大阪に行ってきたが、たこ焼きは食えなかった

父のことで大阪にいってきた。検査の結果を聞きにだけ行って帰ってきたのでたこ焼きは食えなかった。とりあえずいったん退院し、また行く方向で話が進んでいるがどうなるか不明である。

にしても、東海道新幹線に乗ったのは久しぶりである。お子様であった頃から里帰りでしょっちゅう乗っていたが、可愛がってくれていた親戚達もひとり二人と鬼籍に入り、行く目的がだんだんと墓参り限定になってしまいつつあったのだが、その墓参りも最後に行ったのは何時だったかと忘れるくらい、まぁずっと乗ってない。
なのでちょいとわくわくし、新横浜でシューマイ弁当買って乗ったんだけど満員で窓際が取れず残念。岐阜羽島を過ぎると「日本の雪景色」を見ることが出来るというのに。あと山間部にある謎のカラフルな住宅群(紫とかレモン色とか水色とか、一軒一軒がかなりど派手なペンキで塗られてる謎の住宅街が山の裾野にある)はまだあるんだろうか確認とれずじまいだった。つまらん。
ちなみにシューマイ弁当は昔に比べ、味が落ちた気がする。
京都で隣がおりたので、大阪まで窓の外を見ていたんだが、懐かしい。
何故かこの間には住宅一軒一軒がそっくり同じで、しかし独立した一棟でありながら、お隣さんと壁がくっついて立っている九龍城状態住宅建築が多数見られる。ロンドン郊外にも多いテラス式住宅というべきか。昔っからこの様式が建ってる。色々な産業の工場とこれのおかげであたかもロンドン郊外からロンドン市内に入る気分になるのは私だけか。大阪はなんとなく土地密集度が東京よりすごい気がする。
常なら大阪に下りずこのまま神戸に行ってしまうので実は一人で大阪駅に降り立つということはあまり経験がない。父は神戸出身で、母は京都出身で、ゆえに両都市はなじみが深いのだが、大阪は縁がなかった性もあり、来たことあるのはほんとに数える程度である。法事で親戚に連れまわされた時と、画商に案内されたのと、編集者と取材に来た時ぐらいだ。それ以外は阪急で郊外の町に行ったとか、その程度で。それぐらい大阪という都市は縁がない。おかげでJRの駅表示を見て「何故?梅田駅がないんだ!!!!!」と小一時間悩んでしまいました。アレは阪急の駅だったのか。(ちなみに阪急駅は昔はすこぶるかっこよかったのに今は普通っぽいっすね)
梅田はこれまた複雑で密集し、しかもその建造物が密集しているドサクサにまぎれて赤い観覧車が駅の横にどかんとあるなどふざけた街である。大阪人の感性がよく判らなくなる。新しいものと、古いものと、巨大建造物と、ちびっこ家屋と、ハイテクと、三丁目の夕日なシロモノと、なにわデザインと、エスニックとかが渾然一体となっていて、街並みが視覚的に秩序がなさ過ぎ、頭の中に雑音が入りまくり整理つけるのが辛い。(京都も新しい京都駅が出来て以来そういう感じになりつつあるんだが。。。)
タクシーに乗って病院まで行ったが、途中変なデザインのテレビ局を見つけた。フジテレビと互角になんとなく変である。どうしてテレビ局というのはああも浮ついたデザインのものが多いのだろうか?
田舎モンのわたくし的には、どうにもこういう都会が苦手であるが、東京以上に都会な風貌を持った大阪はなんというか、リドリー・スコットが興奮して映画『ブレードランナー』とか『ブラック・レイン』とか撮っちゃうのがわかった気がしましたよ。こんな目的で来なかったら観光したかったっす。
帰りも大阪名物な駅弁を買おうと思ったがシューマイ弁当がまだ消化されていなかったのであきらめた。残念である。