フェルメール展は疲れた

昨日は『崖の上のポニョ』評を書いて力尽きた。

さて、ポニョを見たあとはなにやら翻訳モノの面白いものとか本屋にでも行こうと旭屋書店が阪急にあったなと足を運んだら・・・なかった。いったいどこのおのぼりさんなんだ?首都の変貌のすざまじさは本屋を潰しておされなシャツ屋にしたり、イエナを潰して外国なブランド屋に変えたりと、わたくし的には嬉しくないメタモルフォーゼを強いる。銀座の魅力は「本屋が大量にあること」であったのだが、今はだんだんと魅力がなくなっていくであるよ。銀座にあった本屋の品揃え傾向は全て頭に入っていたので欲しい本によっていく本屋を変えるとか、漫然と見るときに楽しい本屋とか、工夫できたのが出来ない。

わたくし的には銀座は変な路地まで知悉していた街だったのであるが昨今はついていけない。首都は物量が大量にあるはいいがこういうところが嫌である。旭屋を返せ。あの本屋さんはラシュディの翻訳者殺人事件で他の本屋が置くのを自粛してたり躊躇ったりなんかしてたとき堂々と並べていた漢な本屋だったんだぞ。

で、仕方がないんで、プリンターインクを買いにビッグカメラに行った。人が大量にいた。

その足でご飯を食べてフェルメール展。人が大量にいた。

人がいすぎてナニを見たか判らない。他の人もそう思っていたと思うけどとにかくフェルメールより人の頭を観て帰ってきた。ビッグカメラフェルメール展は私の脳内で同じファイルに入ってしまった。「人が沢山いる危険地帯」ファイルな。渋谷とビッグカメラフェルメールは危険である。

いや、予測はしていたんだけど『ポニョ』のがら空き状態に一抹の希望を持ったのがいけなかったですね。『ポニョ』を観た日比谷スカラ座の観客数は20人ぐらいだったんだぞ!みんなポニョ観に行ってやれよ。

そういうわけで評を真面目に書こうと思ったけど書く気しません。「フェルメールは筆づかいが大きい絵だろうが小さい絵だろうが同じだなぁ」とかぐらいだな。
あとはフェルメール周辺の画家の絵の水平感覚が狂ってるのが気になった。右下がりになる癖のある人がいたようだな。
他に真面目に端っこまで描いていて偉い画家さんもいた。老眼になって忍耐力がすぐなくなる私としては建物オタな画家のその細かい忍耐力は偉いと思いましたですな。ところでこやつがなんでもかんでも右斜め下に赤色を置きたがるのは意味があるんだろうか?単なる癖か?

まぁ、そういう「謎」だけお持ち帰りしました。

ところでビッグカメラだが、入ってすぐ正面にiPhonコーナーがあった。おお。これが実物か!他人様が所持していたのは見たことがあるがはいじってみたことはない。そういうわけでおにーさんの説明を受けながらいじってみた。

しかし通信料金とか、もろもろの金額を聞いて友人とすごすごと退散。ブルジョアの持ち物だということを痛感したのである。こんなの払えるようなヤツはドンだけ稼いでるんだ????マックミニが壊れたのだが、それを買う金すらないというのにこんなもんにまで手が出ないよ。
首都は物量が溢れ返っているんだがいいがそのほとんどはわたくし的には無縁のシロモノである。

そういうわけで久しぶりの首都的休日を愉しんだのちはすごすごと家に帰って再び締め切り仕事に終われる生活に戻ったんである。来週締め切りなのに出来ていない。やばス。展覧会の絵も額屋に10日に渡さなきゃいけないのに全然出来てないや・・・・。しくしくしく。
忙しいのに金もないって最低ですな。