子猫が左って島犬達は相変わらず呑気

島猫ー名前は無かったーミュゥミュゥ(仮名）が去って一日。ベビーシッターとしてはまことに楽な相手であった。

犬と比べると猫は手がかからない。自立しているし、自分の好きにやる。甘え方は似たようなもんであるが犬のほうが微妙に距離感がある。手の届く範囲にはいるが抱きつこうとはしない。個体差があるので一概にはいえないがー昔飼っていた犬などは膝の上に上りたがったんでーミモザの場合は目に見える範囲のいようとするが、手の届くところにはいないという微妙な距離感。頭をなでようとすると逃げるという変な犬である。気が向くと背を向けて尻を押し付けてくる。謎である。カナはなでてもらいたがるが満足すると別な静かな部屋で一人で寝たがる。猫は抱いてしがみつきたがるべたべた観があるが、それ以外は自立している。
顔色を窺う度は犬のほうが比較すると強いかもしれない。共同体を作るという社会性のある生き物の宿命だろう。
そういうわけで、悲哀感からすると犬のほうがそこはかとなく悲哀がある。
猫はほっときゃいい的な感じがあるが犬はほっとくと悲しみのあまり落ち込んで鬱になりかねないような感触をもっている。更に共同体を意識するがためかカリタスの精神をもっているようなところがある。猫に対して見せる無償の愛めいたもの、応答されない愛の一方通行のようなものを見てると不憫である。人のいう言葉にも敏感である。
そういうわけで、どうしても犬のほうが精神的負担が重いという印象である。
犬は放置すれば凶器足りえるから、余計に子供の時のしつけをしっかりやらないといけないというのも理由の一つだろうが、とにかく、猫以上に飼い主に対する信頼感が大きく、そのぶん依存度も大きいので、それがまぁ重いわけである。

年寄ったら猫飼う方がいいなぁなどと思ったが、犬は番犬になるんで、どっちも捨てがたいですな。
特にミモザはチキン犬なのでお客さんや宅急便屋が来た時の呼び鈴にもなるんで助かるのであった。

性格的にはどっちもオッケーなので、あとは出会い運ですな。

ただ、うちの島のごとく放置プレイな環境では、野犬野猫率が異常に高くどちらも出あう機会が多いんだが、猫はそのまま放置されるに比して犬は野犬狩りがあり、清掃センターで時おり哀しい声で鳴くの聞こえる時がある。毒殺され焼かれるそうだ。そういう点でわが島では犬の末期の悲哀度がより酷いのを身近に見てしまうので、引き受けに行っちゃったりしそうである。