ミモザ、狩猟する

けふは昨日と違ってまぁいい天気。
散歩に出かけたそうだったのでミモザと散歩に出る。
いつも人気がない、誰ともすれ違うことない田舎道。リードをつけずにぶらぶらと歩く。近所のキビ畑に指し掛かったとき、ミモザがすごい勢いで傍らから猛然とダッシュした。キビ畑には野生化した雉子がいて、ミモザは時々喧嘩を挑む。ミモザごときに捕まる野生ではない。
しかしいつもと様子が違う。雉子は飛び立とうとしないし、ミモザは制止しても戻ってこない。向かった先からは雉子の鋭い鳴き声と、バタバタという羽音、キビをばさばさとかき分けるミモザの動き。キビ畑に面した道には小さな鳥がよちよちとキビの蔭に逃げようとする姿が見えた。
あ、まずいな。
いたずらにヒヨコを殺されてもかなわんと保護に出ようとするも姿が見当たらない。見るとキビの間に既に事切れたヒヨコがいた。触るとまだ暖かかった。あきらかにミモザがひと噛みした性だ。

島犬達は狩猟本能が強く、島犬ケンもよくヒヨコをとってくる。そして子供たちに食べさせていた。いつの間にそれを覚えたのかは知らない。しかもミモザの場合、食べるではなく、狩猟本能のままに動いているようだ。以前も庭の鼠を捕って家に持ち帰ってきて見せびらかされた。猫か?お前は?野生を叱ってもし方がない。けれど無用な殺傷はどうかと思うぞと、人間様的に思ってしまう。

このまま、死んだひよこを畑に放置するのは不憫だし、結局とぼとぼとヒヨコを提げて戻ってきた。
人に出あわなくてよかった。内蔵のはみ出た小さな鳥を下げている猟奇的な女と見られたかもしれない。

家について埋葬した。
つっても海に返したんだけど。

残ったヒヨコが育つまでミモザはリード装着の刑だ。