小泉さんとアメリカ

私はアメリカが嫌いだ。ディズニーが嫌いだ。ガキの頃から嫌いである。「子供はこういうのが好きなんだよ。好きになれよ」という押し付けがましい絵柄やお話が嫌いだ。あんなものを有難がるやつらの気がしれないと思っていたよ。絵が汚いうえに人物が怖い。ハリウッド映画が嫌いだ。特に三流の癖に馬鹿臭い映画に顕著だが、マーケッティングで結末決めるんじゃねーよとか思うよ。スタンザみたいなスーパーが嫌いだ。どこでも同じものを置いてある。便利なんだが、食文化的にどうよ?などと思う。魚屋さんや八百屋さんで買うほうが楽しいし負けてくれるし。なによりも信用が置けるよ。不味いチョコレートしか売ってないコンビニも同罪だ。ファーストフードが嫌いだ。腹を壊すし、正直マックは不味い。とにかく量産、薄利多売、経済性のみの探求、効率、消費者の創造性(もしくは想像性)を奪うという手法に於いて、アメリカ型の消費社会は嫌いである。
・・・・・というようなことをこのブログでも度々書いてきた。しかしアメリカの好きなところもある。スターウォーズの初期作品は好きだ。ミレニアムファルコン号のプラモデルを持っているよ。ヨーダとジャバザハットは見ないでも描けるよ。ジョニー・デップが好きだ。趣のあるハンサムだもんよ。ポール・セローとポール・オースターポール・ボウルズの小説が好きだ。3ポールだ。なんせ一筋縄ではいかない寂しげで乾いているのがいい。アメリカ文化からしか生まれない作家たちだ。ニューヨークの下町が好きだ。ブルックリンやグリニッジビレッジの酒場がいい。街にドラマがある。人が話しかけてくる。ニューヨーカーは寂しがりやだ。
このように相反する気持ちをアメリカという国に抱いている。国家や企業は嫌いだけど、自然発生したような文化は好きという感じか。それらは表裏一体でもあり、不可分でもある。妹がアメリカに住んでいるので色々と教えてくれる。「アメリカ人は自分とはぜんぜん違う。ヨーロッパ人のほうが感性が近いと思う。アメリカ人は中国人に似ている」などと評していた。強気なところが似ているということだ。中国人にも色々な人がいるので一概には言えないが、経済系で出会う人々は似ているかもしれない。でもそれは日本でも同じな気もする。ただ、日常で見せる顔がそうなんだろう。住んでみないと見えてこないものはあるかもしれない。わずかに知るアメリカ人は頑固で自分が一番正しいと思っている人が多いのは確かだ。イギリス人も似たようなものだったから、アングロサクソン系はそういう傾向があるのか?それに比するとイタリア人は概してナイーブな印象がある。
さて、小泉さんである。先のエントリで紹介した立花隆の別の論考

日本の政治を動かす“アメリカの意志”
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050811_kaigai/index2.html
日本の戦後政治を支配してきた権力者たちは、権力中枢に近い人ほど、
アメリカの意志が日本の政治を動かす陰の最大の動因となってきたこ
とをよく知っている。

これは続き物なのであとも読んでもらいたい。
小泉さんだけではなく、日本の政治がアメリカによってコントロールされてきたことに異を唱える人はあまりいないと思う。日本の戦後の繁栄は逆にアメリカのお陰でもあり、だからこそアメリカと共に歩めば間違いないと考える人も多いだろう。でもいざとなれば簡単に切り捨てられてしまう現実と表裏一体でもある。今の日本の繁栄も苦境もアメリカとの癒着がもたらしたものでもある。
最近お隣の韓国がどんどん北朝鮮と密接になりつつある。アメリカとの癒着を断ち切ろうとしているのだろうが今度はPAX中国という感じで、そのために必要以上に日本を攻撃しているようである。中国政府の反日運動と連動していることは確かで、彼らは戦争がしたいのか或いはすでに戦争を想定に入れて動いている様子なので、彼らにとって日本は「軍国主義」「戦争を辞さない日本」というイメージでなくてはならないようだ。あきらかに伝えてくる虚像は今の我々の現実とかけ離れているだけに、困惑している人も多いと思う。
こういう状況では未だ安全保障上のアメリカとの契約は保っておいて方がいいと思うもののやはり長い目で見るならば経済の自立も国家としての自立も考えておかないと酷い目に遭うとは思うよ。
で、郵政に関しては外国資本が目をつけているということを盾に反対する人もいる。確かに懸念要素の一つでもあるがこのあたりについてはファイナンス知識がないのでよく分からないし、必要以上の保護政策による公的資金の無駄があるのも事実ではある。小泉式が妥当かどうかはわからないが、構造改革は必要ではあると思う。ただtoxandoriaさんが再三指摘しているように小泉式はあまりにもアメリカの路線を辿っているだけに不安だ。弱者救済は民間の慈善事業に頼る社会。日本の場合民間の慈善事業が期待できないためにかなり過酷になりそうだ。スマトラ津波のときの被災地への寄付がアメリカの民間レベルではかなりの額であったのに対し日本は政府の資金援助は世界一だったのにもかかわらず民間のは微々たるモノだった。こういう社会で弱者が切り離されたら実はかなり不安である。お上に頼る歴史が長すぎた日本ではまず国民意識を教育するところからはじめないと駄目だと思うが、どうだろうか?自社の利益探求のみではなく、社会に還元する意識を持つ企業が増えて欲しいところだ。ここがアメリカのようなプロテスタンティズムによって培われた資本社会とそうでない社会の差異があると思うよ。
さて、上のエントリでも紹介したIQ問題です。
色々なブログを見てきたけどみんな怒っています。
↓ちょいと左巻きがかっている週刊ベリダも取り上げました。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200507121854532
↓でもウヨク様ご用達チャンネル桜でも怒っています
http://www.ch-sakura.jp/bbs_thread.php?ID=209549&GENRE=sougou
民主党員も攻撃材料に使用。しかも小泉議員。
http://www.election.ne.jp/10548/archives/0001349.html
どの陣営も小泉さん批判の為にどんどん利用していますが、どうもここまで来ると天邪鬼なわたくしはそれはそれでどうよ?などと思ってしまいます。そもそもこれを分析したマーケッティング会社に問題があるような。

http://www.slied.jp/
有限会社スリード
通りすがりさんの情報ではどうも↑この会社らしい。
博報堂にいた方らしいが。どう見ても分析がアホだ。雑すぎる。

A IQが高く構造改革にポジティブ
 ・財界勝ち組み企業
 ・大学教授
 ・マスメディア(TV)
 ・都市部ホワイトカラー

B IQが低く構造改革にポジティブ
 小泉内閣支持基盤
 ・主婦層&子供を中心
 ・シルバー層
 具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層
 内閣閣僚を支持する層

? IQが低く構造改革にネガティブ
 既に(失業等の痛みにより、)構造改革に恐怖を覚えている層

C IQが高く構造改革にネガティブ
 構造改革抵抗守旧派

Dがないぞ。Dが。
わたくしにように万年リストラ状態のど貧乏人間は?の分野になるんだろうけど、構造改革自体は必要だとは思っている。でも小泉さんを支持するとは限らない浮動票だ。我が父は「猪瀬が郵政民営化に賛成するから反対する。道路公団を馬鹿にするな」という極めて非ロジカルな理由で構造改革にネガティブなので、IQが低そうではあるが一応Cに入るのか?
とにかく杜撰このうえないうえに主婦、シルバー層を馬鹿にしまくったこの態度。超ムカつく・・・・だがしかし、具体的なことはよく分からないけどなんとなく小泉という人は多いかもしれない。でもその反対に具体的なことは判らないけどなんとなく小泉は嫌いという人もいるよね。
この分析の根底にはやはりアメリカのブッシュ政権を支えるアメリカの貧困白人層などがあるのかもしれない。思えばマスコミを使ったPRをうまく駆使したレーガン、宗教団体を票田としたブッシュ、それを踏襲しているのが小泉かもしれないなぁ。その点でもアメリカ的ポチではある。このIQの発想が小泉さんでないにせよ、そのPR戦略を赦しているという時点で、まぁ「愚民どもめ」的な思考はあるかもしれませんね。(こういう時こそ、ムスカアスキーアートの出番だな)
ただ、これを以て左右されるのではなく、やはり郵政民営の功罪、もしくは小泉氏の政治方針について冷静に分析するのが重要ではあると思います。引き続き要勉強。
◆資料
PR・マーケッティング会社スリードについての毎日新聞の記事。
けっこう早い時期に取り上げていたんですねぇ。

竹中平蔵の「広報疑惑」を暴く
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/tokusyuu/news/20050713-182250.html
竹中氏がまだ経済学者だった00年、電通出身の佐藤雅彦慶應大学教授との共著で
ベストセラーになった『経済ってそういうことだったのか会議』(日本経済新聞社)
を思わせるタイトル。対談形式も同じだ。竹中担当相のセンスを反映したチラシだ
ったことは間違いなさそうだ。

 このチラシの製作を請け負ったのが、有限会社「スリード」(本社・東京都江東
区)という広告代理店である。だが、まず不自然なのは、同社が昨年3月に設立さ
れたばかりで実績が少ないにもかかわらず、1億5614万円という巨額の契約が
入札によらない「随意契約」だったことだ。

 会計法に基づく政令は、160万円以上の物品契約は競争入札を原則にするよう
定めている。例外として、緊急性が求められる時や、独創性があって、その企業に
しか発注できない場合に随意契約が認められている。

道路公団よりまずいんでないか?
しかし、「広報タスクフォース」っていうのは政府公報誌なの?
やはりダークサイドのフォースなのか?