チベットが大変なのにはてなが落ちる

ええと、チベット暴動、中国武力弾圧、死者沢山のニュースが流れているので、気になって色々調べていた。
エントリを書こうとして書きかけたのはいいが、チベットについてはてなのキーワード読もうとすると、そのページだけ文字化けして落ちまくります。トラブルが起きてsafariが勝手に終了してしまうのだ。他のキーワードは読めるのに。「チベット」だけ駄目である。ダライ・ラマも読めるのにだ。ななななにが起きているんだ?
1・中共工作員の仕業
2・はてなの中のチベット人が反乱
4・大量の人がアクセスして壊れた
5・単にマカーだから
6・safariの中の人は実は中国人である
・・・・・・・・・・・・・・どれだ?
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気を取り直してエントリを書く。
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昨日紹介した島に来てからだらりだらりと読んでいる本。インドネシア作家、プラムディヤ・アナンタトゥール。

人間の大地 上 人間の大地 上 (プラムディヤ選集 2)

人間の大地 上 人間の大地 上 (プラムディヤ選集 2)

インドネシア国家創生の長い物語。これ↑はその1巻めに相当する物語である。インドネシアは永らくオランダの統治下にあった。東インドに広がるこれらの諸島を武力で侵略し支配した。この時、バリなどではバリ人達が激しく抵抗し、多くの死者を出した。その物語については以下の小説がある。
バリ島物語―A Tale From Bali

バリ島物語―A Tale From Bali

1906年、バリ島のバドゥン王朝はオランダ軍に制圧される。その光景をかいた小説である。
プラムディアの『足跡』は一人のジャワに住むインドネシア人の目を通して体験したインドネシア共和国の成立の物語である。オランダの植民地であった東インド諸島における民族覚醒はアジア全域に生じたナショナリズムの一つである。近代が体験したナショナリズムは植民地支配からの脱却であったのだが、現代、ナショナリズム民族主義という問題は共同体に属する多様な他者の否定という非常に厄介で支配的なシロモノでもあり、また同時に未だ「植民地」弾圧は克服されていないがゆえに、近代に体験されたナショナリズム民族主義的なるものが自由という言葉と一致するシロモノでもあり。ゆえに今プラムデイアのこの小説を多くの人に読んでもらいたいなどと思ったりする。国家というものを成立させていく過程で、多様な他者を抱えていたインドネシアがどのように苦悩していったのか、この小説は描いていく。

中国の現代の問題は、多様な他者を漢民族が圧制している状況にある。それも武力で。まさに近代の植民地主義者的な様相を為しているわけだが。チベット民族への弾圧だけでなく、ウイグル自治区の問題、そして国際的にもダルフール問題など非人道的な案件に関わっているなど、それらによって国際的非難を浴びている状況下にある。ちなみに宗教弾圧もしとりますな。大紀元法輪功問題も有名だが、バチカンと角突き合わせてたり。地下教会とか。

そしてこのニュース↓

チベットで商店放火などの「暴動」、僧侶らの反中デモも
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200803140028.html
中国の国営・新華社通信は14日、チベット自治区ラサで同日、チベット系住民が複数の商店を焼き、多数の店が営業を中止したと報じた。中国人系の商店を標的にしているとの情報がある。負傷者が出ている可能性もある。チベットでは1989年、暴動が起き、戒厳令が発令されているが、今回の騒乱は同年以降、最悪規模との見方もある。

中国はじまったな。
一触即発な爆弾を大量に抱えた中国。チベット問題から来たか?
中国側の発表では死者10人とのことだが

▼焼死の死者10人と新華社、僧院封鎖か チベット暴動
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200803150005.html
北京――中国チベット自治区ラサで14日起きた大規模騒乱で、国営・新華社通信は15日、7人が死亡したと伝えた。この後、10人に上方修正した。チベット人僧らによる抗議活動が警官隊に阻止された後、殺害されたとしている。

死亡者の多数は商業の従事者としている。自治区政府当局者の情報を引用し「犠牲者は罪のない市民であり、焼死した」とも伝えた。中国政府は今回の暴動について、チベット仏教最高指導者でインドに亡命中のダライ・ラマ14世が関与していると非難。ダライ・ラマ側はこれを否定、中国支配に対するチベット住民の長年の不満が爆発したものとしている。

チベット住民の海外支援組織は今回の騒乱で、中国の漢族などの経営店舗が多いラサの主要市場が放火されたと述べた。米国の人権擁護団体などは、中国の治安部隊が騒乱後、ラサ周辺にあるチベット仏教の僧院3カ所を封鎖し、兵員輸送の車両が出動していると述べた。

インド北部ダラムサラに拠点があるチベット亡命政府は15日、死亡者は最大で100人に達するとの未確認情報があると述べた。

ん?中国は10人といい、チベット亡命政府は100人という。
南京の虐殺で中国側と日本側で数字が違うみたいなそんな光景。中国って自分の都合で数を変えのか、正直に言ってるのに他の国が酷いことをいう・・のどっちだ?

それはまぁいいとして、この暴動、実はビョークが原因か?
○木走日記
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20080315/1205551252
チベット問題でおもいきり中華思想を表出している肌寒い中国当局発言?「中国人民の感情を傷つける」「あらゆる民族の憤激と非難を呼び起こした」

ところで、うちの祖母@97歳は常々「中国は大きすぎるから4つに別れるといい」と申しておりました。どういうふうに4つなのか分からないんですが、チベット漢民族中心のと満州旗人とウイグル方面とかかな?とにかく統治するための共通意識をすべからく中国人が共有しているわけではない。中国共産党国家はほとんど漢民族国家であり、多様な民族は同等に存在しているわけでもないようなそんな不協和音は昔からあった。かつての愛新覚羅の末裔のごとく「中華」に染まっておらず、染まるつもりもない民族が大量にいるんで、同じ国家の中で共存する為の装置であったはずの「共産主義」も全然役に立ってない。中原の覇者、毛沢東の物語は漢民族の神話でしかない。

中国問題は嫌でも世界に影響する。
目が離せないこの問題がどうなるのか。収束するのか拡大するのか、しばらくアンテナを張っておこうと思うのですよ。