カナのご先祖発見

島犬カナは近所のペットショップに行くのが好きだ。飼い主が本屋さんが好きなのと同じぐらい好きである。本屋さんとペットショップは並んで立っている。本屋さんの帰りに必ずペットショップに寄らないとかなは気が済まない。

けふはカナとミモザで犬散歩。三月だというのに四月の陽気としか思えぬ午後、運動がてら犬散歩。両親とタリーズの屋外カフェでくつろいでいる間に、あんとに庵は本屋さんにいく。カフェで一息ついてのちはカナの時間である。お隣に立っている大きな(島のAコープよりでっかい)ペットショップの入り口に来るとカナは踏ん張り、店の中に入りたがる。仕方がないので付き合う。
本日も一番お気に入りの奥の子犬たちのコーナーに行く。
そこで店員さんに話しかけられた。
「やや、この子はチャイニーズクレステッドドッグですか?」
なんじゃ?その長ったらしい犬の名前は?しらんがな。
「この子ですよ。」と紹介されたワンコはカナそっくり。毛がまばらで、身体はぬめっと毛が生えていない。しかもピンクの生肌には黒いもんもんがある。耳からはまばらな長い毛がぞろっと。なんじゃかすんごく変な犬である。

う〜む。今まですれ違う人々に
「なんですか?この犬種は?」
「変った犬ですがなんて犬種ですか?」
「見たことない犬種ですが、なんですか?」
と散々質問されてきたカナである。

カナは雑種で犬種もへったくれもない由緒正しい島犬だ。説明のしようもない。だから「島犬で雑種っス」と説明してきたが、こんなにそっくりなワンコがいるとは。

家に帰ってきて調べたが、カナになーんとなく似たような顔つきをしたのや骨格をしたのが色々ヒットした。ボディにまったく毛のないのとかもいるし長いのもいる。顔つきもテリアみたいのからハウンドみたいのまで色々だけど、カナそっくりなのもいる。毛があまり抜けないとか尻尾の毛の変なぞろんとした感じとか、顔も周りの変な生え方とか、生肌の斑点の具合とか、日焼けに弱いとか、体温が普通より高いとか体重やら性格の個性やらそっくりである。どーも、先祖に海の向こうの上海辺りから渡ってきたのがいるのかもしれない。

まぁ、カナの場合は、生まれも育ちも正真正銘に雑種だけどね。先祖がえりしたのかもしれないです。