専ら仕事中 色々な本をやってるんですが買ってくださいです。

相変わらず仕事している。
昨日は東京創元社のをあげた。上下巻のケルトミステリーである。出たら、買え。

修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)

修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)

これは先月出た奴だ。短編集。
このシリーズ、ずっとやってんですが、主人公の女性がタカビーである以外はケルト臭が全編漂うケルト歴史オタは喜ぶ逸品ですよ。
密偵ファルコ』シリーズやエリス・ピーターズの『修道士カドフェル』あるいは中世ロンドンを舞台にしたポール・ドハティードミニコ会士と検視官コンビモノのファンなら楽しめるかもしれないです。
シリーズはまだまだ続くのでお愉しみに。


で、今日は佐藤賢一の小説フランス革命シリーズの仕事してるわけだが。こっちもロングランである。
単行本はガリカニズムでシスマの危機が!とかミラボーが死んだとか、そういう流れの辺りですが、まだサンジュスト君が全然出て来ない。雑誌の連載でもまだ出て来ない。タレイランなんかが活躍してるんだが、この背徳坊主で世渡り上手なおっさんを前回描いちゃったもんで、今度はボアジュラン枢機卿ってのを表紙にしておくれと注文が来たんだが・・・・誰それ?一応小説では御活躍なんだけどイメージが湧かん。

正直近代史には疎く、フランス革命というとベルバラほどの知識しかなかったという私だったので、佐藤せんせの仕事で勉強している有り様。しかしこうもディープな人物が出て来ると調べるのに困るのですな。佐藤賢一はマニアックなフランス革命小説を書いているもんで知らんやつがどんどん出て来る。
史学な人々には周知かもしれないけどわたくしは知らんよ。

そういうわけで、ボアジュラン、誰それ?と編集さんから資料貰ったんですが、こんな画像しかなくてご免ね。とのこと。

うーん。
仕方ないのでこんな風な感じに描いてます。

なんかまだ途中なんですが、しけた面だなぁ。困ったもんだ。
・・・・・・・・・・・・という感じの舞台裏です。


あと平行してやってるのは、ギョーカイ関係出版の、イエス像。
エスの顔ってムズいよ・・・_| ̄|○

下手に描くとうさんくせぇ新興宗教の教祖みたいになっちゃうか、貧相なヒッピーになる。困りますな。


因みに先月発売されたお仕事では、これも↓

激しく、速やかな死

激しく、速やかな死

こちらも「佐藤」先生である。砂糖の名産地で佐藤先生達の仕事をしている。

これも、買え。

いずれ書評書こうと思ってるんだけど、正直、それを絵で描いちゃったからな。重ねて言うこともなくなってしまった感あり。

で、こちらも短編集なのだが、時代的にはフランス革命から被る近代史。まぁ前述の通り、知識無いんで「メッテルニッヒって、オーストリアのエロい人?」ぐらいの私ですが、それなりに楽しんだ。なんつーかどの短編話も、啓蒙時代の欧州の歴史の中で埋もれた一コマみたいなお話でして。歴史という非情なるものが踏みつぶしていく、しかしいかんともしがたい人々の断片という感じ。
歯車にぱりぱりと音立てて壊れてくようなの。

で、こちらもタレイランが出て来るんだが、ロベスピエールのごときジャコバン原理主義者がギロチン振りかざして暴れまくってるフランスから米国に亡命したタレイランは、そこはかとなく新世界の馬鹿を見下しておったりする。この佐藤亜紀氏のタレイラン像と佐藤賢一氏のタレイラン像を比べてみるのも面白いかもなのです。佐藤賢一の描く人物は人によって形は違うがなんかしら渦中にあってめそめそ悩んでいるのが特徴なんだよね。佐藤亜紀の方は世界をどこかで醒めた目で冷笑、もしくは諦観してるような印象だ。

個人的にはギロチン送りな話が好きだ。ピラネージ的な黒々とした感じがあるよ。


ええと、まぁ、こうてくらはい。
やった仕事の本が売れると嬉しいです。