島で突然B&Bをすることになった話
コメ欄で心配して下さった方がいたが、気がついたら1週間前にカキコしてから間があいていたんですな。単に〆切をやっていたからなのとそのあとうちの島のマラソン大会で忙しかったからなんですな。
皆さま、ご心配をおかけしておりまして済みませんでした。元気ですよ。
さて、うちの島、与論島ではこの時期マラソン大会をしている。日本のあちこちからお客さんがやってきて島はいきなり人口密度が上がるのである。とはいえ東京マラソンみたいなすごいことになるんではなく、1400人程が走るだけなんだけどそれでも島にしてみると大変な人口上昇である。
うちの島は限りなく沖縄本島に近く、文化的にも沖縄北部と共通しているなど、つまり「沖縄本島周辺離島」的立地にも関わらず鹿児島県である。かつてはここが国境の島だったこともあり、沖縄の人は鹿児島県だからすごく北にあると思っていたり、主観的距離は沖縄から遠い。
昨今の沖縄ブームで沖縄に来る観光客は大変に増えた。観光業に力を注ぐ沖縄は沖縄県内に離島の宣伝なども行っていて、基地に引け目のある国家による国策的な後押しがあったのか、メディアなども協力してとにかく異常なブームになっていた。しかしうちの島は鹿児島県なのでその仲間ではない。
よーするに沖縄に客とられて、かつて観光が盛んだった我が島はいまは寂れはてており、島の中心にある大きな観光ホテルも今年で廃業する。沖縄の仲間に入ってないというのはこういう風なことになっちゃうんですな。もっともほんとに海しかないようななにも無いとこなのでやることもないし、沢山人が来ても困っちゃうんですけどね。しかし映画「めがね」のお陰でマニアックなお客さんが来てくれるのは嬉しいですね。「映画祭を見てきた」という一度も日本に来たことがないドイツ人とかがいきなり来たりします。そういう「なにもしないのが好きな」人がふらりと来る。で、旅をしてもなにもしたくない外国人(特に欧州)旅行者率が高い。欧州人受けするらしい。
さて、そんな風になにもなくてあまり人も来ない、しかし観光業はしているよな寂れた離島でも観光業的には人は来て欲しいので色々イベントを考えていたりするその一つが年に一度の「ヨロンマラソン」である。今年は1400人が来たと書いたが、年々増えているんですよ。これでも。
しかし他方で上記のような事情からホテルを廃業するところが出てきたりして、宿が足りない。知り合いのホテルなどはお客さんの予約を断らざるを得なくて困ったりしていた。どうしても泊まれないお客さんのために「民泊」という苦肉の策を考え出した。普通のお家でホームステイですね。イギリスのB&Bというbed&breakfast。家によっては夕食付き。
かくしてわたくしの家にもマラソンランナーが泊まったのである。
といっても、実は昨年島に遊びに来て顔見知りだった青年。CG制作というクリエイターなお仕事の人なのでフレックスに休みが取れるというのでマラソンがてら一週間ほど島母の家のホテルに滞在しているのだが、マラソンの当日だけ予約が間に合わず、その日は宿無し状態で困っていて、レストラン「アマン」のお慶さんから泊めて貰えないかと突然話が来たのですな。
そういうわけで突発的B&Bをすることになったわけです。朝ご飯を出せばいいだけなので楽ではある。しかも知らない人ではなく、M君(すこぶるいいヤツ)だから気が楽。
「来年もお願いするかもしれない」とホテルの人に言われた。お祭りっぽくてこういうのもいいなぁと思ったりしました。
上記のごとく忙しかったので、パソする暇が全然なかったのでした。
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ところで、マラソンランナー青年M山君。かつては陸上選手だったのだが長年のクリエイティブ業の性でインドアを強いられ、だいぶ体力落ちちゃったっす。といいながらもちゃんと完走していました。偉いなぁ。当日は風邪気味で大丈夫かな?と心配する感じだったのですが。
しかしである。彼は島のリピーターさんで島に沢山友人がいて、ゴール後、恐ろしい島人の飲み会に引きずり込まれ、マラソンで大変に吸収力が高まった身体に島酒が大量に注ぎ込まれたせいでとんでもなく具合が悪くなり、夜の11時まで戻ってこなかった。大丈夫かな?と思って心配していたら、ぼろぼろになって帰宅した。風邪が酷くなったような感じに加えて胃が最悪なことになっていたらしく一日でげっそりとやつれ果てていた。あまりにすごいので風邪薬と胃腸薬とショウガ湯を飲ませた。そしたら次の日、復活していた。
うわ。若いんだなぁ・・・・と、つくづく思いましたです。
来年もまた来て走ってもらいたいです。恐ろしい島酒攻撃をかわす技は身に付けてきた方がいいと思う。