高校の授業の履修の話

世界史が必須になったのはいつからかしらない。私のときは選択性だった。高校と中学がくっついていたんで、中学三年の時には両方やるけどその後は歴史では世界か日本どっちか、地理と政経のどっちかみたいに選択させられたよ。覚えてないけどそんな感じ。理科も物理・化学・生物のうちどれか好きなの取りやがれって感じ。上級生になって物理をはずした。
で、それは大学の共通一次が五教科七科目だったから。でも私は共通一次試験のとき、「地理」と一回も授業を受けた事のない「倫社」をとった。理科も「生物」と一回も授業を受けた事のない「地学」を取った。どっちも教科書すら所持していない。どんなことを学問しているかも知らなかった。だってどっちも試験問題が薄そうだったのと、地学は絵とが図が沢山載っていて面白そうだったし。
何故か、わりとそれなりの点が取れた。共通一次は真面目に勉強しなくても点が採れるのかと激しく侮り馬鹿にしたが、東大や京大などのレベル(否、そんな高レベルな国公立じゃなくとも)ではそんな甘いものじゃないらしいと聞いてやっぱり美大でよかったと思った。美大は=授業には出ているのかもしれないけど=勉強したことがない人ばかりの巣窟である。
美大生は驚くほどものを知らないのはこういうわけだが、それでもそれなりの常識的知識は知っていた。しかも何故か蓮見重彦やら吉本隆明スーザン・ソンタグみたいなコムズな本を読んでいたり「ポストモダン」「脱構築」とか口走っているやつがいた。ニュー赤・・ちがったニューアカ・ブームだったからね。ほんとにわかって読んでいたのかと小一時間・・・。まぁ美大生は流行りものには弱い。現代美術周辺では流行りものよりも更に最先端を模索しなきゃならんので。
最近、確かにその常識的知識レベルが低い。音大で教えていたある人は「ユリウス・カエサル」つまりジュリアス・シーザーを知らない学生がほとんどだとのけ反っていた。オペラとかって歴史モノ多いのによ。美大より知っていてもおかしかないぞ。うちの生徒も果たしてどれぐらい知識があるのか判らん。こないだはフランス革命産業革命世界恐慌の話をしたけど、これくらいはまぁ年号もソラで覚えているよ。だってフランス革命って覚えやすいしね。1789。銀行の暗証番号には向かない。ケータイで番号選ぶとき選ぶ率高そうな数字。世界恐慌もそう。1929。

生徒がその内容をどれくらい理解しているのか知らないけど、知っているものとして話を進めている。わからなきゃ自分で調べろ。それが高等教育だ。少なくとも美大レベルの脳みそが教えている授業なんて簡単すぎるわけですから、WIKIに書かれているレベル以下。だから知らなくても、判らなくて困るときに調べたり勉強すりゃいいとか思うけど、学部によっては困るところもあるか。

しかし、高校って義務教育じゃないよね。みんな行くのが当たり前になってるからなんやおかしなことになっているのかもしれない。それがいまや大学にも及んでいるからこれまたおかしなことに。団塊の世代の頃の大学進学率って25パーセントだったらしいよ。