春めいた日のミモザ

本日、母の仕事場移転の為、我が家に改装工事が入った。玄関脇の応接間はほとんど使われることもなくなって久しく、つまりお客さんが来るということがほとんど無くなってしまったからなんだけど、いまや島犬ミモザ様の住処と化し、応接用の机の下などは見るも無残な、引きちぎったダンボールやおもちゃ、どこからもってきたかわからん破壊されたアイテムの類が散乱し、スラム化していた。
その部屋を母の仕事場にする為、改装工事が入ることとなり、それで先週から母とお手伝いさん(正真正銘のメイドさんだよなぁ・・)とで片付けていたのだが、ミモザはそれが気に入らないらしく激しくナーバスになり、机の下に入り込み、唸っていた。「私の場所を私の断りもなくなんとする?!」という感じ。邪魔なので他に移動させようとそこから引きずり出そうとすると激しく怒って人の手を噛もうとするも、もともと根ががチキンなので痛く噛むなどできない。かくしてミモザ様の神聖なる巣は排除されてしまった。
その後も、その部屋の占有権を主張するが如く、三里塚の活動家よろしく椅子の上で寝ていたりしていたが、本日、内装工事が入り新しいマットが敷き詰められ、ついに出入り禁止になった。ミモザのささやかな闘争は、この手の闘争の運命に足並みそろえるが如く、権力の前にあっけなく屈したのである。

母と「うーん綺麗になったね。ほれぼれするわぁ」などと応接間が綺麗になったのを寿いでのち、居間に移動したわずかな隙にミモザが入り込み、早速、粗相をした・・・。新しいタイルカーペットにでかでかとした染み。「この部屋はわたしのものである」というマーキングのつもりだったのだろうか。とほほである。

母と私が激しくがっくりしたのは言うまでもない。
幸いにして、Pタイルは換えられる。業者さんが汚れた時用に予備を置いていってくれた。まさか完成後一時間で交換する羽目になるとは。

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本日はミモザの抜糸の日で、医者に連れて行く。術後は順調。既に傷もふさがってかさぶたも取れ、綺麗になりつつある。
私の腹にはまだかさぶたが張り付いている。犬って早いなぁ。追い抜かれてしまったよ。とはいえわたしももう直立歩行をして人並みのスピードで歩けるようになった。外出に不安を感じることもほとんどない。しかし、今日ミモザを車に乗せるためにキャリーケースに入れて抱えて玄関から車まで運んだんだけど、それだけで腹がつれて痛くなってしまった。重いものを持つという行為はまだまだみたいです。