パスポート忘れた悪夢

文化人類学者の怪人山口昌男はあちこち行く。日本中、世界中、フィールドワークして大量の本を買い込んで帰って来る変なおじさんである。あまりにもあちこち行き本を買い込み脳味噌は本のこととか今興味ある事で占められるので日常の事が苦手っぽい。パスポートや新幹線や飛行機のチケットを(家の中で)無くす事は日常茶飯事である。
或る時ゼミの学生とバリ島かどっかでゼミの一環で海外講習なんて企画を立てた。フライトの当日、山口昌男はパスポートが買い込んだ本の山に埋もれたのか四次元に入り込んで見つからず、フライト出来なかった。担当教官不在のまま学生達はバリに行った。そんな話を聞いた事がある。うわそれはすごいと他人事のように聞いていたが、後日、誰かの展覧会の為だったか山口先生と共に京都に行くことになり、知人が事前に山口先生にチケットを渡したのだが、当日いっこうに現れない。発車時刻をすぎても姿が見えない。同行者は慣れたもので「山口先生だから」で納得して焦りもしなかったが、新幹線が動き出してから席にやって来た。「チケット無くしちゃったんだよね」「交渉していたらギリギリになった」とおっしゃっていた。

こんな体験をした方がいた↓
○Blue-Periodさんの日記
http://d.hatena.ne.jp/Blue-Period/20090223/1235394686
■8度目の海外旅行で最低最悪の失態を演じ、旅行はキャンセルでごさるの巻

「ドイツマルクをユーロに量替えする」をテーマにしたニコニコ動画にアップする為に南回りでドイツに旅立つ横浜在住のBlue-Periodさんが「関空」の税関でパスポートを提示したら「それ古いパスポートです。新しいパスポートはお持ちですか?」と聞かれて真っ青になったというお話。結局、旅をそこで断念した。すごく悲しい体験のお話。

ああ、先日銀行で「それ、既に済が付いた古い通帳ですね。新しい通帳はお持ちですか?」と聞かれたのを思い出した。間違えて古い通帳もってっちゃったんだよ。島には当然の如く都市銀はない。郵便局と信金と農協だけだ。なので旅立つ前に取引銀行で色々やっていこうと思ったのだが、通帳間違えて、改めて出直さざるを得ないのだが既に時間がなく、なにも出来ずに島に来てしまったという苦い体験の、それの数億倍ぐらいの悲劇体験だ。

わたくしは海外旅行の話が持ちかけられる直前、必ずと言っていいほど予知夢をみる。その予知無の内容は決まっている・・・
空港でチケット/パスポートを家に忘れたことに気付く。
帰っても間にあわない。
すごく焦ってパニックになったところで目が覚める。
・・・この夢をみたあとは誰からか「××に行く気ないか?」という話が来るんである。そしてこの悪夢が実現しそうで恐く、旅の前日は何回もチケットやパスポートに不備がないか確かめてしまうくらいである。おかげで今の処、このトラブルを免れてはいる。妹は一度「チケット家忘れ」経験がある。

「紛失したパスポート」が出てきてしまったという辺りの紛らわしさも気の毒状況に拍車をかけてしまったんですね。
あまりにも気の毒なのとすごい悪夢なので備忘しましたが、山口昌男はたぶんそれの何倍も色々旅立てなかったことがありそうです。Blue-Periodさんもこの体験をネタに大物になって欲しいです。