アメリカのカトリックは馬鹿か?

なんとなくこんなニュースが目に付いた↓

▼映画『ライラの冒険』は無神論:北米カトリック連盟がボイコット運動
http://wiredvision.jp/news/200712/2007120720.html
今年もホリデーシーズンが始まったが、12月7日(米国時間)に劇場公開のアドベンチャー映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』[日本では2008年3月1日に公開予定]が、古くから存在する大きな議論を巻き起こしている。

この作品は、ファンタジー三部作『ライラの冒険』シリーズの第一巻、『黄金の羅針盤』を映画化したもの。この作品が無神論を子供たちに植え付ける、として複数の宗教団体から激しい非難を浴びているのだ。

北米のカトリック連盟では、フィクションであるこのファンタジー映画(そう、ここに注目してほしい)に対し、ボイコットを呼びかけているほどだ。

ライラの冒険』シリーズの著者である英国人作家、Philip Pullman氏の作品は、宗教に対する辛らつな批判精神で広く知られている(Pullman氏は以前、「私の著作のテーマは神を殺すことだ」と公然と述べたことさえある)。[グノーシス主義などの影響を受けたこの作品では、パラレルワールドで信仰されている神が、実はニセの神であったと描かれ、また物語の後半では神や天国への反乱が主要なモチーフとなる。]

うへぇ。メリケン人というのはどうしてこう・・・小一時間・・・・。
どうもアメリカのカトリックな方々の中には未だ禁書どころか焚書でもしかねないような人々がいるようである。

わたくしは『女神転生』のあの神が悪者なゲーム、しかも中ボスに天使とか出てくるアレ。仲魔に悪魔と天使とケルトやヒンズー辺りの神々やなんぞを引き連れて、YHWHを何度も倒しまくって愉しんだクチですが、ファンタジーはファンタジーで愉しまないと想像力を失います。

案の定、はてなブクマでは「宗教=馬鹿者め」的なコメントが多数。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://wiredvision.jp/news/200712/2007120720.html

2007年12月07日 siomaruko 個人的には、ID論のほうがよりひどい悪影響を子供に与えるファンタジーだと

なんとなく同意。

2007年12月07日 p_shirokuma この程度のことに脊髄反射しなければならないほど、カソリックというのは脆弱なものなのか、今ひとつ分からない。映画で何をやろうが誰が何を言おうが、動じるカテドラルでもあるまいに…。

まぁ、その通りですな。

ただアメリカのカトリックはかなり危機感抱くほどに、脆弱な状況下にあるのかもしれない。そしてそれ以上に脆弱なわが国のカトリックはというと、わたくしがいい例である。危機感以前にはじめからナニかを諦めとりますな。

ただ、アメリカのカトリックは他の国と違って異常に保守らしく、我が妹もアメリカに行って、自分が知っているカトリックとは随分とかけ離れているのでびっくりしたそうだ。もっとも全てのカトリックがそうとも限らないようで、リベラルな人もいるのだがどうもこういう保守なのが悪目立ちしてしまうようだ。

ところで、この原作者についてはsummercontrailさんが書き出したように・・・

2007年12月09日 summercontrail "『ライラの冒険』シリーズの著者である英国人作家、Philip Pullman氏の作品は、宗教に対する辛らつな批判精神で広く知られている(Pullman氏は以前、「私の著作のテーマは神を殺すことだ」と公然と述べたことさえある

・・・・などと、宗教に激しく喧嘩売ってるような人なので、実はどっちもどっちなんではないかという気もするのである。異常な無神論者もこれまたうざいからな。

まぁ、もとの映画がファンタジーとして面白いか面白くないかで判断したいもんですね。もし「宗教はクソだ」というような説教臭い内容だったら、「宗教マンセー」なシロモノとそう変わりないだけだ。

ところで、このカトリックなんちゃらという団体さんは、禁止すると余計に人は見たくなる心理というものをわかってるんだろうか?態のいい宣伝になっとるだけだと思いますよ。

んでも、わたくしは『パンズ・ラビリンス』の方が見たいです。