女性機械論

なんだか厚生大臣が「女は生む機械」だかそういう発言をしたらしいことがニュースで流れていて「なんだそれ?」と思った。
この手のニュースになると、活動家な女性達は「なんという女性蔑視!」とか怒り出し、女性のその手の活動を嫌う人は「女性蔑視などと決め付けるはいかがなものか」とか議論していそうだな。
まぁ、すかさず「昨今は子種製造マシンも出来の悪いのが多いからな。故障してるのが多くて生産できないらしいよ」とか返事しそうなわたくし的に、どーもデカルトセンセの「機械論」とか頭に浮かぶんだけど、まぁ、機械に喩えられて嬉しい人はあまりいないよね。まぁデカルトセンセ的には出産という行為は機械的な分野に入るだろうな。

そもそも子宮全摘出手術をするに当たって、どうにも頭の映像に自分の体が人体模型で、パクっと臓物部品が取り出されている光景が浮かんでたりしていた身としては、女性の体の機械論ってなぁ、どうなんだろ。文学的な方向なら面白いけど。
かといって「天使祝詞」の祈りの言葉、すなはち「めでたし聖寵満ちみているマリア、主御身と共にまします。御身は女のうちに祝せられ御胎内の・・・」と来る祈りのあの文になんとはなしの疎外感を感じる自分の悲しさゆえの、胎というものに対する、女性固有の思いが、まぁ怒りまくる人のある種の生理的な嫌悪がこれまた判らなくもなく。複雑。

しかしである。そもそもこの大臣はナニを言ったんだ?
ググってみた。

柳沢厚労相vs女性議員…福島氏ら16人直接辞任要求
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20070130-OHT1T00025.htm
なかなか今の女性は一生の間にたくさん子どもを産んでくれない。人口統計学では、女性は15〜50歳が出産する年齢で、その数を勘定すると大体分かる。ほかからは生まれようがない。産む機械と言ってはなんだが、装置の数が決まったとなると、機械と言っては申し訳ないが、機械と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が1人頭で頑張ってもらうしかない。(女性)1人当たりどのぐらい産んでくれるかという合計特殊出生率が今、日本では1.26。2055年まで推計したら、くしくも同じ1.26だった。それを上げなければいけない。

要旨しか引っかかってこなかった。微妙に文脈というか報道されているのと印象が違うなぁ。妙に「喩えてごめんね」とダメ押ししたのがいけなかったんじゃないか?なんか昨今の報道は揚げ足取りというか、印象操作っぽいわざとらな読み違えが多いんで、気をつけたほうがいいかもにょ。こんなレベルで政治を左右されても困ります。

で、産めなくなってしまった身として、「正直、すまん」とお子様を産んでいる女性に言うしかないなぁ。という感想しかないけど、とりあえず出生率上げるに大して女性に責任負わすみたいな方向ではなく、もちっと違う方向性から見ないと出生率上がんないと思うよ。欲しくても持てない、マジ、女性も男性も不妊の人が異常に多い。大気汚染とかの影響かしらないけど。それ以外にも色々あるよね。先行き見えない社会不安のときは出生率下がる法則とかね。(例・ローマ帝国

で、その言葉尻よりこの大臣はそもそもナニを言いたかったのか?上記の抜粋発言からはそれがさっぱりよくわからんのでそっちが問題だ。そこを報道して欲しいのである。彼は出生率を上げる為に何をしようというのだ?