MRIを撮ってみた

腰が痛い。腹が痛い。頭が痛い。熱がある。
睡眠導入剤まで飲んで夜型時差ぼけ体質を治して臨んだにもかかわらず超絶不調な状態で受けてきましたよ。MMR。いやMRI
なんかしんどいのでタクシーで病院までいったんじゃが、タクシーの運ちゃんがすごくいい人でお土産にアンパンまでくれた幸先のいい一日だった。予約入れていたので待つこともなく「どぉぞ〜」と通された部屋は赤いランプで「使用中」とか灯っているとか扉が巨大な銀色のステンだったりとか殺風景はなはだしく、扉の向こうに解体前の冷凍食肉が沢山食肉ハンガーにつるされていそうな雰囲気。とにかく殺伐としている。放射線科ってのはもちょっと温かみぐらい演出して欲しいもんだね。壁には「MRIを受ける前に」とかいう注意書きが沢山これでもかと貼り付けてあるし。なんか「閉所恐怖症の方は申し出てください」なんてあるけど、演出で別の恐怖心煽ってるんじゃねーよ。とかいう雰囲気。気の弱い人は既にここでびびりそうだな。
で、巨大な部屋にドカンとでかい機械が置いてあって一室お一人様仕様。贅沢である。
なんせコンタクトは駄目。メガネは預かります。というんで極端など近眼のわたくしには周りの世界がモネかターナーのごとき映像にしか見えないのでナニがなんだかよくわかんない。ここに寝ろといわれる場所に寝た。
でっかい機械の中に通されるけど狭すぎ。顔面10センチか20センチにもう壁面があるというか本体の壁があるんでこりゃ確かに閉所恐怖症の人は辛いかも。撮影が長引くと激しく退屈なんでこの壁に漫画でもプリントしとくとか電光ニュースでも流せばいいのにとか思ったよ。
しかし、アレだ。「これは規視感があるな」と思ったら、ヴェネチアビエンナーレの体感型芸術みたいだなと。現代美術作品には暗い部屋に音だけでかいのが流れているとかそういうのあるけどアレみたいだ。一応、実弾撃つ銃の練習場で渡されるような耳のゴーグルつけさせられるけど音でかいね。重低音の連続音とかなにしてるかわかんない機械音とかが流れるので現代音楽のコンサートにいる気分になった。なもんで当然、眠くなってしまったので「寝てもいいですか?」と聞いて、寝てたよ。
沢山撮影したみたいで高い金取られて帰ってきた。がくーし。
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撮影後、技師のおにーさんにあのでかい連続音はなんだ?と聞いたらなにやら磁気を発生させてそれを動かすのがどうたらこうたらと専門的な答えが返ってきた。『ワンピース』のルフィなら「不思議写真だな!」で納得するんだろうけど。未だに磁気が何で私の内臓の写真を撮影できるのかわからんぞ。人類はすごいということだけ理解した。