『いつまでもデブと思うなよ』岡田斗司夫 オタキングの偉業

先日、妹が送ってきたワンピースのチャックがなかなか上がらなかったことにショックを受けたわたくしはどえらい危機を感じた。一応母にあげてもらって着ることが出来たが、このままではMサイズの服がもはや早急に着れなくなってしまう。これは最大の危機である。
身長が超ちびっ子(153センチ)のくせに何故か9号ってのはどうよ?な体型だったわたくしではあるが、(体重が38キロの時代でもそのサイズだったという謎体型)それが、チビの癖に11号、Lサイズになるというのは、昨今の発育のいいスレンダーな若者フォルムからすると、もう、つぶれ饅頭にしか見えんのですわ。まぁ要するに絵に描いたような中年おばさん。水着着るとハム。これで、青山のコルソ・コモとか、ユナイテッド・アローズセレクトショップのウィンドウで「ほげ〜。欲しいづら〜」とか、まったく無駄。思い描いているその服を着た私と現実の私とのギャップがすんごそうである。(顔だけ痩せって方もいるが、わたしは顔から肉つくしよ。#)もう既にただのおばさんだが、「微妙にまぁおされかもしれないおばさん」程度ぐらいにはなりたいっす。

そういうわけでマジ深刻な気分になってダイエットとかをしてみようかと思ったが、そもそもダイエットは3日坊主どころか、一日で挫折みたいなレベルぐらい続かないのである。

そういうわけで、最近出た強烈な本を購入することにした。
これだ↓

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

岡田氏というと、オタキング。オタクの王様。キングオブデブのイメージがあったのだが、この方が痩せて、オタク人間じゃなくなったらしい。中味はオタクでも外見がオタクじゃなくなったというか。その痩せっぷりがとにかくすごい。
一年で50キロ痩せたそうだ。
なんせ痩せる前の体重が117キロだそうだ。身長171センチで、その体重。つぶれ饅頭度率たるや相当である。
こんな↓
http://putikuri.way-nifty.com/blog/2007/09/916_7d80.html
■スタイル&顔の変遷9/16版

最後のほうなんか「誰?」状態である。

こんな体験をした方の記録はすごそうなんで読んでみる事にした。なもんでけふ、帰りに本屋よって、購入した。さすがオタキングだけあって、読ませる文である。すぐ読んじゃった。

オタクだけにダイエットのプロセスの身体構造をみごと暴いている。分析力がすごい。痩せていく過程での空腹との相関関係、体脂肪率の変容と、体重、実際の胴回りとの変化の相関関係など、臨場感溢れる筆致で書いているんで、体重が減るシステムというのがよく解ったっす。
特にデブは必然的にデブになっている。つまり生活習慣ゆえになっているというか、食うという欲望を身体ではなく、頭で作っている「欲望型」の食欲に支配されているが、痩せている人間は体が真に欲したときに空腹を覚えるという「欲求型」なんだそうだ。それを身体を使って証明してるからすごい。

これはハウツー本というよりは人間が何故太るのか?というシステムの解析本なんだな。

そういうわけで私がいつから太り始めたか振り返ってみると、時期が色々ある。
大学に入った頃は38キロという体重だった。しかしハーシーの板チョコはどか食いするし、ダイエットしていたわけでもない。ただ、食は細かった。しかも家の食事は父の病気の性と京風というダブルパンチで、油っけが少なく、婆臭い「おばんざい」が主流だった。なので外食の量などとてもじゃないが食べ切れなかった。大学に入って外食をするようになったはいいが、しばらく一人前が食いきれず、友人♂に残りを食べてもらったりしてましたです。
学部の時はそれでも42キロ台だったんだが、大学院になって46キロまで一気に太った。なんでかというとバイトしたからだ。労働者になって、昼飯をプロレタリアなおじさんたちとともにどかどか食べていたら一気に太ってしまった。当然一人前の量をペロッと平らげおやつまで食べていたです。しかもプロレタリアといってもおじさんたちと違って、仕事はデスクワークなんで動かない。そりゃ太る罠。
それでも空腹にならないと食わないというタイプだったんで、不思議と体が欲する栄養素には敏感で、胃の調子が悪くなるとキャベツを大量に、風邪を引くとみかんを大量に食ったりしていた。これは岡田氏が言う典型的な「欲求型」の体質である。
大学出てからしばらくその体重だったのが、更に太っていったのは、「漫画とか本読みながら菓子を食う幸せ」を趣味にしたからである。妹とわたくしは根性が小市民なので最大の休日のレジャーはそれなのだ。岡田氏も書いていたが、辛いせんべいやチップス、それとチョコ、それに加えて飲み物を購入してきて、寝転がってそれ食いながら漫画を読むんだな。至福至福・・と言ってる場合ではない。空腹でもないのに漫画読むと食うもんが欲しくなる条件反射がついてしまったのだ。
つまり、この時点で「欲望型」の食物摂取になっていたんである。

すごい。岡田氏はすごい法則を教えてくれたもんだ。

まぁ、岡田氏の言うようなレコーディング・ダイエット(毎日食べたものとカロリー、体重と体脂肪を記録していき、必要なカロリー内にご飯を抑える訓練を身につける)を完全に遂行する自信はないが・・・やってみようかとは思うけど、カロリー計算できるかわからん・・・・が、とにかく身体のメカニズムが解っただけでも、めっけもんである。

腹すいてないのに食うんじゃねぇ。
気持ち悪くなるほど食うな。
・・・・・・・・というのはなんじゃか重要な気がする。
最近、腹が空いてなくても食べて、食べたあと満腹で気持ち悪いよぅっての多かった気がする。体が欲する栄養素と量の声が聞こえるまでは、ちょいと頑張ってみますかね。続かなさそうだけど。