『Asian Rut-アジアの少年』ヴァージニア工科大学の事件

sumita-mさんが私のエントリを紹介してくださった。
○Living, Loving, Thinking
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070422/1177265280
■アングリカン?

たまたまアーヴィングを読んでいた為に、シンクロしたなんらかの感覚を書き留めておこうと思ったエントリでした。

sumita-mさんはオウエンの宗教観にアングリカン的か?と疑問を投げ掛けておられて、確かにアングリカンはsumita-mさんの描くハイソでリベラルで、長老派などと比するとリタージカル(儀典的)要素の強い教派。一般的なプロテスタントに比すると、おおらかであり、また原理的な一部のプロテスタントのあの狂信性はない。

実は、小説の訳では何故か米国聖公会(アングリカン)を「監督教会」と訳しているのでこれまたなんだか混乱のもとです。「監督教会」はメソジストを指す時に使ったりしませんか?原文(英文)ではAnglicanなんだけどね。

オウエンが際立って変なので、オウエンのイメージとアングリカンは重ならない。アーヴィングの不変のテーマの一つが内に秘めた「暴力」であったりするので。

また語り手「ジョン」は英語のヨハネに相当する。という仕掛けも念頭において読むと面白いかも。

sumita-mさんのこのエントリで『インディア・ソング』の紹介がでていて懐かしい。実は映画はなんだか熱帯性だらんとした変な映画という記憶しか残っていなかったのですが、デュラスの書く植民地的熱帯性倦怠が妙にはまり、以後、植民地熱帯性倦怠感な雄、インドネシアに行って更にはまり、東南アジア的な熱帯の持つ、西洋をも腐らせる強烈パワーが、結局、今の島暮らしを導いたといってもいいかもしれない。原点はデュラスにあったのか〜〜。今、発見した。

で、sumita-mさん経由で更に懐かしいモノ発見

○一人でお茶を
http://d.hatena.ne.jp/nessko/20070418/p1
■米大学乱射32人殺害

nesskoさんはこの事件を聞いてモリッシーのAsian Rut を思い出したという。
モリッシーというと、あのもみ上げを微妙に伸ばし、デビット・リンチの『イレイザーヘッド』の主人公のような変な髪形で、怪しげに歌う、ネクラなオタク。というイメージのヴォーカリスト。スミスのメンバーだった。解散後独立して二枚目かなんかのアルバム『Kill Uncle』にnesskoさんが指摘している曲が入っている。
ジャスラックとかが煩いんで詩は引用しないが、詩は「武器を身につけたアジアの若者、それも学校では大人しく、寮でももの静かなアジアの少年ーが復讐の為、友人を殺しに来る」みたいな内容。このアルバム他の曲も後ろ向きで暗いというか、音は気の抜けたような歌いかたで、なんとも全体的にネガティブ脱力系。そこがいいんだが。
モリッシー自体いじめられっ子だったというのがどっかのライナーで読んだ記憶があるけど、とにかく世界のどこかの若者が孤独で内に怒りを溜め、暴発寸前のトコで生きている。それは時代関係なくどーも不変にでて来るようで。


しかし、モリッシーも昔よく聞いたなぁ。もとはといえば死んだ友人がこの人を好きで、無理やり「聞け」と勧められはまったのがきっかけだった。友人が亡くなってからしばらく聞けなくてお蔵入りさせといたら、すっかり忘却の彼方になっちょったよ。アルバムが数枚あるので出して来て聞いているが、このKill Uncleが一番好きかも。

Kill Uncle

Kill Uncle

ふ抜け体質にマッチする音楽

インディア・ソング [DVD]

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因みにデュラスの映画。ほんとに変な映画なのに心地よい。主題となったピアノがこれまたよい。超だるい。