またもオプスデイ

madrigallさんがチクってくれた情報。
最近、産経新聞はオプスデイネタが好きである。欧州における政治右派だから親近感でもあるんだろうか?

ダ・ヴィンチ・コードはフィクションです」 カトリック組織がソニー映画に要求
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060419-00000032-san-int
【ロサンゼルス=岡田敏一】今年最大の注目を集める米ハリウッド映画「ダ・ヴィンチ・コード」(五月公開)に、世界的なカトリック教会の組織「オプス・デイ」が、「この映画はフィクション」というただし書きを付けるよう、製作会社の米ソニー映画に要求したことが分かった。
 ロイター通信などが伝えた。映画の原作である米作家ダン・ブラウンの同名小説では、オプス・デイを、何世紀にもわたってイエス・キリストに関する真実を隠し続けてきた宗教組織として描いている。そのためオプス・デイは、他のキリスト教関係の組織とともに、この作品の内容を信じてはいけないと主張するウェブサイトのスポンサーにもなっている。
 これに対して、ソニー映画では「映画の公開まで詳細については一切コメントできない」と発表した。
 同名小説は二〇〇三年三月に発売され、全世界で約四千万部を売る大ベストセラーとなったが、イエス・キリストマグダラのマリアが結婚し、一児をもうけたとする内容がキリスト教関係者の批判を受けていた。
産経新聞) - 4月19日15時47分更新

出たよ。オプス・デイ。今度はソニー様にもの申すか???

しかしまぁ、同じ政治右派として親近感あってもよさそうなのに、否定的な印象を受ける記事ばかり取り上げるんで、産経は外国の右派団体は嫌いなのか。〔日本のオプス・デイな人々はたぶん朝日より産経とっていると思うよ)
それはともかく、まぁ「ダ・ヴィンチ・コード」におけるオプス・デイの扱いは確かに誤解を受けるであろうが、所詮、小説。フィクションである。これを読む人はエンタティメントとして読むのであって歴史事実として読む人はまずいないだろう。無粋な物言いをするもんじゃないです。・・と思いきや、アメリカの場合どうもマジに信じてしまう人がいるらしい。我々からするとそんなマジにならんでも・・・と。思う事も洒落にならんようだ。しかし、実際、某みくし〜で「キリストに関する秘密を隠していたのは 修道会だと思う・・・・。 」とか書いてる人がいたりして、アメリカ人のことを馬鹿に出来んようだ。秘密ってナンだ?????もっと違う秘密なら色々ありそうだけどね。
とはいえ、オプス・デイは政治的にリベラリストからは胡散臭がられているようなので、ダ・ヴィンチ・コード的な扱いはリベラルマスコミ的には受けがいいんだろう。だからあそこまでベストセラーになったのか?
で、肝心のオプスディのソニーへのお願い文書。日本バージョン。

http://www.opusdei.jp/art.php?p=14815
Sony Pictures製作の映画ダ・ヴィンチ・コードが5月に封切りされることを控え、オプス・デイ広報室より皆様にお伝えしたいことがございます。なお、この手紙は論争するためではなく、日本発の伝統ある企業に関係する皆様に、以下の情報を提供するためにお届けするものです。
 さて、この映画に関連して、「オプス・デイ」が話題にのぼっているのをご存じかもしれません。おそらく、多くの方にとっては、カトリック教会の一組織であるオプス・デイという名前を聞くのは初めてであり、どんな組織であるのかと疑問に思われた方もあったことでしょう。それゆえ、オプス・デイを知りたい方に正確な情報を提供する用意があること、小説ダ・ヴィンチ・コードが描くオプス・デイの姿とは無関係であることをお伝えする必要があると考えました。

 情報をお望みの方はどなたでも、広報室までご連絡をください。喜んで、可狽ネ限り迅速に、お応え致します。日本語を含む各国語ウェブサイト(www.opusdei.org)には、カトリック教会に属するこの組織に関するさまざまな情報が掲載されています。オプス・デイの中心メッセージが「仕事は、聖性への道であり、キリスト教信仰に生きるためのふさわしい場である」ということをご理解いただけるでしょう。

 ご存じのように、小説ダ・ヴィンチ・コードは、カトリック教会とその創設者イエス・キリストを、荒唐無稽な姿で描いており、キリスト者の宗教的信条を傷つけています。さらに、キリスト教信仰が「ウソ」を出発点としており、カトリック教会は、無知な人々をひきつけておくために犯罪と沫ヘ的な手段を持いてきたと、小説は主張しています。

 この小説は、現実と虚高フないまぜであり、どこまでが事実で、どこからが空想なのか区別できません。従って、カトリック教会の歴史をあまりご存じない読者が、誤った結論に導かれ、カトリック教会への共感を感じなくなるおそれもあるでしょう。

泣きが入っている・・・。
あと、肝心な場所での半角は反則だよ。文字化けしてるし・・・。
実際、ここまで切実なのは、例えば中世が舞台の映画を見た人が異端審問官のドミニコ会士にむかついて、いきなり修道院に怒りの電話をかけて来るとか、そういうことが現実にあったりするわけで。700年も前のことで現代のドミニコ会に偏見を抱いているような人がカトリック信者にもいたり、どうも頭の切り替えが出来ない人が多い。困ったものである。或る種の差別ってのがそういう形で培われたりするのは恐ろしいこっちゃ。なもんでオプスな人々の危惧というのは判らなくもないです。
もっとも現代において事実としてやっていることで批判されたりするのは当然でしょうから、その辺りをわけて考えるべきでしょうね。因みにオプス・デイってのはわたくしも実は政治右派や信仰的になんとなく保守という以外のことはよく知らないです。あと何故かもっと保守の人に「オプス・デイはリベラル」と批判されているのも謎。
◆◆
同じサンケイの別のカトリック教会ネタ。

法王風刺で「恥知らずの挑発アニメ」 教会猛抗議
http://www.sankei.co.jp/news/060417/kok084.htm
ルリン=黒沢潤】ドイツで若者に人気の米系娯楽テレビ局MTVが、ローマ法王を揶揄(やゆ)するアニメ番組を5月に放映しようとしており、国内のカトリック団体から猛抗議を受ける事態となっている。
 このアニメは「ポープ・タウン(法王の町)」で、ホラー映画が好きな法王が金と権力渦巻くバチカンで過ごす日常を面白おかしく描写したもの。

 ドイツは、現法王ベネディクト16世の生まれ故郷だけに、ドイツの教会側は「恥知らずの挑発アニメだ」と放映中止を要求。これに対し、MTV側は「5月3日からの放映は変更しない」と要求を突っぱねている。

 キリスト教社会同盟(CSU)のヘアマン州議員は、ムハンマドの風刺漫画問題をめぐって今年初めに世界各地で暴動が起きた際、MTV側がイスラム聖職者を侮辱する番組を少なくとも2回放映しようとしたことに言及、「MTVは宗教心を踏みにじろうとしている」と批判している。(04/17 19:15)

なんとなく・・見てみたいかも。
馬鹿っぽそうで面白いです。
まぁ、私のようないいかげんなカトリック信者ではなく、真面目な信者にとっては、例えば「ホラー映画好きの天皇陛下が金と権力渦巻く宮内庁で過ごす・・・」という代物に映るのだろうことを想像すれば、まぁ彼らの気持を判る人もいるとは思うが。

しかし欧州メディアは反宗教で粘るね。宗教という権威に対抗する伝統だから仕方がない。もっともマスコミも権力の一つだからね。その辺りを自覚しているかどうかとは、いつも思う。自覚のない権力ほど怖いものはない。