『失踪日記』『うつうつひでお日記』続き

結局、『失踪日記』を読了し、尚且つ『うつうつひでお日記』も怒涛のように読んでしまった。けふは朝から頭痛と貧血で最悪だったからだな。仕事をする気もしないんで寝ていた。吾妻ひでお度が50パーセント。吾妻先生は2時間ぐらいは仕事しているわけだし、だらけて寝ている間の読書量もすごい。一日に読む本の数がすごいし多岐にわたっている。それよりぜんぜん駄目である。まだまだ吾妻ひでお度は低いようだ。


どうでもいいけどセンセは眠剤飲み過ぎ。ありゃ毎日飲んでると効かなくなるうえに眠れなくなる。タマに飲むから効くのさ。わが父は「眠剤を飲んでアルコホルを飲す」というトンでもな飲み方を何年も続け眠れなくなっていた。やめろといってもやめなかった。なもんでやめたらぐっすり眠れるようになったといって驚いていた。ほんとによく眠れるようになったんでいまや眠剤に懐疑的である。タマに飲むならほんとに効きますけどね。
いっそ、小麦粉でも丸めたのとか一緒に入れておいて「どれかは眠剤だよ」みたいにしたほうがよかないか?あんなの「飲んだ」ということに安心しているだけなんだから。


しかし、仕事から失踪してしまうというのはイラストレーターにもよくいる。昔、某音楽関係の老舗雑誌の表紙画をしていた大ベテランのY・K氏が行方不明になり「何処にいったかしらないか?」とわたくしの所にまで電話がかかってきたことがある。その後、そのセンセは自宅で篭って電話線を抜き、頭から布団をかぶってじ〜〜〜〜っとしていたことが判明。よくやるらしい。

私は落としたことはないけど締切日に出来てなくて「ああ、今、大地震とか来るといいなぁ」と不穏なことはよく考えましたよ。


『うつうつ日記』では「悪い考えが突然来る」ってのがあって鬱の場合そうみたい。わたくしもタマにあるけど。ああいう感じで突然いきなり虚無感というのはないですが、それでも変な時間に寝たときとかにはよくなります。自分の場合は鬱というより「皆にもあるよね」程度の頻度だと思いますですが、島で一人暮らし期間の時のほうが酷いんで家族がいるというのはいいことかもしれない。


自由業というのは精神的綱渡りをしている人がすごく多い。吾妻先生の日常は自分の日常に近すぎてなんとも突き放してものをいえない。失踪は流石に女なんで色々むつかしいこと(「レイプとかされたら怖い」とか)を考えてしまうけど、男だったらやっていたかもしれないな。

で、吾妻先生の作品。
背景が苦手だというのをはじめて知った。全体のクオリティが高いので気づかなかったけど、そういや描写がぬるいか。でも漫画って全体と勢いだから。人物画や一枚絵が異常にうまくても漫画となると下手に見える人もいるよね。

◆◆
ところで『うつうつ』のアマゾンの書評。

猫猫センセ(小谷野敦氏)が「つまんねー」とか書いてた。そりゃ日記だからなぁ。『ポントルモの日記』のほうがすごいよ。もうね食べたものとやった仕事のメモ。それだけ。しかも「腕をやった。」とか分けわかんないの。要するに人物画の腕を描いたってことなんだけど。仕事の進み方が遅いな〜とか思ったけどフレスコ画ならそうなるか。
猫猫センセのいう「マニア向け」というか、自分としては似たような仕事人間として興味深かったけど、やはりマニア読みか。

ルネサンスの画家ポントルモの日記

ルネサンスの画家ポントルモの日記

マニアじゃないとつまらない日記の例↑