ポニョと永平寺のドキュメンタリーを見た

4日に仕事の締め切りを終えて弛緩中。

なんとなく近況

先日のエントリがらみでコメ欄や小烏丸さんとこで色々話したりしていたのだがぱそ部屋が寒いのでぱそ上では他にナニかする気も起きず、どちらかというと余暇はせっせとドラクエしたり、本を読んだり、母と共にテレビを見たりしていた。
ぱそ上の一件では小烏丸さんにお世話になってしまい、まことに恐縮であった。

最近、読んでいるのは五味康祐の『柳生武芸帖』
昨年、『バカボンド』を一気読みした折、この時代背景のことを良く知らんなと思い至り、徳川初期の時代小説を読みたくなっていた。どうも正月にドラマ化されたらしい。その性もあってか本屋でこの書がでんとあったので手にとってみたが、なかなかに面白い。そのうち書評でも書きたい。

実存では、某作家さんとフタコで遊んだ。まったく同じ歳で興味も同じような人と過ごす時間は楽しい。変な映画を一緒に突っ込みいれながら見たいねぇと話したが、彼女も五味康祐は既に読んでいたらしく「面白い」と評していた。

昨晩『崖の上のポニョ』をやっていたので母と見た。
相変わらず嵐の海の光景が怖い。漫画っぽい絵なのにリアルすぎる。これは是非ともDVDを購入し、台風の日に島の家で観ないといけないなと思った。臨場感倍増過ぎてよいと思う。我が家は宗助んちと同じようなトコに立ってるからのう。ばあちゃんのいる養護施設も崖っぷちだし。

観ながら母がいちいち「これはなんでだ?」と聞く。
一例でいえば「ポニョの妹たちがなんで大量の小魚?」とか「凄い災害が起きて避難している人たちがなんでああ能天気なんだ?」という。この映画は宮崎駿が全然細かい設定を説明をしてくれないからなんだが、「そういうのはこっちに解釈を預けているんだよ」とかわしておいた。あとは「ブリュンヒルデ・・www」とか「ポニョ母ちゃんが相変わらずでかい」とか、「車のナンバーが333でベトナムのビールかよ?」とか、「色が美しいでござる」などと言いながら、母と愉しみました。母は子供の表現がリアルなトコが面白かったようだ。食いながら寝るとか。突然に泣くとか。

今朝は永平寺のドキュメンタリーを観た。
修道僧というのはカッコいいが特に禅僧のそれはカッコいい。我が家は父方が曹洞宗で、その父が永平寺に行ったことがあり座禅組んで帰ってきてその感動を語ってくれた。所詮俗人の付け焼刃、ゆえに道元禅氏の教えをどこまで体得出来たかは疑わしいところもあったが、貴重な精神の時間を過ごせたのはよかった。
父の友人が東福寺(こちらは確か臨済宗)におり、呼ばれていったことがあるが、雲水たちがまことにきりっとしていたのは印象深い。
世俗の塵埃にまみれているとああいう精神世界によって成り立つ聖域というのは憧れにも映るが、体験したことがある人しか判らぬ大変さはあるんだろうなと。ぼやっと観ていた。

そういえば、カトリックも観想修道会などは似たようなものである。シトー派などがその一例だ。日本には例えば函館にトラピスト修道院というのがあってかなり厳格であると聞く。男子、女子という修道院がそれぞれあり、それぞれに一つの修養空間を形成している。観想会活動会を含め、カトリックの場合、女子修道院というのは凄く多くその数は教皇すら把握していないなどと冗句ネタにあるほどだ。とにかく女子聖職者人口は男子聖職者より多い。

しかし日本の仏教における女性層、尼僧院というのはあまり馴染みがない。一般的に広く馴染みがないだけで存在はしている。尼僧も、瀬戸内寂聴をはじめ少なからずいて、東福寺の管長さんにお誘いいただいた大きな行事に出席していた僧の中にも女性僧が数名いた。そもそも女性の弟子がいただろうはずなのに聖典ではそれが明かにされていないキリスト教と違い、仏教では仏弟子に明解に女性がいたことが伝承として受け継がれているので、女性が聖域に積極的に参与することになんの障害もない。ゆえに過去、例えば飛鳥の時代に海を渡って教えを学んだ尼僧がいたり、世俗的な関わりとしては駆け込み寺といった例、物語においても尼僧はよく登場する。日常化していたと思われるのだが、何時頃からそうしたものがあまり聞かれなくなっていたんだろうか?
・・・・と観ながらふと思った。仏教史に疎いのでよく判らない。
で、今の時代に必要なんじゃないか?などと思って観ていた。

そんなことを最近つらつらと考えたという報告でした。

ちなみにカトリックでも、観想修道会や活動修道会が開設している観想会というものがあり、「観想」が出来ます。いわば「己の煩悩と向き合う」精神修養を行うもので、一神教的構造とはいえ、近いものがあるんではないかと思います。観想会も様々なのですが、厳しいものでは当然永平寺のように絶対沈黙を強いられ、読書と祈りのみの生活をさせられます。過去にそれの少しライトなもの(三泊ぐらいの)を経験しましたが、まぁ沈黙の行と祈りの生活というのはけっこういいものです。
イエズス会の「霊操」もいいらしいですが、未体験ゾーン。一週間篭るらしい。