アヴィニヨン〜アルル

ゴルドからアヴィニヨンにも足を伸ばしたらしい。
◆アヴィニヨン
此処は以前おとづれてジプシーに取り囲まれてムカついた町だ。ナニも取られなかったけど、若い娘のジプシーが観光客と見るとよってきてスリしたりするのだな。
アヴィニヨンというと教皇庁である。それ以外は橋である。だからどうしたという街で、住んでいる人にとってはどうでもよい物件だろうよ。ダンテにとってはおフランス人によって教皇庁をローマからむしりとられた怨み骨髄の街である。しばらく此処に教皇庁があったのだけれど、いまや巨大廃墟なだけで、オランジュの劇場のように市民に貢献するわけでもなく、私のごとき教会史、建築オタのテーマパークと化しているわけだ。しかもその建築様式たるやどうでもよいとしか思えない造りで美しくもない。教皇が変わるたびにどんどん無秩序に増築したのか、伊豆のでかい温泉宿みたい。火災が起きたら非常口かどこかわからなくて丸焼けになりそうで嫌だよ。
で、此処は入り口で音声ガイドマシン(日本語)を貸してくれる。これが優れものですごく詳しい。「そんなのどうでもいいよ」ということまで詳しく説明をしてくれる。教皇の寝るための儀式の説明とか。金庫の説明とか。フレスコ画の描き方とか。この音声ガイドをもらって帰りたくなりましたよ。ただ全部聞いているとすごく時間がかかる。全部聞くなら一日中この中ですごす覚悟で行かないと駄目だよ。一生懸命聴いていたら仲間に置いていかれたよ。教皇の寝る儀式についてなんて、普通の人は興味ないよねぇ。お陰で途中まで聞いてやめてしまいました。メモ取る暇もないので結局忘れてしまった。もったいない。
ところでこのガイドの音声の人の「教皇」というアクセントが変だったのが気になったよ。
◆アルル
クソ寒い山村であるゴルドを後にして、次なる滞在先のサン・マリー・ド・ラ・メールに向かう。その途中で拠ったのがアルルである。この街は歩きやすい大きさで好きなんだが、目的はただ一つ、でかい円形のローマ劇場でもなく、ぶつ切りのうどんのようなテクスチャーで絵を描く耳を切ったアホなゴッホでもなく、サントロフィーム教会である。回廊がうつくし〜教会のはずがこの時期に行くとプレゼピオ人形の展示会をやっていて、落ち着かない上にまたもナニもない空間を見ることは出来なかったのでさっさと出て来たよ。まぁサントロフィ−ム教会は入り口のタンパン(入り口の上の半円形状の石彫装飾)を見るのと回廊のゴシックとロマネスクの混合具合を眺めていればいいだけなんで、別にいいんですけど、当時の様相を想像するにはナニもないほうがしやすいので、この時期に来たほうが失敗だったかもしれない。
ぐりちゃんも此処にいったらしいけど、どんな感触を持ったか聞いてみたいよ。
この日から教会暦では待降節に入る。サントロフィームでもミサをしていた。神父の説教が長そうだったのと時間がないので、出てきてしまいました。主日の教会内に人が沢山集まっていたのはおフランスでは珍しいんじゃないか?なんとなく満席状態だったよ。