電車

そういえば、久しぶりに長い時間電車というものに乗った気がする。
東京は階段が多い。疲れる。ということを以前書いたが、それよりも見も知らぬ赤の他人が半径2メートル以内に棲息し、同じ方向に向かって移動しているという光景は不思議だ。色々観察していたが、ケータイをする人、本を読む人、お化粧をする人、寝てる人、しきりになにかのアイディアをノートに書きつけている人、音楽を聞いて陶酔している人。色々だ。目が合っても挨拶もしないのも不思議だが、それがここのお約束だ。たぶん与論にいたら隣のおっさんがルネッサンス期の出版ギョーカイについての本なんか読んでいたら思わず話しかけるだろうな。けど、ここは東京なので、隣のおっさんが寝入ってしまい同じページがずっと開いたままで次が読みたいのにめくってくれないことに不満を重ねるしかないわけだ。ハードカバーの本は装丁職人(皮職人)に頼むしかなく、ソフトカバーの本は弱すぎて、本を沢山買いたい人にとっては困るとかなんとか・・って話がどうなるのか分からず不完全燃焼してしまったよ。与論だったら、「面白い本読んでますねぇ、なんという本ですか?」とか話しかけるのになぁ。
それにしても無防備な人が多い。最近隆さんの剣客モノを読んでいる性もあって「殺気」ってどんなもんだろうか?などと考え、色々な大衆を眺めていたが、殺気どころか弛緩しまくった人が目の前に多すぎて、「電車で化粧などするな馬鹿。お前は娼婦か?」とか「寝入るなよアホ。スリに遭ったらどうするんだ?間抜け」とか「でかい音響で音楽聴くな。五月蝿いぞ」とか、こっちが殺気を飛ばしたくなる羽目に陥ります。ですが観察していて飽きないので殺気には熟成されることはありませんでしたが。
なにより東京の人はやはりお洒落ですね。ゴムぞうりに伸びきったTシャツ(しかも色落ち激しい)とか着てる人があまりいないです。イタリアとかアメリカ(ニューヨーク)とかにはいます。