http://d.hatena.ne.jp/antonian/20080216/1203154201

■追加資料

昨日はてなのアルファぶろがぁ、funalventさんに沖縄問題についてよく判んないす。などと泣きついたら、御自身の本館ブログ『極東ブログ』での過去記事を御紹介くださった。
finalvent氏は御存知ない方もいるかもなので説明しておきますと、(実存でナニしてる人か実はよく知らないのだけど)件のぶろぐにざっと目を通していただければ判ると思うが、とにかくアンテナが広いうえに、今時は死滅しつつある伝統的な「知識人」ってヤツってのはこういう人の事を言うのかにょ的な言論を綴っておられる方である。沖縄に在住していたことがあり、ちょいと沖縄に住んで上から目線で沖縄問題を書いてるよくありがちな人々とは違い、沖縄の地べたからの視点で「沖縄」について書かれているんで、島暮らしのやまとんちゅなわたくしとしてはすごく参考になる。
以前、これらのエントリをざっと読みしていたが、脳内ハードディスクが少ない私は忘れとったよ。笑)

で、その沖縄地位協定関連エントリ紹介。
日米地位協定運営マニュアルの暴露
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/01/post_2.html
外務省が暴露した日米地位協定における米軍優先な実態暴露について。本土人による「日本を沖縄化するな」スローガンに苦笑。をい。
日米地位協定は改定すべきなのだが
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/04/post_2.html
今回の問題の背景にある過去のレイプ事件(95年)問題の根幹にある沖縄にとっての日米地位協定
朝日と「沖縄」のズレ的なモノ。ヤマトが沖縄に無頓着なのは左も右も。また文末にアメリカと日本の犯罪者に対する刑事手続きの問題などが紹介されている。
■米軍機、市街地墜落の意味
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/08/post_13.html
ヘリ墜落事件を受けて書かれたエントリ。日米地位協定がネックとなって事件解明が遅れたというのは記憶にある方も多いだろうが。普天間基地ってのが実感としてどれくらい危険かって話もありますが、それを巡る本土と沖縄の受け止め方の差違などなど。
いや、ジェット機で沖縄上空飛んでると、真下に低空飛行で本島横切る戦闘機が見えたりしますからねぇ。ビビりますよ。んで、ほんとによく落ちるんだ。島移住してからも海に落ちてたし。
■スービック・レイプ・ケース
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/11/post_b078.html
フィリピン人女性が被害にあったケース。フィリピン政府とアメリカとのやり取りなど。今回の事件に被るような様々な反応。同様な事件の一例として。

・・・以上、沖縄問題に興味を持った方は資料として読んでくらはいです。

追記:
沖縄の基地関係者も地元に対する気遣い、様々な交流をしているそうだ。(finalventさん情報)そういや、わたくしも「基地の日だから基地に肉買いに行ったよ」とかそういうイベント系の話はよく聞くですね。なんとなくほのぼのした光景的なイメージを受けた記憶があります。
かように基地が日常な中で、米兵に対する垣根は低い。どういう状況で件のお嬢さんがついていったのかは判らないが、私がそれぐらいのお子さんで、兵隊さんを「親切なやさしいお巡りさん」のように認識してたりしたらついていっちゃったかもしれないですよ。でもまぁ、こういうのは花岡氏同様憶測なレベルなんで。
この問題はやはり日米地位協定の不平等性にある。