浜下り

旧暦、3月3日は、島の節句である。
この日海の、潮は大きく引く。島人達はリーフの浮かびあがった浜に下り海の贈り物を拾って浜で宴会をする。その年産まれた子供のいる家では、赤ちゃんを海デビューさせ、一族郎党で祝う。

この浜下りの行事、奄美から沖縄、琉球文化圏の島々では盛大に祝うので、うちの島でも官庁から学校まで半ドンになる。世間様がただの平日で働いていても関係ない。島人にとっては正月よりも愉しみな行事のようで、普通の祝日より島は祝日めいた空気になる。この日の前はなんとなくみんなそわそわして「晴れるといいな」などと天気の心配などをする。

昨日は嵐のような天気ですこぶる寒く、海は荒れていた。午前中は大雨で午後は風がびうびうとしていた。島人達は心配顔で「明日はどうなるんだろね?」と言っていた。夜になって雲間に星が見え、朝は快晴となり、沖には沖縄本島がよく見える。

というわけで浜下りの日が明けた。

こんなにきらきらした春の海の日。

ほんとはEさんと、浜下りの日に会おうよなんて話していたんだが、結局、仕事が忙しかったので計画を立てられなかった。しかしこの一年最大のお祝い日に家にいるのもやだなと思っていたら、お隣が行かないかと誘いに来た。当然行く。丁度、漫画家のK氏一家が来ていたので一緒に祝う。

潮が引いていつもとちがう表情の海では既に多くの人が浜散歩。

K氏の娘さんとお孫さん。昨年生まれた子供の祝いも兼ねての浜下り。
こんな風に小さなザルを手に、足には草鞋を履かせ、海に漬けて無病息災を祈る。

ミモザも連れてのリーフ散歩ではシャコ貝をとる人、サザエを採る人、釣りを楽しむ人に出会う。いつもとちがう賑やかな海にミモザもびっくり。島には桜がない変わりに海がある。ゆえに花見ではなく、海散歩という感じ。

夜は子供の祝いもかねてK氏宅で宴会だが、私は仕事があるのでお誘いは遠慮したです。