筋腫の記録をつけることにしてみた

腹に一物ある子宮筋腫現象について、結構色々な人が経験して悩んで手術に臨んでいるようで、同志がネット上には多いようであるよ。いずれあとから経験することになるだろう人の為にわたくしも記録をつけておく。というわけでこの単元は「闘病記」としてカテゴリしときます。

■自覚症状から診断まで

数年前から強度の貧血に悩まされていたらしき私は、貧血の性ではなく己の出不精オタク体質ゆえの運動不足、つまり怠けもんのツケが40を境についに出てしまったと思っていた。しかも島暮らしをはじめ、島は階段がない。高い建物がない。島の家でも階段を登ることはあまりない。という日常行動のベクトル的にも水平方向な動きをしていたもんだから、東京に出てくると階段が多くて激しく疲れる。島んちゅには東京は過酷な登山を強いられる環境じゃ。東京ムカつく。とか呪っていた。
酒飲むと具合が悪くなり、友人にタクシーをおごってもらったこともある。年寄って酒に弱くなったんだろうと自己判断。
教会での座ったり立ったりが辛い。「聖変化のときに跪く」って実は楽だったのよねぇ・・・。立ちっぱなしって辛いんよ。聖歌を歌うとすぐ貧血になる。聖木曜日のミサに出てくらくらして、座席に寝ていたなんてのもある。
メニエル氏病みたいな眩暈が頻発。階段の上り下りも怖い眩暈なんかによくなったり、寝ているときに家が回ってるというのもよくあった。心臓の動悸がいきなり激しくなったり、苦しくなったりというのもあって、これも歳の性やら激しく鬱ナンじゃないか?とかいう性にしていた。
ここ数年で仕事に対する集中力も著しく低下。絵に向かう気力がなかなかでない。根本的な怠け者もここまで来ると駄目人間だな。下流生活当然じゃわい。とか微妙に落ち込んだりしていたです。
・・・というわけで、「虚弱体質を誇る私が更に虚弱になったのう」とか、更年期障害がどういうものかも深く考えず「昨今は若くとも更年期障害になるらしいよ。」とか、勝手に理由をつけていたので、「病院に行って検査を受ける」というのはまったく行動の選択肢に入れていなかった。それくらい病院が嫌いなんだけどね。
ついにおフランスで救急車を呼ばれそうになる自体を引き起こし、ぐりちゃんをびっくりさせた事件で、検査でも受けてみるかと、すごく時間がたってから病院行って血液検査だけ受けた。で、上記の症状が典型的な超弩級貧血によるものだと知り「ナマケモノではない」が証明されて気をよくしていたですよ。この辺りはブログ日記読んできた方はご存知だと思う。
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貧血は単に貧血になるのではなく原因がある。当然この年齢の女性が一番疑わしいのは婦人科系の病気であるよ。そっち系には自覚できる症状もあった。
生理時の腹部の圧迫感や鈍痛。しつこいほどの頭痛。出血がすごく酷い。男性は想像もつかないだろうけど、老人の介護用品使用しないと追いつかないくらいの出血量なんですよ。その出血量見ただけで貧血起こしそうになるくらいすごいので、その時期は家に引きこもりたくなる。

腰痛も酷く、寝ていても痛い。夜中にトイレに起きること数回。要するに頻尿。腹もボコンとでている。妙に(特に腹が)太った気がする。腹部に塊を感じる(便秘の性だと思っていた)

これだけあからさまな症状が数年あったというのになにしてたんだかねぇ。馬鹿じゃないの?ってな感じですよ。ババァになるとそういうものだと思い込んでいたのが敗因だな。

子宮筋腫と診断されて
腹に一物ある立派な中年のおばさんと診断されたはいいが、超弩級の貧血は怖い辛いのでやはりなんとかせにゃあかん。これが貧血症状がなければこのまま健やかに腹が出張ったおばさんとして生きることも出来るが、仕事にも差し支えるし、別な病気になったら元も子もない。というわけで同居して対症療法などという甘い選択はあまり考えずとにかく元を絶ちたいぞ。というわけで先生に判断を仰ぐ。

行った病院の先生はわたくしの筋腫の状況からあらゆる解決法を提示してくれた。
極右な解決策は「子宮全摘」極左な解決法は「閉経まで貧血対策だけする」である。で、その間にこんなのもありますよという先生が挙げたリストがこれ。

・子宮全摘
根源を無くす。もっとも暴力的な解決方法。これを選択する人は多いそうだ。特に40という年齢の現実からはこちらがぐっと増える。卵巣を取らないのでホルモン異常等はない。筋腫、肉腫、癌等の再発はなくなる。術後、傷跡は残るが、生理はなくなる。腰痛、貧血等筋腫によって生じていた不都合は全て解消される。
しかし、若い人にとっては子供を産むことが不可能になるというデメリットがあるため、年齢によってこの方法のリスク度は変化する。また当然、本来なら存在して当たり前の内臓を取るわけで以前と同じくらいすっきりというわけにもいかない。卵巣機能が低下する。臓器切除に伴うリスクはそれなりの頻度で存在する。

・筋腫摘出
子宮筋腫の核を外科的治療で取る。開腹手術のほか、筋腫の大きさによっては穴あけて取るなんて腹腔鏡手術もある。こちらは術後の傷も小さく楽な手術である。高度な技術を要するので腕のいい医者でないと怖い。
子宮が温存されて残るが、傷等が子宮の壁面に生じるわけで癒着等の後遺症がおきやすい。

部位によっては「子宮鏡下手術」というのもあり。筋腫が小さかったり、下方ならこれを行うようであるが私のは問題外だったみたいです。

・動脈塞栓術
子宮に血液を送り込んでいる動脈を人為的に詰まらせる方法。これによって筋腫は小さくなる。放射線科と連携して行うので小さい病院だと無理。目立ったリスクも少なく最近はこれを選択する人も増えてきた。入院は必要だが、上記の外科治療よりも少ない。(後で調べたら、アメリカなどでは日帰りする人も多いみたい)
ただし、保険が利かないので高額である。
まれに全然効果がなかったということがあるらしい。
http://www.biwa.ne.jp/~ssh/sinryoka/radiology/myoma.html

・集束超音波治療
エコーの超強力版みたいな音波で筋腫を殺してしまう方法。「腐らせるんですね」・・って、をい。
体の負担が軽いのがなによりも利点。なんせ日帰りも可らしいよ。
最新式の医療である為に出来る病院が限られていることや、まだまだ新しい為に長期的なデータが不足している。長い年月で生じる副作用がどうなるのか不明。これも保険が利かない。厚生省の馬鹿野郎。
で、「うちの病院ではこの装置がないので、お望みの場合は病院を紹介します」といわれた。

・ホルモン供給を止めちゃう
筋腫が発達するのはつまるところ女性ホルモンの影響。生理を止めてしまえば筋腫も発達せず閉経までこのままの状態から、小さくなるを繰り返すのがこの手法。しかし副作用として更年期障害の症状が出る等、長期的薬物投与の為のリスクは大きい。また身体に負担がかかる為半年ほどで処置を止めなくてはならない。そして半年たって再開という繰り返し。生理が再び来た時に大変な思いをするようだ。

・閉経まで自然に任せる。
「まぁ、辛くないのであれば今のままで閉経まで過ごすという手もあります。貧血症状の為の対症療法だけになりますが。」と言われました。酒飲んでぶっ倒れ、飛行機乗ってくらくらするのは辛いのでそれは嫌だ・・・。

上記の選択肢の中から選べと言われました。
高額医療は辛いし、周りは「私もとっちゃったわよぉ」「楽ちん楽ちん」とかいうし。母なんかはじめから「なら、手術ね♪」だし。「私でもとっちゃうわよぉ」とか言ってるし。もっとも極右な手法を選ぶことになりそうだ。

そんなに楽ちんなのかよ?と思って手術体験者のサイトを見に行く。
子宮筋腫と言われたら
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Lavender/6583/
子宮筋腫 手術への道
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mogu66/


手術日記を読んでいるうちに痛くなってくらくらしてしまった。
親父の癌の手術と同じだわ。術後変なチューブとかつけられて身動き取れないし痛いし。しばらく生理食塩水(ポチ)連れて運動するために歩き回ったり。
そもそも静脈が細いからあの点滴が辛いのよ。嫌だねぇ。
まぁ後半は暇そうだな。やっぱりファイナルファンタジーIIIでもしているのがよいか?「ゲームは辛いよ」ってあるから本の方がいいのかな?私はテレビ見ないしなぁ。