ローゼン閣下、フランシスコ麻生太郎、総裁になるについての所感

自民党の総裁選はオバマクリントン戦より地味にすばやく決まったようだ。まぁ、めりけんさんのは大統領選に向けてのだから賑やか度が違ってて当然だが、とにかく総裁選の結果が出た。
わたくしはミクシで「麻生太郎の口の悪さを愉しむ」コミュなどというのに入ってるが、そのコミュではお祭り状態で、ここ数日は参加コミュログの上位はほとんどがこのコミュのトピで苦笑してしまったが、皆さん喜んでおられるようである。他にカトリックのコミュなどにはいっているがこちらでも「カトリック信者である麻生太郎が首相になったよ!!!」と、皆さん喜んでいる。
麻生太郎は個人的な宗教についてはあまり語らないんで、知らない人も多いようだがカトリックの洗礼を受けていて、洗礼名をフランシスコという。フランシスカンたる私としては喜んだ方がいいのかもしれないが、あんまり関係ない。ネットで何故か「信徒総代」などと書いているのがあったりするが、なんだそりゃ?ってなほどにカトギョーカイでは名前が出てこない。

つまり、宗教的にはニュートラルをそこはかとなく求められる日本という国の政教分離的なるものをきちんとわきまえた政治家ともいえる。・・・が、ほんとはただのなんちゃって信者なだけなんじゃ?

イタリアなどではカトリックの首相だってよ!とか話題になったらしいよ。

▼Taro Aso, un cattolico in corsa per la guida del Giappone
カトリック麻生太郎、日本の指導者になるべく奔走中・・・てな意味なようだ)

http://www.ilsole24ore.com/art/SoleOnLine4/Mondo/2008/09/taro-aso-cattolico-elezione-giappone.shtml?uuid=f35be562-863a-11dd-96c0-d66fc13e6223&DocRulesView=Libero

この記事によると、麻生太郎はイタリア紙の質問に対し、宗教的スタンスはあまり明快に打ち出したくないとの意向があるらしく、まぁなんとなく伝統としてそうであったと述べている。

実は今回の総裁選、カトリック信者は麻生、与謝野。プロテスタント信者が石破。とクリスチャン率が高かった。日本の宗教比率からいっても耶蘇率の高さが異常である。

明治や大正を通じ、知識階級とか貴族階級などがこぞって耶蘇にかぶれた時期があり、西洋文明を知るには耶蘇を通じてみたいな風潮があったようだ。祖母も曽祖父から西洋の作法と思考を学ぶ為に近所の聖公会系の女学校に行かされたのだが、そういう時代があった。その残滓が子孫に受け継がれているという按配。(あ、今読み返してカンチガイされると困るんで補足しとく。うちの場合は曽祖父が単にスノッブだったので上流な人々に倣って祖母を行かせただけだろうね。まぁ庶民も血迷う、そういう時代だったということで。)

代々そういう家だとある意味自然体にクリスチャンな人々であり、ゆえにまぁ余裕があるというか、政教の問題にいちいち自分の宗教を持ち込まないでいられるのだとは思う。

ゆえにイタリア紙が放つ「カトリックの首相だってうっひょー!」とかいう質問には、「だからナニ?」程度でかわしてるという感じか。イタリア紙でもその辺りの背景を韓国の例を出してあまり宗教色を出すべきではない事情を説明している。

ちなみにイタリア紙では大平正芳元首相をカトリックだと紹介しているが聖公会の間違いである。アングロカトリックだから間違いではないのだがローマカトリックではない。


で、NHKで抱負などを述べていた。うちの母は麻生さんはボンボン過ぎて庶民のことなどわからないだろうから与謝野さんが良いわなどといっていたくせに、麻生さんの受け答えが大層わかりやすいなどといきなりマンセー評価していた。消費税問題について、食品などは無税でもいいんじゃね?などといっていた辺りに期待したようである。わたくしは麻生氏はキャラが立っているのでまぁそれなりにねた的に好きではあるが政治家としての技量がどうであるか判らないんで、そっち方面での判断はつきかねる。


麻生氏がラッキーだったのは地方遊説をじっくり行うことが出来たため地方とのつながりを堅牢にすることが出来たことに尽きる。更に小沢対決が待っている状態で小沢に対抗できるキャラは結局麻生しかいないという判断もあっただろうが、この現状の政局では、それこそ馬鹿ヤローといって解散せざるを得ないような難しい要素が沢山ありそうなんで、短命な内閣になるんじゃないか?とか、その責任とって辞めさせられる短命な首相になるんじゃないか?とか思っちゃったりしますよ。

わたくしは福島みずほなんぞ嫌いなんだが、今度の総裁決定について彼女が述べたコメント「最も短命な首相になるかも」に思わず一瞬、同意してしまった。なもんで、フランシスコ・ローゼン閣下が短命に終わりそうなのはちと哀しいので、ここは一つ粘って小沢に負けないように頑張ってほしいと願うものです。特にうちの母が評価した、不景気の問題や庶民の生活の圧迫への解決への抱負については応援したいものがある。


・・・・でも、たぶん次の選挙で自民には入れないけどな!ごめんよ。

◆◆
上記のイタリア紙の翻訳は以下のブロガーさんが載せておられた。

○イタリアたわいのない話
http://www.lachirico.com/2008/09/21/tokyo/
麻生太郎、クリスチャン首相としてイタリア紙が注目!

日本文が読めるんでこっち読んでください。ただし翻訳が間違っている所あり。

negli ultimi mesi in Corea del Sud molti monaci buddisti sono scesi in piazza per protestare contro il presidente Lee Myung-bak, devoto cristiano, accusandolo di favorire appartenenti al suo credo nell'amministrazione e comunque di marginalizzare le tradizioni buddiste del Paese.


韓国では最近、敬虔なカトリック教徒であるイ・ミョンバク大統領がカトリック教徒の閣僚を優遇するあまり、仏教僧らによる抗議のデモが行われていた。

イ・ミョンバクはイタリア語文を見てわかるが、「クリスチャン」とあるだけでカトリックではない。実は彼はプロテスタント長老派の長老だということで、彼の教派の信者を積極的に採用した為にまぁ仏教徒に反発食らったわけです。

訳文ではカンチガイしてカトリックなどと訳されているが全然違う。

イタリア紙が敢えてプロテスタントの具体的な教派を書かずに「クリスチャン」とぼかしているあたりは、もしかしたら、イタリア紙ってのはリベラルが多いし、ゆえに宗教野郎は政治に口だすな的な、宗教者の政治への色気を牽制してのことかもしれない。イタリアのカトリック聖職者は政治に色気多いからなぁ。あと日本のカトリック聖職者もだな。イタリアと違ってこっちは左翼が多い。ローマ・カトリックは伝統的に政治的なことに色気を示すのだが、ろくな結果になったことがないのは歴史が示す通り。

まぁわたしゃそもそもが外国語なんぞよくわからん人間なんで翻訳の妙はよく判りませんが、勝手にイタリア紙的な事情を妄想してみた。