東大の先生が勧める本だって

ハテブを見ていたらこんなブクマクが。
○わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大教官がすすめる100冊
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/05/100_5cc0.html
東大の先生が勧める本だって。へぇ。東大な先生がどんなもん勧めているかと思えば、

1.カラマーゾフの兄弟(フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
 2. 量子力学(レフ・ダヴィドヴィッチ・ランダウ
 3. 線型代数入門(斎藤正彦)
 4. The Universe of English/The Expanding Universe of English(東京大学出版会
 5. オリエンタリズムエドワード・W.サイード
 6. プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神マックス・ヴェーバー
 7. 解析入門(セルジュ・ラング)
 8. 邪宗門高橋和巳
 9. 物と心(大森荘蔵
 10. ゲーデルエッシャー、バッハ(ダグラス・R.ホフスタッター)

え?一位がカラマーゾフ?!
渋過ぎ。東大。
でもまぁ、ドストエフスキーは深い。何度読んでもするめのようによいよいよい。
それ以下は「プロ倫」とサイードになるほど。もっとも対象者が少ないわけで順位はあまりあてにならなさそうですが。
で、100冊の中に何故か辻邦夫の「春の戴冠」え〜??『背教者ユリアヌス』のほうが面白いよぅ。『春の戴冠』はサンドロ・ボッティチェルリが主人公なんだけど、このサンドロってぇヤツは個人的にすごくイライラする人なんで読んでいてやっぱりイライラしてしまうし、視点が古いんで「そおかなぁ?」と首をかしげるところも多いです。ごめんよ。辻邦夫。ルネッサンスに思い入れが深過ぎるんでどうも馴染まないんよ。で、ルネッサンスを知るなら何故にブルクハルトやホイジンガの『中世の秋』がないのぉ?などと不満しきり。あとボッカチオとかダンテとかはないのね。ボッカチオの『デカメロン』なんか最高なんだけどなぁ。くだらないネタ列伝という図式が最高だ。
ケン・フォレットの『大聖堂』があるのも意外です。好きな小説ですからちょっと嬉しい。けど、これ入れるならエーコの『薔薇の名前』も入れて欲しいなぁ。というか当り前過ぎて回答者がはずしたのかもしれない。
ただ、なんとなく東大選書はひねりがないうえにナイーブな感じを受けますね。土臭くないというか。ごりごりしていないというか。
京大だと違う結果が出そうです。もっと捻くれてごりごりしていそうですよ。マルクスは確実に入りそうだ。
◆◆
私が薦める、今思い付いた本。古典編
・『国家』プラトン <王道
・『サテリコンペトロニウス <頽廃の極み
・『アベラールとエロイーズ』書簡集 <ロマンス
・『小さき花』小品集 <お馬鹿な人々集
・『黄金伝説』ヴェラギネ <れげんだあうれあ。西洋のサブカル
・『デカメロン』ボッカチオ <中世版ゴシップ集
・『神曲』ダンテ <王道
・『君主論マキャベリ <マキャベリっていいヤツ
・『カンタベリー物語』チョーサー <イギリス版デカメロン
・『チェリーニ自伝』 <チェリーニってヤツはほんとにどうしようもないな。
・『西遊記』<東洋版冒険小説の基本
・『聊斎志異』<妖怪話の決定版
・『赤と黒スタンダール <ロマンス馬鹿『恋愛論』と併せて読むと最高にワロス
・『さかしま』『彼方』『出発』『大伽藍』他、ユイスマンス <カトリック文学の決定版 ゴス様御用達
・ バタイユ <どれとあげるは難しいが全部嫁。西洋の頽廃。『眼球譚』とかすごいよ。
・『悪徳の栄え』サド <サドもお勧めは多いけど、これかかなりきつくていい。
ヴィリエ・ド・リラダンの短編 <しんどくていい 
・『ツァラトウストゥラ』ニーチェ <ニーチェって天才だよな!!!!
・『白痴』ドストエフスキー <カラ兄弟もいいけどこれも好きだ。
・『中世の秋』ホイジンガ <王道
・『イタリア・ルネッサンスの文化』ブルクハルト <お約束
・『地獄の季節』ランボー <なんとなく、海で読むによい。
・『田舎司祭の日記』ベルナノス <あれ?古典に入れる本かな?暗いよ。暗さがいいよ。

・・・・・・・・・・あ〜、古典で何度か読んでるような気に入った中から思い付いたのを挙げたけどですね、おフランス文学が多いかも。イギリス・ドイツが少な過ぎ。現代のは異常に多くなるんで、なし。