『リストランテ・パラディーソ』オノナツメ イタ飯漫画

生徒の作品チェックをしていた。
一人の生徒が持ってきた絵が、まぁうちの霊的師匠濱ちゃんに似ていたのでつくづく師匠は漫画顔だなと思っていた。(例・吾妻ひでおの『失踪日記』のA川)その生徒と話していて、オノナツメがいい!と言っていた。「是非、読んでください」誰だ?それは?なんでもイタリアのじじいがたくさん出てくる漫画らしい。じじいは修道会で充分である。

それより別の生徒が『ナルト』を貸してくれるというので楽しみにしている今日この頃。疲れているので本屋によって結局、オノナツメとやらを買ってきた。

リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)

リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)

確かにじじい漫画だった。
イタリア映画のナニも盛り上がらないけど味があるみたいな漫画。
最近この手の「盛り上がらないけど、味はあるよね」的な、或いはなんだか登場人物がどっか淡々としているような淡白なのも多いなぁ。特に少女マンガ系というか、『蟲師』もそうだけど。逆に少年漫画は、やたら台詞が多い吉本の番組みたいな『ワンピース』とか、主人公がアドレナリン全開生活を強いられている『ガンツ』とか元気なのが多い。(後者は陰惨だけんど)
ところで、先日うちのガッコのせんせが京都の大学の漫画科に行ってきたという話を聞いた。なんでもかなりの数の人々がいるらしい。大学で漫画を学ぶってどうなんだろう?生徒達はやる気はすごいようで、自主的にどんどんと作品を造るらしい。同人誌業界などもあるから、ガッコで仲間を作ってそういう発表活動を積極的に行っているようだ。とても前向き且つやる気満々な様子に、なんとも頼もしく、そして羨ましい気もするが、漫画というのはほんというと蓄積された知識や体験が投影されてないと面白くない。ゆえに寧ろ普通の大学に行くとか、社会に出るとかなど余計な知識を増やして漫画にしてくれたほうが面白いと思うんだけど。どうだろうか?
オタク的に、漫画以外の世界に「萌え」な世界を作ってそれを漫画にして欲しいっす。
そういう意味でこのイタ飯漫画。イタリアに留学して見聞したことを漫画にしたというオノナツメの、イタリア萌え、イタリア映画的な乾いた空気が、読む側を愉しませる。なんかこんな風にじじいが元気な国だよ。あそこは。でももっとスケベな気もしなくもないけど。