『泣き虫弱虫諸葛孔明』酒見賢一 我、ついにはてな村の宗教の地に領土獲得し、三国拮抗する

まずは、はてな村ネタです。

http://hatenarmaps.com/view/antonian

上記のようにオーストラリア状のはてな村国家にわが領地が獲得されましたよ。
「宗教」領土を形成するのは3ブログ。touryuuuanさん(誰?)とragarajaさん(誰?)とわたくし。孔明の天下三分の計はここに為ったようです。よかったね孔明

ナニで獲得されたかというと、この過疎でネタ的に日本の少数民族的内容がゆえにオメガなブログには珍しく、40個以上もブクマがついたからだ。世の中には100個とか200個とか集めるアルファなブロガーさんもいるけど、わたくし的には10個超えたらビビるくらいです。過去こんなにブクマがついたネタは非モテネタというはてなーが喜びそうなシロモノだったので宗教ネタでこんなに行くとは。おそるべし。ピオ10世会。

しかもピオ10世会の小野田神父なんか(たぶん)エントリ記事初登場にして、すでにブクマが20個ぐらいついてて人気度上昇中。モヒカン族が多いはてなイナゴに襲われなきゃいいのですが。

さて、はてな界で天下三分の計が為った、本日読了したのはこれ↓

泣き虫弱虫諸葛孔明

泣き虫弱虫諸葛孔明

泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部

泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部

一巻目と二巻目だけでまだ続く話なんですが。
一巻のほうは実は既にずいぶん前に読了。その続きの巻が一昨年出ていたのですが、買い忘れていて、やっと買って読んだのですよ。

なんせ『レッド・クリフ』の性で三国志脳が再び活性化されてしまったからね。
先ずは家にあった、陳舜臣の『秘本三国志』を読了し、その後これを本屋さんで見つけたので購入。読んだのですな。

酒見賢一というと、『後宮小説』でファンタジーノベル大賞で賞を取り、孔子の怪しく活躍する怪力乱神的小説『陋巷に在り』を書いている中国古典ヲタ心をくすぐる作家である。そして中国古典ヲタといえば三国志は避けられない。あの宮城谷昌光ですらついに三国志に手を出してしまったほどである。

ほんとうは宮城谷昌光の『三国志』を読みたいのだが、なんせ何巻も続く本でまだ完結しておらずしかも単行本である。下流には辛い。更に三国志は勢いで読まないと前のほうを忘れたり、だらだらとエンドレスで続く戦いが続くので読む側のモチベーションが持続し続けていないと辛い。なので連載が終了するまでほんとは手を出したくない。


しかし、酒見賢一ののこれは別である。続けて読んだほうがモチベーションが下がりそうな内容なのである。寧ろ分散して読んだほうが楽しい。

どういう内容かというと、『三国志』にヨシモト流の突っ込みをし続けている本。という感じ。ヨシモト流なので、当然元ネタを知ってないと面白くないかもしれないが一応元ネタの解説も書いてあるので素人もそれなりについてはいける内容である。

先ずは諸葛孔明を主人公に据えている。この孔明酒見賢一にかかるとトンでもない食わせ物になってしまう。とにかく目立ちたがりやか変人なのかと酷い人物像に仕上がっているのだが、伝統的な物語の『三国志』読者なら「たしかになぁ、そういえばそうだなぁ』という、伝統に甘えきったような視点や、三国志演義的な蜀プロパカンダに洗脳されてる我々に、ガツンと「騙されるんじゃねぇ」とカウンターパンチを食らわせているようなお話になっている。
酒見にかかると、諸葛孔明はとにかく食わせ物のペテン師なうえにナニ考えているか判らない、信用してはいけない人外魔人。劉備は優柔不断で無責任、ナニも考えてないナマケモノの馬鹿なのだが漢っ気だけで人を魅きつけている悪の大魔王。張飛は殺戮マシーン。殺すことだけが生きがいの危険物。関羽についてはまだそれほど酷い扱いではないが、それでも頑固で馬鹿そう。ましなのは趙雲くらいか。

魏や呉の曹操孫権、それに配下にいる武将たちについても辛らつだが、蜀びいき過ぎる伝承についてとにかく突っ込みいれまくりなので、まぁ元ネタを知っていないと、なんじゃこりゃ?という小説になってしまっています。
つまり吉川英治とか、宮城谷さんの真面目っぽい三国志を読んだあとにサイド的に読むのがいいと思う。もっとも孔明登場からの話なので、董卓呂布が暴れ回っていたり、袁紹曹操と戦ったりしていた話は出てこない。あくまでも孔明が主人公なので。

しかしここまで悪そうというか暴力的軍団として劉備軍が書かれているってのも面白いです。曹操を主人公にして蜀に巣食う悪の軍団と戦うRPGとか考えたくなりました。

キャラ設定
曹操】主人公 知力武力共に優れている。悪人董卓にもと囚われていた帝を救い出し、勇者認定され、帝(献帝)の命のもと、悪者退治の旅に出る。詩文を愛する好青年。ファザコンで父親をちょっとでも傷つけると逆上して見境なく殺戮に走る欠点がある。

董卓】初期ボス。とにかく無条件に乱暴。
得意技:「(敵味方関係なく)あばれまわる」「人食い」「(敵味方関係なく)皆殺し」

呂布董卓の配下。これを撃破しないと董卓と戦えないのであるが、董卓戦後仲間になる。キャラ中最高の力設定なのであるが馬鹿なので魔力なし。状態変化魔法に最もかかり易い。あと使いすぎるとパーティからすぐ外れる。
得意技:「赤兎馬(早すぎてその後どっかに行ってしまう一発技)」 「裏切り(自動的に発動)」「寝首をかく」 

袁紹】帝を救い出したあとの重要なボス。 嫌らしい攻撃が得意だがどういう風に嫌らしいかよくわからない。どうやら家柄を鼻にかけて相手を逆上させる技などを持っているようだ。

孫権】中盤の大ボス。孫だフォンのボス。別名「お父さん」。勢力が少ないので撃破しやすそうだが、かつて孔子を悩ませた南方独特の怪しき法力(ソフトバンクハイテク攻撃)があるので侮れない。(あと、時々倭の国に行って人材狩り(拉致)をしている。数千年後、拉致した土地の倭人の子孫によって呉の首都、南京が報復されるとは思っていなかった)

得意技:水芸 虎刈り ヤフー人海戦術 分身の術(少ない兵隊を多く見せる技) 

周瑜】孫の配下。ハンサム。病弱。意地悪。曹操に妻を盗られることを恐れている。
得意技:だまし討ち イケメン攻撃(美女を惑わして、間接的に相手の士気を下げる)

趙雲】いい人っぽいので、ここで扱うのは忍びないのであるが一応悪の劉備軍の中ボス。

張飛】悪の帝国蜀、劉備配下のボス敵 なにかとにかくすごい。すごすぎて書ききれない。民衆どころか彼配下の兵士までもが曹操に救いを求めている。
得意技は全て「殺戮兵器・××」という名前 酒が入ると敵味方関係なく斬りはじめる。一騎打ちを好むので、すぐ一騎打ちを発動する。関羽が倒れると攻撃力が増す。
蛇矛が得物。

関羽】悪の帝国蜀、劉備配下のボス敵 実は神様なので戦うと金運が下がる。曹操としては戦いたくない相手なので、勧誘攻撃をしたことがあり、一時期ほんのちょっとだけ仲間になる。死んだあとも幽霊となって劉備軍を守ったり、魏に仕返しに来たりするので侮れない。ひげを攻撃すると逆上して攻撃力が増す。
最終的に神仙の技を極めた「協天大帝関聖帝君」に変貌する。
青龍偃月刀という得物。

劉備】悪の帝国蜀のボス のらりくらりとしているので攻撃のほとんどが効かない。すぐ遁走する。盾に妻子を用いる。魅力で惑わす攻撃などがある。
実は弱い。

諸葛孔明】ラスボス
八卦陣とか、わけのわからない奇門遁甲技を用いるので苦戦すること間違いなし。悪辣ぶりについては酒見さんの本を読んだ方がいいと思う。

他の武将はめんどくさいんで省きました。

とにかく、酒見さんの本を読んでいると上記のようなキャラ設定をしたくなるのですよ。

まぁそういう本です。興味深い方はどうぞ。

◆◆
しかしなんといいますかねぇ。

我々は、蜀を中心とした物語で三国志を読んでいる。蜀からの視点で三国志世界を把握している。つまり蜀は素晴らしいというプロパカンダに知らない間に毒されているというか、洗脳されているわけだ。

実は視点をずらせば別の世界が見えてくる。相手の言い分などが見えたりするわけで。

今回バチカンともめているピオ10世会の人々、どーも会の言い分を鵜呑みにしているようなのが多く、すこしは視点をずらしてナニが問題点なのか冷静に見つめたほうがいいんじゃねーのとか思うんだな。
あまりにも自説に固執していて頭が悪い。そのようにしか見えない。大局が見えていないので戦略を誤まっている馬鹿という感じ。そんなイメージはよろしくないので、バチカンの意向をもっと謙虚に聞くとか、自分の価値に固執するあまりに回りを変えたいという昨今の成長してないガキにしかみえない。

あと、欧州のバカウヨってのはほんとに桁外れに馬鹿だなと常々思う。