フィリップ・K・ディック

ついに隆さんの本を全部読んでしまったので読む本がない。
仕方がないので本棚をあさっていたら、フィリップ・K・ディックの文庫を幾つか見つけたので読む。『ベスト オブ フィリップ・K・ディックVI』、『ユービック』読破、現在『高い城の男』読書中。いきなりディープなものにいくと辛いのでディックにしてはライトなモノから読み始めています。
それより今は亡きサンリオ文庫って、改めてみると品揃え偏りすぎですね。フィリップ・K・ディック以外にも、サミュエル・R・ディレーニの『時は準宝石の螺旋のように』とか、J・G・バラードとか、どうも少しばかり後ろ向きでくら〜い世界観のSFが多い。私が所有しているのはこれらのSFだけですが、他にもナボコフとかガルシア・マルケスとかサキとかバージェスとか、なんか編集者の好みが前面に出すぎな品揃えはすごいよ。こういう潔い趣味に凝り固まった勇気ある出版というのはもう出来ない時代なんだろうなぁ。国書刊行会くらいか。。。サンリオってキティちゃんのイメージしかなかったからどうしてこういう純文SFな世界になるのか不思議でした。
しばらく廃墟臭い、日常世界が崩壊前夜みたいな悲壮感が漂うディックの世界に浸ろう。しかし彼はニューエイジ臭も強いですね。『高い城の男』の日本人が何故、易学を聖典としてるんだか・・・怪しすぎだぞ。中国と日本の区別がついているとは思えないディックさんは、典型的な70年代文化だなぁ。ドラッグと挫折と世界の崩壊。この手の怪しげな哲学的世界は今はアメリカに存在しているんだろうか?
そういえば面白い小説は大抵は既に大御所な方が多く、新人でこりゃすごい!という方に最近めぐり合わない気がする。もしかしたら私が最近本屋に熱心じゃないからか?