『失踪日記』吾妻ひでお

冥土な友人が本貧乏なわたくしに吾妻ひでおの「失踪日記」と「鬱鬱日記」を渡してくれた。

失踪日記

失踪日記

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

有難い事でござるが・・ちょいと読んでなんとなく自らの境遇に重ねてしまう恐ろしさがあるので勢いよく読むのは躊躇ってしまうでありますよ。「ポジティブに表現しますよ」などと冒頭で書いているけどぜんぜんポジティブでない。淡々とえらく凄い状況を書いているあたりがむしろ怖い。ああ、この人、相当壊れているんだな。乾いた貧乏なんてもんじゃないというか、本気こいて心配してしまいますね。
今は立ち直っていらっしゃるようですが。

とはいえ表現者というのはこれくらい物事を突き放してみている所がどこかあって、私自身そういう視点を保持していたりします。だからこそ逆にその彼の実際におかれている心境に薄ら寒くなってしまう。引きずられるかもしれない本なんですごく怖いなぁと思いました。単純なんで夢に見そうだし。いやはやわたくしは『出口のない海』より、この本のほうが怖いなぁ。自分自身にある潜在的恐怖が具現してます。けふも本恵んでもらってご飯おごってもらって、もうね、そんなこと繰り返してるわけにいかないざますよ。ぶるぶるぶる。


吾妻ひでおといえば、昔オタクの人がやたら好んでいて、わたくしはどうにもそのオタク的な人の世界観が苦手だったので自ずと苦手な漫画家になってしまったんですが、今思えば時代を先取りしてる人でしたね。萌えの元祖というか。


で、pataさんのお陰ですげぇ高いエコ本を手に入れた私はエコ本買うために少しづつ貯めつつあったお金がちょいと浮いたので内田美奈子の『赤々丸』を手に入れようとしたら一冊1900円もしていやがる。三巻本なのに二冊しか買えないじゃないか。「いいよとりあえず2冊だけ買うよ」と手にしたら哀れに思った友人が一冊買ってくれて、吾妻ひでお度が更に上がってしまいました。ううう。いつかリベンジしてやる・・・・。君には萌えなブツをいつかお礼しますよ。