うっかり猫を拾ってしまう

夕刻、犬散歩に出たら、猫の鳴き声が道端でする。我島犬達はそわそわして声の主を探しはじめる。小さな手のひらに乗るような子猫が野草の中にいた。犬達が興奮して近づこうとするのを畏れて、子猫は一人前に威嚇するが我島犬は隣の家の猫によって鍛えられているので屁とも思っていない。子猫も次第に慣れて、微妙な距離をとりながらも遊びモードに入りはじめた。なつくと困るんで犬達を促すが、島犬どもは既に庇護モードに入り、遅れがちな子猫を励まして付いてこさせようとする。困ったもんである。なんせ母猫の姿は既に無く、どうやら捨てられたらしい。このままでは車に轢かれてせんべいになる運命しかない。
そういうわけで今我が家には子猫がいる。
トゲトゲ植物(サシ)の種まみれで毛が絡みつき尚且つばばっちかったので、家に帰って洗髪してやったらのみが大量にわらわらと出てきやがったので、残酷かもしれないがシャンプーで丸洗いした。まだいるかもしれない。ネコノミの凶悪さは以前東京で一人暮らししていた時になつかれた野良猫(先住民がかわいがっていたらしい)の性で酷い目にあったことがある。寒い冬に気の毒で家に入れてやったのが運の尽きである。家中がのみだらけになった。以来猫は警戒してしまうんだが・・・。この蚤を完膚無きまでに撲滅する方法は無いもんか?
ナニを食べさせていいのか判らんので、試しに与えたドッグフードをカリカリと食べている。
猫は正式に飼ったことが無いのでよくわからない。
食ったら、今度は私の側にいたがるんだが、にゃぁにゃぁ煩い。放置しておいていいものなんだろうか?安心させる為に時々抱いてやっていたんだが、つけ上がりはじめたのか、放置しとくととにかく抱けと煩い。自立しろボケ!などと言っていいのか判らんのだな。犬どもはそれで間に合わせたんだがなぁ。猫は学習する生き物なのだろうか?
そういうわけでよく判らん生き物が今横にいるが、困ったもんだ。
明日は飼い主探しでもするか。

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あんまり五月蝿いんで、箱ごと寝室に放置することにした。触れていないと不安になるなどという分離不安症は困る。こんな甘えた根性の存在は赦せん。
だいたい不安で鳴くくせに、静かになったと思ったらフードを食べて、食べ終わるとまた鳴き、また静かになったかと思うと水を飲んでいる。そしてまた鳴く。鳴くか食うか以外になにもせんのか?少しは寝ろ。
お陰でミモザは落ち着かず、カナは嫌気がさしているようだ。そもそもこの二匹が連れ帰ることを所望したくせに既に放棄している。無責任な犬どもだ。

そういうわけで暗い部屋に放置が一番よさげなんで放置しに行った次第。