トロツキー忌、フリーダ・カーロ

散人先生のところで知ったのだけど、けふはトロツキーの命日らしいです。
○Letter from Yochomachi
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C111252006/E1422419920/index.html
■8/20 Today トロツキー暗殺 (1940)……でも亡命先でいいこともあった

私は政治史脳がないもんで寧ろフリーダ・カーロ経由でトロツキーと交流していたことを知ったのではあるが。
フリーダは典型的な自分語りの女流作家でかなりエキセントリックな絵を描く。まぁ自傷系なメンヘル少女が大人になった感じ。「自らの痛み」をテーマに作品を描き続ける。自分の思いに嘘をつかず、全てをさらけ出すタイプの絵描き。シュールレアリズム画家として紹介されることが多いけど、あの絵は彼女にとっての現実世界の苦しみ。リアルな世界であると思う。苦しみにある時絵は生き生きと精彩を放つ。子供を持てぬ体となった。障害を負ったという苦しみが彼女の絵の原動力だったりする。

で、彼女はリベラというパトロン(庇護者)と結婚をすることでその純粋な感性をそのまま持って生きることが出来たとはいえるかも。トロ先生も彼女の強烈な個性に惹かれたのはその奔放な自由さにあるのかもしれない。まぁ着てる服も奇抜だし。女友達より男友達のほうが多そうな性格だし。もともとフリーダの旦那リベラ氏は才能ある人間を助けるタイプなのかトロ先生もかくまっていたり。懐の深い人物であるようだ。ただ、自宅にかくまった性で、フリーダとトロ先生の交流が始まり二人のスキャンダル話が起きる。

しかし彼女はリベラへの愛を最終的に貫いている。いったん離婚したのにまた結婚してたりする。いやはや、フリーダはまったくもってエキセントリックだけどいい女ではある。トロ先生も魅かれるのは無理ないかも。まぁ画家としてはこういう親父愛の塊みたいなパトロン的旦那って理想だよなぁ。いいなぁリベラ氏みたいな旦那。どっかにいないかね。

フリーダの絵は正直好きというには抵抗がある。痛すぎるから。でも絵描きとしての彼女のアナーキーな生き様は魅かれます。まぁ女流画家ってこの手の性格アナーキーな人多いんだけどね。上村松園とか、ルイス・ブルジョアとか、オキーフもそうだ。まぁきつそうなのが多い。シャネルもそういう部類か。ただ孤独な人が多い中でフリーダはリベラのお陰で孤独でもなかったかも。見守ってくれる人がいるっていいよねぇ。

で、話はトロツキーに戻すけどトロ先生は散人先生が書いているようにメキシコで辛い日々を送っていた。スターリン第三インターとやらに対抗して第四インターとやら作ったりしたらしいよ。インターチェンジでなくインターナショナル。まぁどこ行ってもあれこれやっていたんですな。で、最期はスターリンが送り込んだといわれている刺客にピッケルかなんかで撲殺されるかなんかして死んでしまうんだけど、彼がメキシコで過ごした日々によって中南米になんらかの影響をもたらしたということはあったかもですよ。中南米史を知らないんでわかんないですが。

トロ先生がメキシコにいた時代、そういやチェ・ゲバラ君は思春期真っ只中だったんではないか?

共産主義思想ってのは魅力的ってのはなんとなくわかる。そういう時代だった。時々ウヨ認定されるわたくし的にはトロ先生の思想はかなり現実に応用するには過激だと思ってしまうんだけど、でも理念やそれに殉じようとする一人の男の生き様としてはカッコいいよね。

しかしトロ先生写真見ていていつも思うんだけどNYにいるUにそっくりだな。どうしてるかな?彼もかなりとんでもなくアナーキーで過激で人生捨ててる生活していたけど、流石に丸くなったんだろうか。久しぶりに会いたい気がする。彼のお陰でNYという街を好きになったのだから。