聖週間である 枝と桃カステラ

今週はカトリックの暦的に最大級の聖なる週間である。今週末の日曜日が復活祭なのだ。クリスマス以上におめでたいのである。

昨日、夜中、外を見たら真ん丸の月が海の上に浮かび、水平線が月光にきらきらと輝き、まことに幻想的な光景を造り出していた。復活祭は西洋の暦を移動する祭であり、春分の満月の次の日曜日と定義されている。本日は大潮だ。聖週間は大潮とともにやって来る。

この月齢で移動する暦というと陰暦があり、島では概ねこの時期に「浜下り」をする。浜下りは旧暦の三月三日。サンガチサンニチとか島では言う。桃の節句のように女の子だけではなく、産まれた子供を祝する日である。月の動きという天体に敏感な行事が、復活祭と浜下りで、こういう自然に連動した行事というのは、体感的で好きである。それに浜下りが近いと復活祭も近いという共通は教会なんぞない島生活でちょいと有難い。

ポーランド在住のしゃるろとっかさんがポーランドの枝を送ってくれた。

なんともカラフルな枝でびっくりである。カードも一緒に下さったけど、そこに描かれたイースターエッグがいかにもポーランド的な図で可愛い。

先日の日曜日は。枝の主日イエス・キリストエルサレム入城を思い起こすために、聖書のエルサレム入りをバーチャルに体感する典礼を行う。信徒達は枝を手にして司祭を迎え共に聖堂に入る。この時手にする「枝」はシュロと聖書に書かれているが、各国の植生で枝の種類は様々で、鰤さんがロシアの場合、雪柳だとコメに書かれていた。イタリアではオリーブを用いているところもあると知人から聞いたことがある。
日本では蘇鉄の枝を用いるところが多い。
我が家は蘇鉄とアダンのジャングルを開拓して建ったので庭には蘇鉄が多い。春になると枝を落とすのだが、ものすごい大量に枝が出る。捨て場に困って庭の橋に放置してある。しか蘇鉄は凶悪な鋭い葉を持つので軍手をしていても手に刺さる。茨に近い凶悪さで、何度か手入れ中にトゲを刺してえらい目に遇った。晴れがましそうなエルサレム入城より別の連想をしたくなる。(ピラトの尋問とかな)


ところで、桃の節句、本土の暦でのひな祭りのころに、長崎の展覧会でお世話になったTUTTIのIさんから長崎の節句のお菓子桃カステラをいただいた。文明堂で見て、うひゃぁ!なにこれ?可愛い!などと感激していたら、節句の頃に売り出される限定品なのでその頃に送ってあげますよとおっしゃって下さった。

で、そのサイズも大小あって「小さい方でいいです」って言ったのに小さい方もでかい。
こんな感じ↓

本体はカステラの上に砂糖菓子で桃が作られているのだが、この砂糖部分がえらく甘いのでこれを一ついただくと大変なことになる。美味しくて幸せになるのだが凶悪に甘いのでこれの半分サイズが丁度いい。しかしこれの大きい方はいったいどんなもんなのだろうか?見本で見る限り容積的にこれの三倍ぐらいの大きさだったぞ。ちなみにIさんはこの大の方をぺろっと食べてしまうそうだ。まぁ朝っぱらからアンパン食べている人なので、甘い方向に強者である。

この桃カステラ、話のネタに面白く、知人が来ては出したり、お隣の子供に分けたりと楽しませてもらった。
昨今は季節限定的なものが少なくなりつつあるけれど、やはりこういう季節限定ものっていいですね。