カトリックの聖職者が生殖者だったニュース

ええと、絵描いてて、死んでます。
そんな引き篭もりを心配した友人神父が電話をくれたが、ま、ぶげらっちょと笑える話でもしたかったのでこれ幸い。
んで、以下のニュースで盛り上がりました。

▼大統領に隠し子騒動 パラグアイ「貧者の司教」
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090424/amr0904240956009-n1.htm

南米の小国パラグアイで、フェルナンド・ルゴ大統領(57)に“隠し子騒動”が持ち上がっている。4月22日には、3人目とみられる隠し子の存在が発覚した。大統領はかつて、貧民のために尽くした有名な司教だった。従来のイメージとの落差に、国民は強い衝撃を受けている。

南米というのは政治不安の国が多く、まぁアメリカ様の事実上の植民地化していたり色々な過去が、現在左派政権に取って変わったりしているところも多い。カトリック教会も二分し、既得権益を守ろうという保守層とリベラル方向に突っ走ってるのといて、リベラル方向には「解放の神学」をお題目にした。保守層から睨まれている人々などもいる。前教皇ヨハネ・パウロ2世は司祭達が直接的に政治にかかわって行くような傾向を懸念したり、現実に司祭が銃を取ってゲリラ活動に身を投じるなという動きもあった。

そういう風土の中で、リベラル的思想の司教がパラグアイの大統領選に立候補した。教会法では聖職者が直接に公権力の政治活動に関わる事を禁じている。それ故にこの司教は教会の職務を辞し、聖域から俗界に身を置く立場となって、立候補。みごと当選した。
貧者の希望となったこの元司教、人望も篤く、元司教というクリーンさも期待されたのだろうが、蓋を開けたら、子供がぞろぞろのスキャンダルが。

いやはや。わらかしてくれました。

司教をやめて俗界に降りた途端、今まで我慢していた事を解禁したのかと思いきや、年齢的にどう考えても司教だった時代のお子様だろ?というのまでいたというのだから、パラグアイでは大騒ぎ。

実際、DNA鑑定でもしないと事の真偽は分らないが、ありえそうな話だ。欧州でも20%の神父が密かに妻帯してるって話なんで。

だから子供がいようが全然驚かない。ま、「責任とれよ」と言いたいのだが、こうも複数出てこられた日には、で、それがマジにそうなら、聖職者であろうが無かろうが「姦淫」の罪なんじゃ?と突っ込まざるを得ない。姦淫、つまり「二股」は大罪なのだ。自動的に破門。反省し身を改めて、告解し、教会と和解するという手続きを踏まないと、ミサあずかっても聖体は貰えないです。

まったく困ったもんである。

尚、こういう時に教会が妻帯しないから云々とやらかす人もいるかもしれないがそれは大間違いである。何故ならば妻帯を赦せばもっとすごいことが起きる。教会の私物化、血族司教、ラテン系というのはもともとファミリー門閥造りやすい。なので日本の政治の比ではないぐらい腐り果てそうな予感がする。教皇一家とか、教会一族同士の殺し合いとか・・・想像出来てしまって恐い。いや、確実にそうなりそうだ。それに比べたら隠れてこそこそ妻造ってるほうがまだ罪深くない。見て見ぬふりしてやるから、上手くやれよ。と。まぁ、ばれた日には叩かれても自己責任だ。庇ってあげない。その覚悟で女作りなさいよと。チキンハートなヤツは作るなよ。と、まぁそういう事です。


しかし、なんといいますか、南米に比して、わが国のスキャンダルは可愛いもんだな。
芸能人のスキャンダルが泥酔した揚げ句の裸踊り。政治家のスキャンダルが記者会見での酩酊。それが出演自粛とか、辞任とかになるというのだから、措置は遙かに厳しい。

特に前者。後者の大臣はともかくも、草磲剛(草なぎ剛と書かないとフォントが反映されないか)の話なぞ、若気の至りに過ぎないモノがなんでニュースの一面となるのか理解出来ない。

中世ヨーロッパにはゴリアールと呼ばれる一団がいた。「放浪学生」などと訳されるが、ヒッピー学生。大学からあぶれたような若者が都市部で暴れ回る。今でいうようなヤンキーと言いますか、暴力沙汰は日常茶飯事。大学に在籍してるような学生でも血の気が多いので「学生牢」などが存在していた。

酒飲んで暴れて馬鹿やる若造という者の肖像は今も昔も変わらない。逮捕されて留置所にぶち込まれ、次の日そのブタ箱で目覚め、お巡りさんに説教喰らって釈放というのは友人も経験している。裸になりたがるのもいた。「わいせつ罪で捕まるぞ」などと仲間達が笑っていた。通常こういうのは「そういうこともあるよね」的に見逃されるものだが。芸能人というのは世間様の奴隷なので、こうしてニュースにされ、馬鹿を晒されて世間様に謝らねばならないのか。可哀想である。今回、芸能人>酩酊>奇妙な行動の線で、薬物が疑われたようだが。清廉潔白で宜しかったようで。

寧ろ、こういう時に「自粛」などとやらかす方向性はやめて欲しいものである。なにか世間のエートスが窮屈になっていく方向が嫌だ。幸い世論は草磲君に同情的だが。しかしCMの打ちきり、番組自粛。メデイアのこういう体質には腹が立つ。このピューリタンどもめ。

しかし草磲君はこの件で「心底、いいヤツ」認定され、逆に男を上げたようである。よかったですね。