ネットにおけるセクハラ 追記)アルファになるリスク

ネト友人の鰤さんがピンチにあっているとおぼしきエントリを書いていた。

○鰤端末鉄野菜 Brittys Wake
http://d.hatena.ne.jp/Britty/20090214/p1
■[misc] id:ekken さん、性的いやがらせはやめてください(追記アリ

このタイトルを読んで心配しない人はいないだろう。
が、常にどうもブクマ集めに奔走している鰤さんなので、はじめ釣りかと思った。そんなにブクマとか集めて楽しいのか?と思っていたんだが、どうもマジネタか。

しかしどんなセクハラにあったのかというと、上記のブログを辿ればまだ残っているかもしれないし、消されているかもしれないが、心臓に毛の生えたわたくしには実はこれでなんでセクハラというのか理解できなかったというのが正直な感想のシロモノであった。しかも常日頃、わりと理性で物事を相対化したそうな鰤さんと、この感性が結びつかなかった。(つまり、この世のエロ事象を解体し、突き放して観察しそうな相対脳感性)

わたくしは芸術系のトンでもない男社会のガッコにいたのでどうにもこの程度のレベルなんか幼稚園児に思えるようなエロいことを話す男子ども(思い出せば教授からしてそうだったな!)に囲まれていたので(これでも『マリみて』の舞台になりそうなカトリックの女子高出てるのによ)いつの間にか外道な感性になってしまい、鰤さんの気持ちが理解できなくなってしまったようだ。これではマチズモな某アルファブロガーのようだ。*)

*)言い訳するなら芸術というのは先に述べた相対脳作業を伴うので芸術のガッコの図書館にはすごいオタカラ・・いや、写真表現の本などが沢山あります。そして教授や男子の下らないエロい反応すらそういうのと同じ扱いになってしまうのである。昔、皇太子の嫁探しのとき出身校の卒業生も対象だという話があったが「でも美大系は省かれるんだよ」というので、確かにそれは賢明だと思った。

実は以前コメ欄でセクハラ表現を伴った実名入りの個人情報開陳の今なら告発すれば犯罪として成立するよ。これ。というコメントを書き込まれたことがあった。削除して一晩はムカついたが、寝たら収まった。つーかアホにまともに付き合っても仕方ないなと。まぁ、この場合、相手に明らかな悪意があり、このケースなんかより途轍もなく悪質であった。ただ、なんつーか大の大人の所業としてはあまりに情けなかったんで、寧ろ気の毒になってしまったので怒りがなくなってしまったのだな。

で、まぁ外道なわたくしはともかく一般にはやはり「嫌なものは嫌だよね」というジャンルがある。悪意があるカキコは当然嫌なものだがそうでないレベルで嫌なものがある。エロジャンルではないがわたくしにもある。これはなんつーか説明しづらい感性の分野だな。

で、そのうちの一つに「殿方は気付かないが女性にとって嫌なモノ」というのがあって、エロネタというのはその部類となる。私もまだ青臭い女子高校生の感覚をそのまま引きずっていたら、軽いジャブのごときエロ感覚での話法(それもかなり低級)でも泣いてしまったかもしれませんな。

つまりそういうのは言葉がそこにあるだけで不快指数が上がる。さらに自分の言葉が揚げ足取りでそのように扱われたという今回のようなケースでは不快指数は更にあがるだろう。べったりと皮膚にまとわりつくような不快感を感じてしまうのだな。
たとえばブログなんかしてると、無差別で送られるアイドル系のエロトラバとか、メールに大量に入ってくるエロタイトルのメールとか、見ただけでぞぞっとするのがありますな。最近は慣れてしまって自動的に消したりしてるが、ネットに慣れていなかった頃ははじめはよくわけが判らず、誰が送りつけて来たのか判らないという恐怖と共に上記のようなねとっとした不快感を抱いたものだった。
最近はうちの母までそういうエロタイトルのメールを「あらまぁ、また馬鹿なのが入っていたわ。やぁねぇ」と言いながら淡々と消しているので、慣れとは恐ろしいもんであるが、とにかくまぁ慣れたとしても気持ちのいいものではない。

別にそのつもりでなくても相手がそう受け取ってしまった場合、悲劇となる。セクハラにおける誤解というのはこういう場合も多い。

「それはすごく嫌です」と異議申し立てがあれば即座に応じるというのがトラブルを避けるポイントでしょうな。

ネットというのは純粋言論世界なので実存の相手がどういう感じの人なのかとかよく判らない。ある程度言葉をやり取りして相手の感性とか価値とかがわかってくるにせよ、やはり判らない。だからその距離感を掴みづらい。ゆえに判ったと思ってしまうと大きな落とし穴に陥るときはある。意外な一面が突然現れることもあるのだなと。だから言葉というのはなるべく選ぶ必要はあるし言葉の影響力を軽視してはいけない。常に言葉を客観的な感覚でとらえなきゃいけない。

とにかく、ブクマ世界とかはてな村の世界の人間関係とかよく判らないので、俎上にのぼったekkenさんのこともよく知らないのでなんともいえませんが、まぁ例えば以前からナニか嫌だなと思うことがあったとかそういうこともあるかもしれないし、単純でもないのかな?とは思う。ただ、セクハラ認定されたってのもこういう村社会だとすごく気の毒だったりするので、早いトコ解決されて欲しいですね。双方の為に。

◆◆追記、アルファになるリスク

鰤さんは先日私のブログがホッテントリに入ったとかブクマ集めたとかなんかそんな記事を書いていて、なんだかテレビの中の人が視聴率確保に奔走してるみたいなことしてるなぁと思って眺めていたんだが、確かに表現者にとって多数の人に読んでもらうというのいは嬉しいものである。しかし不特定多数の人に読まれてるというのは思いもよらないトンでもないブコメもついたりするというリスクが伴いはじめる。

批判ブクマのみならず、感性が合致しない文を書く人、悪意しかなさげな人に粘着されて弱ってるアルファブロガーさんも多いようだ。マッチョなダンコガイさんなどはブクマカーたちを高い高層マンションからムスカのように見下ろして笑っている印象だが、池田信夫さんは激しく真面目に敵視して怒っているし、finalventさんは戸惑いを隠さない。ブログというマス媒体のリスクというのはそういうのがある。

現実のマス媒体だとそれが日本全国規模になるのですごく怖い。家に変な手紙が来たりとか、直接へんな人が来たりとか、2chにもうはっきり言ってそりゃもうセクハラだろなスレのカキコあったりとか目も当てられない。変なコラまである。いやもう身近な人間がそういう目に遭っているのを見てきたので、露出するというのはリスクがあるなぁ。という概念がどこかにある。

なんでまぁわたくしのごとき小市民は露出したほうがよさげなジャンルの職種の癖になるべく露出したくないなと思ってしまうし、どーもこの有名税的な考えはなんとかしてもらいたいと以前から思っていた。(なので家人をネタにするヤツは頭から抹殺している。友人ランクが下がる。)

で、密かに活動しているような泡沫ブロガーにはこの手のブコメはあまりつかない印象があるんで。同じ構造があるのかなと。あと常にブコメで名を見てるんで知ってる人みたいな距離感が無くなっていた可能性もある。テレビの有名人に出くわすとそういう距離とる人(初対面なのに知ってるみたいになれなれしくなっちゃうようなの)がいるけど、それに近い感覚がどこかにあったかもしれませんです。

礼は失っちゃいかんな。美的にも。