最近の漫画

昨晩、研究室の教授、K氏が「これを読め」と貸してくれた漫画を一気読みした。
「GANTZ」とかいう漫画↓

GANTZ 1 (ヤングジャンプコミックス)

GANTZ 1 (ヤングジャンプコミックス)

出版社/著者からの内容紹介
地下鉄のホームで撥ねられ死んだはずの玄野、加藤は謎のマンションの一室に
一瞬にして転送される。そこに置かれた得体の知れない黒い球の指令により、
ねぎ星人の暗殺を命じられた玄野らは、状況を把握できないままねぎ星人の元
へと転送される。マンションにいた仲間によってねぎ星人は殺されるが、新た
なねぎ星人が現れ…。

その前に書店でこんな漫画を買っていた↓

怨み屋本舗 1 (ヤングジャンプコミックス)

怨み屋本舗 1 (ヤングジャンプコミックス)

出版社/著者からの内容紹介
「あなたの怨み晴らします。社会的抹殺・人探し・実質的殺害(価格応談)」
…こんな名刺があなたのポストに投げ込まれたら、あなたはどうしますか? 
警察では埒があかない、法的手段では生ぬるい…悲痛な依頼者の復讐を、謎の
女「怨み屋」が“相応の報い”で代行いたします…。

え〜、どっちも読後感が悪い。激しく悪い。
怨み屋本舗」は登場人物がみんななにかしらに怨んでいて、悪意のみが延々と綴られていく話で、怨み屋の仕事が成就したあとでもカタルシスがない。あまりにも性格のゆがみまくった登場人物ばかりで疲れる。ここまで草臥れる作品も珍しいという点で稀有なのかも。

GANTZ」のほうは、説明の通りなんだかむちゃくちゃな設定だ。「ゲーム漫画」という感じだけど、ゲームそのものがいきなり勝手に状況設定がされているわけで(「女神転生」などは普通の高校生がいきなり善悪の神々の戦いに巻き込まれていたりするしねぇ)その点でゲーム感覚を忠実に再現しているといえます。ゲームのパロディ漫画という感じ。しかも人物の下絵に3Dのモデリングをしてそれをトレースして書き起こすという手法をとっているらしく、その効果は実はそのモデリング作業は必要ないんじゃないの?という程度で。その手順の馬鹿馬鹿しさも「ゲーム」を制作する過程に通じているとはいえます。

とにかくこの2作品。なんとなく救いがない。とにかく読後感が悪い。昨今の漫画はどうしてこういうゆがんだ物語が多いんだ?と頭を抱えました。

ただ「GANTZ」に関していうと、とにかくはじめは殺戮場面がスプラッター。それに巨乳なヒロイン・・というお約束のブツが出て来るというあたりですこぶるシラけ、この手のスプラッタはもう「ベルセルク」で充分です・・と思って読み進めていましたが、やがて読んでいくにつれて物語もこなれてきたのか徐々に面白くはなります。なんでK教授がわたくしに勧めたのか理解しましたね。「ベルセルク」もそうですが、その物語の作法に慣れると違うものが見えてくる場合があります。
前にも説明したとおり、まずこれが「ゲーム」というものを解体し、再構築して出来た作品だということ。しかもゲームならかなり出来の悪い作品のその世界に放り込まれてしまった主人公という感じですね。敵キャラが「ネギ星人」と「その親父(ラストボス)」とか、チョコボールのカラスを連れた「田中星人」とかふざけています。昔こういうかなり投げやりな設定のゲームがあったような気がする。しかしそういうふざけたゲーム世界に真剣にならざるを得ない登場人物が気の毒というか。そのうえ好感度抜群の主人公の友人もヒロインと思しき女性(巨乳)も新たに登場したヒロイン(巨乳)も物語半ばであっという間に殺されてしまうし、それはないだろう・・・と、激しく裏切られた気持ちになります。ゲームだと手持ちの仲間が亡くなれば、主人公一人で戦わねばならないわけで、そこも忠実とはいえますが、腑に落ちない・・・・従来の漫画のコンセプトとはどうも勝手が違うようです。それでまぁ読後感が非常に悪かったわけですね。8巻ぐらいまで読んだので、続きはまた次の出講日に借りてきます。

とりあえず、すごい変な漫画の報告でした。