杉浦日向子さんの逝去
北斎翁の面白さをこの人のお陰でより深く学ばせていただきました。ある時からきっぱりと面白い漫画の執筆をやめ、江戸の考証学に専念なさっておられたようですが、テレビに姿をお見掛けしないと思ったら・・闘病なさっていたのですね。先ほどニュースを聞いて仰天してしまいました。
荒俣宏さんとご結婚なさっておられましたが、比類をみないオタ夫婦・・に理想を感じましたけど、やはりどちらもディープにオタでいらっしゃるのか難しかったようです。その後も飄々とお仕事を続けておられる姿を見て、杉浦さんという人はどこかわたくしの理想的な、大切な位置にあるかたでした。
ご冥福をお祈りいたします。
- 作者: 杉浦日向子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 文庫
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杉浦さんの最高傑作。この人は絵がうまいのか下手なのか?微妙に悩むほど、力の入ったコマなどからはなるほど漫画は正しく浮世絵の系譜だよなぁと感心することしきり。江戸の町人文化をここまで生き生きと描けるのはその深い知識に裏付けられているからなんだと。昨今はこういう知的な漫画が少ないので、筆を置いたときは余計に残念となげいたものでした。