島に帰る

明後日、島に帰る。
こんなに長く帰らないのははじめてだったかもしれない。
あの湿り気をおびた風も、坂の向こうに果てしなく広がる海も、ざわざわざわと揺らぐ背の高いサトウキビも、からころと床を這うヤドカリたちも、懐かしい。

島犬ケンに久しぶりに会えるので、彼女の子供である島犬カナとミモザは嬉しいだろうと思う。彼らにとっては里帰りだね。一緒に海散歩したいねぇ。
なによりもばあちゃんが首長くして待ってるしね。元気な所を早く見せないと心配してるしね。

それと、帰ってしばらくしたら「浜下り」だよ。
「浜下り」が来ると島の人は「夏が来る」って言う。

島の太陽はもうきっと初夏の顔を見せている頃だと思う。

ああ、楽しみだねぇ。