ベラが行方不明になり、マゴの子供ヒマゴが去った

本日は台風が去って湿気もなくなって、素晴らしい朝であった。

先日から島イタ飯レストラン「アマン」のお慶さんが持病の腰痛が悪化しダウンしているので手伝いに入っている。本日も手伝いに出かけた。
朝からアマン犬、ベラが行方不明。散歩で人気のない近所の浜に行き、いつものように走らせてあげようとリードを外したらどっかに行っちゃったらしい。あんとに庵の家に来ていないか?と聞かれたが来ていない。心配である。
3時に仕事を済ませて家に帰ったらしっぽを振って迎えてくれた。我が家の島犬ミモザに会いに来たらしい。とほほである。

本日、村上隆氏が島犬を連れて帰るということで、蚤やらダニやらを駆逐するために我が家に連れてきてシャンプーをした。
ヴィレッジの俳優犬、ケンの孫のその名も「マゴ」の子供なので「ヒマゴ」という名にしようと思うなどとおっしゃっていた。
マゴはアマン犬ベラの子供で、アマンの店長歳さんは自分のマゴの子な気持ちなのか、マゴとその子供たちの事をなにくれとなく世話を焼いていた。今回も子供が貰われてほっとしてるのと寂しいのが半ばするようだ。空港まで送りに行きたいと一緒にお見送りに行った。

昨日も少し書いたが、村上さんとスタッフのAさんはわんこを飼うのは初めてで、お二人共すこぶる心配気味だったけど、正直、優しげな飼い主に貰われて「ヒマゴ」ちゃんは幸せである。うちの島じゃヘタすると放置プレイだしな。
飼うのはファクトリーというかスタッフが沢山いる村上さんとアーチスト達のアトリエだそうで、村上さんははじめ「孫が産んだ子供4匹を俺が全部引き取って育てる!」などと豪語していたのだが、スタッフ達に「誰が面倒見るんですか?」「散歩が大変ですよ」「病気になったら子犬間でうつったりして大変ですよ」などと大変に冷静で現実的な事を諭されてしょんぼりしたらしい。で、例の子犬を運ぶ為に買ったすごいでかいケージはその4匹分の予定だったからだそうだ。(それでも大き過ぎるんだけどね)結局、ミモザ用のケージに入れてもちびっこくて心もとない様子にはらはらしていた。


ところで村上さんのファクトリーのスタッフのAさん、彼女も当然バリバリのアーティストであるが、島の「風葬」に感銘を受けて「風葬」の絵を描いたらしい。
うーむ。。。。風葬・・・・どんなものか見てみたい。

お二人共また来島してもらいたいですね。
島をテーマに作品をつくって欲しいなと思いました。

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そいや、村上さんはアマンの商売っ気のなさに感銘を受けていた。村上隆といえばジェフ・クーンツばりのアーティスト工房を経営し、沢山のスタッフを抱え、彼の作品は彼自身の作品でもあるが、スタッフ達との共同作業である。あれだけコンピューターを駆使した作品を作りながら全然パソに詳しくなく「最近やっとキーボードを打てるようになった」という按配。優秀なスタッフが支えている。つまり「村上隆」という個人の作品ではなく「村上隆」というブランドネーミングの作品である。今回いらしたスタッフのAさんも、彼女の名前でファクトリーで造った大きな作品を展開している。なんつーか、ルネッサンス期の工房みたいだな。

そういう村上氏であるから、「忙しいんですか?」と聞いたら年の半分くらいは営業でニューヨーク行ったり欧州に行ったりしてるとのこと。アーティストも営業活動か。。。。大変そうである。億単位の金が動くビジネスだから当然なんだが、弱点があるそうで「ヨーロッパ行くと腹を壊す」そうだ。マゴの子供の件のやり取りでパリから歳さんにメールが来た時も「パリで海老に当たって寝込んでいます」とのことで。

億単位の金を動かすビジネスアーティストでありながら、犬を育てることにビビったり、腹壊したり、ぱそ音痴だったり、どこか抜けているギャップが、島でシンプルに生きている歳さん夫婦への憧憬めいた感覚、或いは奄美で死んだ田中一村のストイックな生き様という原点回帰、そういう思いがどこかにあるのかもしれない。

タマに癒されに来るといいと思う。


しかし、現代美術ってビジネス感覚必要とするんだなぁ。
わたくしはなんといいますか、そっち方面が全然駄目なので、下流である。ちゃんとしている人はなんだか偉いと思った。営業してるって偉いよ。