ダブルじじいの日

本日はコメ欄でKarposさんがご指摘しておられるように、パウロとペテロというカトリックの偉い親父の日なんだが、この爺さん達どうも顔つきまでなんとなく似てるような感じで、双子状態な像を見かける。概ねは禿の髭の白髪じじぃである。見分け方はペテロが鍵をもっているというあたりか。パウロは禿げてないのもある。
よりによって重量級のじじぃ二人の祭日が誕生日って実は嬉しくない。妹は聖ヨハネの日でなんとなくかっこいいんだがな。フィレンツェ守護聖人だし。
しかしこのキリスト教の超重要VIP聖人をまとめてひとからげにした典礼暦制定者はどうかしてると思う。ばらけさせたほうがよいんとちゃいますやろか?
そういうわけで我らが教皇シス、ベネディクト16世は今日から来年のこの日まで「パウロ年」とか設定してみたらしいよ。今年一年はペテロ無視な!

http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/2008/pauline_year.htm
パウロは今から丁度2000年に生まれたんだと。2000歳か。誕生日に歳を言われても、これくらいになるともうどうでもよくなると思うぐらいの年齢である。
そんなわけで上記の中央協議会のパウロ様広告を見てもお分かりのように色々パウロ様行事があるようである。パウロ会の澤田師の講演とかね。聞きに行きたいけど遠いよ。と思ったら終わってるし。(しかも私よりも若いことが判明してショック。落ち着いてるし、聖書学なんてコムズなことしているんでもっとおっさんだと思ってた・・・←コムズな事をしている人はみんな年齢が10歳上だと思っている)
パウロというのはニーチェ大先生にも嫌われてるし、イエスの教えを曲げたパウロ教とか言われちゃうし、うちの師匠濱ちゃんはパウロ書簡読んでるとむかつくらしくて「パウロってやな奴」とか言ってるしで現代においてはなんとなく評判が悪い。そんなおりにいきなりパウロ年とか祀る、現代のポピュリズムに喧嘩売りがちなベネディクト16世って、けっこういけてますなと改めて思った次第。
パウロについて知りたい人はこの本とか読むといいと思う。日本カトリック界のモヒカン族、和田神父*1の本だから面白いと思われ。

聖パウロ―その心の遍歴

聖パウロ―その心の遍歴

「思われ」と書いたのは買ったのはいいがまだ読んでないからだ。

まぁ、どうもパウロ嫌いとか、イエスを誤解させたとか、そういうのが20世紀から流行っぽい考えで、教会とか嫌いだから史的イエスとかやっちゃってるようなのとかね、隣人についてどう考えてんだ?とか思ったりもします。継承してきたのはみんな人間で我々と同じ欠点がある存在であるということを忘れている。そして完全でないのが当り前なんだが完全さを教会に求め過ぎての、反動がパウロ教という批判になって現れていたりすると思う。確かにパウロってのはやな野郎であるし、一緒にご飯とか食べたくないけど、やっぱり隣人だよ。そして一生懸命イエスについて考えていた。まぁ偉い人だと思うのだな。
教会というのはやな人間の集まりで知れば知るほど嫌いになるのが当り前なんだが、そうした欠点ある人々がよきものを目指したいと願う集団でもある。それが2000年続いて来ってんだから、まぁ伝えてきた人たちは偉いよ。よくまぁこんなもんを2000年もねぇ。厭きもせず。いやはや。などと思うのである。

そして教会とは聖霊でもある。聖霊が働いておる場であるわけで、三位一体のひとつでもあるのだな。

*1:日本カトリック界のモヒカン族:非常に論理的でかつ説得力のある言論を書く人だという、自分的にはいいイメージの褒め言葉であるが、出典ははてな村専門用語で、論敵に対する容赦ないピエール・アベラールのごとき議論方法のゆえか、はてな村では嫌われたりするようである。和田神父がカトギョーカイでどういう感じなのかは知らないがアベラール様のごとき攻撃性はないと思われ