沖縄ブームってなんだろうね・乱開発に泣く島

sumita-mさんとこで知った記事
○Living, Loving, Thinking
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070903/1188821582
石垣島宅地造成問題

▼名蔵宅地開発:反対訴え説明会流会 県に要望書提出
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/okinawa/news/20070903rky00m040008000c.html
 【石垣】沖縄への移住ブームの中、石垣市名蔵で大規模宅地開発を計画している不動産開発企業のゼファー(東京都、飯岡隆夫社長)の住民説明会が8月21日開かれたが、住民らが計画反対を訴えて退席したため、流会した。
 住民らは、同23日に県八重山支庁に兼島規支庁長を訪ね、同社に開発許可を与えないよう県知事あての要望書を提出。「許可すれば石垣島は、一気に乱開発が進む」と訴えた。ゼファー側は「計画案のどこがまずいのか話してくれれば検討もできる」として、再度説明会を開催する方針だ。

石垣がなんか大変なことになってるそうですよ。
行ったことがないのでよくわからんのですが、時々沖縄乱開発の話は聞くことがあります。
はじめは本島の建築ラッシュからはじまりましたが、離島も大手のホテルが自然破壊したとかそういう話は聞いていましたが、今度は移住者向けの開発だそうで。へぇ。

「沖縄への移住ブーム」というのは聞いていたが、大規模な宅地造成が計画される程のものなのか。

そういやわたくしも南島離島移住組ですが、実はブームとかそんなのがない頃、沖縄県でもないこの鄙びた島に来て、気に入ったのがきっかけです。
すでに手狭となった仕事場。作品を置くスペースも無くなり、蔵書も増えまくって困り果ててはいたものの、首都圏では土地代も家賃も高過ぎ、正直、八方塞がりであった。そういうわけで、どっかに仕事をするスペースを〜などと探していたんですが、思い切って家賃か土地代の安いど田舎に引っ越そうかと。北海道は小樽とか、青森とか、或いは親戚がいる滋賀の家の納屋を借りるかとか色々考えた揚げ句、やはりあの懐かしさを感じるような南の小さな島だよね〜と、しかも島は車を運転出来ない私には最適な大きさ。他の田舎だと車を運転出来ないと致命的だからねぇ。それに東京は人が増えて空気も悪く、健康を害した事もあって、かなり切実になりつつあった。
行く度にここにおいでといってるようなこの島が気になりはじめ、暖かい島は両親もいずれ住みたいと乗り気になり、両親と共に移住しようかと、そういうわけで、友人がいるこの島で「土地が見つかればね」と気長に数年かけて探し続けていたわけです。まだこの手の移住ブームとか無かったんで、現地人頼み。友人に「土地があるよ」と言われる度に島に飛び、土地を見ては「イマイチかも」と断り続けていたんで、終いには「本気なの?」と思われていた事もあった。土地との出会いは縁なんで、直感的な事がモノを言う。そういう縁あるところに出会うまで、移住をすることすら決めずにもいたんですが、丁度、家族が増えて土地を探していた島の友人と土地をシェアして買うと言う話が持ち上がり、決めたのが今の家。

沖縄移住ブームが何時起きたのかわからないのですが、土地を探し家を建てる為に我が島のトランジットとしての沖縄本島を行ったり来たりしている間に沖縄本島がどんどん変わっていくのは横目で見ていました。そんなにたいした期間見ていたわけでもないですが、飛行場が立派になり、免税店のでかい店舗が出来たとか、無印が出来たとか、びっくりドンキーが出来たとか、行く度に色々増えていったですよ。鄙びた沖縄がどんどん変容して行く。
土地探しの間、正直、沖縄(本島)はまったく視野に無かった。基地が場所塞ぎで、車は多くて、人が多くて、とにかく大都会なんで、腰を落ち着けて仕事をする雰囲気とは思えなかったのではじめから対象外でした。ただ、建築屋との折衝の間、沖縄の那覇を拠点にしていたので、沖縄の建築ブームの話は色々聞いてました。
米軍が持っていた土地が地主達に返還されたので、その土地を利用して再開発が進んでいるとか、大手資本がどんどん入っているとか、へぇ。とあたかも中国の深?の変容を聞くかのごとく他者的に見ておりましたね。なんせ住む島は鹿児島県。沖縄本島が見える場所ながら、沖縄ではないんで完全に他人事。
移住してから団塊世代辺りの人なんぞが「俺も沖縄のマンション買ったよ」とか話してくれて、へぇ沖縄に移住する人って多いんだなぁ。とびっくりした記憶はあります。こっち住んでからブームがある事を知ったというか。
わたくしは昔っから海が好きなので、小樽でも、房総でも、津軽でも、伊豆でも、バリ島でも何処でもよかったわけですが、結局、この島に呼ばれたから来たという感じ。その点ではあまり主体性が無かった。では沖縄に来たがる人はなんでだろうか?というのは実は未だ疑問です。琉球の島々は、湿気が多いし、夏の熱帯夜は長いし、台風の規模は洒落にならないし、仕事はないし、物価は実は高かったりもするし、宅急便も高いし。
はじめ沖縄に移住する人はわたくしと同じように島に呼ばれているのかねぇ。と思っておりましたが、どーもブームというからには仕掛け人がいる。大手不動産が土地買い漁ってるとかいうのは随分前に聞いたけど。沖縄でバブルを夢見ている人々がいるんだろうなぁとかは思いますね。
sumita-mさんの疑問

ところで、「元名蔵部落会」の会長が「昔からの森を崩すことが問題」と語っているが、「台風被害の赤土流出」ということのほかに、何か宗教的なもの、コスモロジー的なものが絡んでいるということはないのか。

うちの島は正確には沖縄ではないんですが、琉球文化圏で、この土地は先祖から受け継いだ地を大切にする感覚がありますね。だから土地の売買にはすごく慎重で、なるべく売りたくない。素性の知らぬ者には売りたくない意識は強いですね。その根源にはコスモロジー的な感覚もまた横たわってはいると思います。この島でも伝承は生活に密接だったりもします。
それと赤土流出は琉球この島々で深刻な話題になっています。農地開発による赤土問題、護岸工事による赤土問題。なにかっつーと「赤土」当然観光ホテル建立の時も問題になりました。覿面なんですね。珊瑚への打撃が。
珊瑚がやられると資源も枯渇しますし、海からの災害も酷くなる。だからすごく真剣になる。それは当然です。
コスモロジーも大切ですが、島んちゅ達がとにかく海の汚染に敏感なことは確かです。なんせ海と共に生きているので、海の汚れ、砂の移動、そういう海の営みに敏感過ぎるぐらい敏感です。
沖縄本島の乱開発によって本島がどれぐらい変容したか知っている島人達が危機感を感じるのは無理ないかと。本島の人々もその辺り、悲しく思ってるかもしれないと何時も思います。
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そういえば、振り返ってみて、わたくしは島に来る前まで「沖縄」に全然興味が無かった。だから実は沖縄も建築事務所とホテルの間しか知らず、観光もしたことがないので首里城も、ひめゆりも行ったことがないです。建築事務所の人と回った建築見本の家屋見物の為に本島内を北、南と、移動した事はありますが。とにかく今住んでいるこの与論島しか眼中に無かったんで、沖縄の事はまったく知らなかったです。与論島に呼ばれていたんですから、他の島は関係ないのは当然ですね。島は孤立した宇宙ですからそこだけで充分なんで。
しかし、住んでいると自然に隣の島なので情報が入って来る。沖縄の放送局の情報も入って来るし、毎回那覇でトランジットするんでそのたびに沖縄関連の読み物を暇つぶしに買っているうちに徐々に興味が出てきたという感じです。なんで色々な本を読みはじめてはいます。そのうち本部のちゅら海水族館には行きたいと計画しています。
石垣とか他の島に行った事はないですが、そのうち行ってみたいなどとは思いますね。