ライブドアのグローバリズム

先週、銀座通いをしていたときにやたら目に付いたキオスクの新聞の広告「フジVSライブドア」あんまり興味なかったもんでスルーしていたんですが、金田一輝氏が取り上げていて、それがどういうものか分かりやした。

http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20050220
馬鹿マスコミは、ホリエモンみたいなやたら反逆のポーズを繰り返す
反体制チックな人物(ちょっと前なら田中康夫)が大好きで、やたら
持ち上げてるけどさ、そういうマスコミの戦略にそのままのせられて
どうすんの。

金田師匠は最近東天さんのブログをヲチするのが趣味。突っ込み始めると怖い金田師匠に目を付けられるたぁ、東天さんに同情するんじゃが、それはさておき、「マスゴミが持ち上げるヤツにろくなやつはいない」という刷り込みが出来ているわたくしとしては、この固定概念をとりあえず客観的に検証するために、仕事の合間にテレビを見てみましたです。案の定ワイドショーなどで堀社長がだらだら話していました。テレビの中の人はそういう堀社長を持ち上げたりしていたわけですが、やはり反発を覚えてしまいますた。
株式を公開している以上、堀社長がどこの株をどんどん買おうが別に文句言われる筋合いはないと思うし、あくの強い企業家がマスコミ媒体を買収するというのは、読売新聞が中央公論社を買収した前例があるわけで、ライブドアだけ文句を言われるのはどうよ?とか、フジもその放送内容とかいままでやって来たことはいかにも派手派手で文化レベル的にはめくそ鼻くそを笑う的だと思うし、正直、堀社長に同情したくなる気もするんだが、どうもそう思えない。何故だ?それはこの社長の言動に共感がもてないからなんだな。
金田氏はbewaad氏のブログの引用をしていましたが、このbewaad氏の分析によると・・・

http://bewaad.com/20050215.html
(前略)
となると、世界一の金持ちというのは、彼にとって実は目指すものではなくって、
アイデンティティの確認なんですね。彼の中では自分が世界で一番優れているの
だから、自分は世界一の金持ちになって当然といいますか、世界一の金持ちにな
ってやっぱり自分は世界で一番優れていたんだと、自己評価はやっぱり正しかっ
たのだと安心したいのでしょう。予定調和といいますか、ヴェーバー流の資本主
義の精神といいますか、外部世界を内部世界に合うように変えるといいますか。

・・・という感じ。
なるほどと思いつつ、それ以前に堀社長は現実世界でゲームしてるだけなんだと思う。RPGとかシュミレーションとかやりすぎな人のゲーム脳で世界を見ている。ゲームは過程が面白い。攻略するのが楽しい。だから魔法使いと僧侶の呪文を唱えることが出来る忍者がレベル99になっちゃったとか、自軍の軍師に諸葛孔明から司馬懿周瑜もいるとか、市民に銅像立ててもらっちゃったとか、それで満足して、次のゲームをする。なんかそういうレベルな気もするんですけど。あるいはハッカーやクラッカー的な発想。とにかく電脳関係は攻略を楽しむ人は多いんだけど、コンテンツを維持するのは人任せとか、それ以前に興味ないとかそういう人も多い気がする。だから堀社長の最終目的が見えないどころかないんじゃないか?世界一(レベル99)になったら終わり。な、印象を受けてしまうんですね。まぁ、こういうのはゲームの世界なら面白いんですが。
この人は現実世界の社長としての評価なら完全にアメリカ資本主義グローバリズム脳だと思うです。なんせ「ディズニーが買収したら文句言うんですか?みんな喜ぶでしょう」とかわめいていた。アメリカのどこかの放送局が買収された事例を持ち出していたんですね。ディズニーがすこぶる嫌いな私としては喜ばしくないです。この価値観で既にこの人はアカンと思いました。でずに〜のやり方のえげつなさは評判です。しかしアメリカ社会ならまぁ、しゃ〜ないと思うんですが、おフランス人がでずに〜やハリウッドに抵抗する気持ちのほうにシンパシーを覚えるわたくしとしては、このレベルの価値でしか物事を見ていない人には、それが資本主義経済世界では間違っていなかったとしても、やはり文化的世界は支配してもらいたくないです。彼の描く理想世界は見えないんですが、たぶんそういう文化的理想像というのがないというか、あってもでずに〜レベル以下。という気がしますよ。でずに〜は少なくともクリエイティブだ。しかしこういう文化程度でグローバリズムに動かれると怖い。
んで、赤旗

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-02-20/03_01.html
フジテレビが、ニッポン放送の完全子会社化を意図し、フジ・サンケイグループの
強化を打ち出していた矢先のことです。フジテレビは、ライブドアに対抗してニッ
ポン放送株を25%買い、ニッポン放送が持つフジへの議決権の消滅をねらってい
ます。

 時間外取引によるライブドアの大量買い付けにかかわって、その違法性を指摘す
る声も上がり、政府は証券取引法改定を検討するとしています。ライブドアに資金
調達したのはアメリカの投資会社リーマン・ブラザーズ証券外資が日本の放送へ
触手をのばしているともされています。

 堀江氏の言葉から見えてくるのは、自らの事業の拡大、金もうけだけです。海外
の例をみても放送がマネーゲームの対象になったとき、言論・報道の自由は投げ捨
てられます。放送は、国民の電波をどう使うかという民主主義にのっとった公共的
事業です。

アンチ資本主義だけあって、すこぶる予測のつく分かりやすい評価であります。持ち上げているテレビのマスコミ人よりもこっちにシンパシーを覚えてしまう部分もあり。さすが筋金入りの共産主義者サヨク(「左翼」にあらず)とは一線を引いている見解で。