祖母のこと

妹が来週辺り来る。来る来るといっていながら、流石に島は遠く忙しくてどうなるか判らない、無理かもしれないということだったのだけど、祖母の調子が悪いのを気にして、やはり来るという。
祖母の具合が悪いので、母も来たがっていたのだが父を置いてくるわけにもいかず、さりとて共に来るにしても母自体も体調不良なのでいずれ私と入れ替わりで来るつもりだと。祖母に伝えれば元気が出るかもしれんの。


祖母は変な夢見をする。私の友人が死んだ日、私が泣いている夢を見たという。そのあと友人が夢枕に立って「よろしく」と言いに来たという。祖母の従兄弟という人が宮司でこれまたなにか人の見えないものを見るという。京都の安倍晴明の神社の宮司で占いのごときものをしていた。人の未来を見てしまうらしく祖父の死期を言い当てた。なんかそういう祖母が変な夢を見たよなどというので、「身体が思わしくなく気弱になってるだけでしょ」と考えたものの気になるので母に話したら母も考え込んでしまった。
昨年、祖母を見ていて「もしかしたらあと2年かもしれぬ」と暗いことを思ってしまった。それくらい生の精気が無くなっている。友人と共にいた時も死ぬ2年前から嫌な予感がしていた。あの感覚に似た。生のエネルギーというものがないというのは見ていて辛い。祖母のことは杞憂かもしれない。なんせ95歳まで生きた人の側にいる事は初めてだ。生のエネルギーがない状態をずっと続けていくのかもしれない。
そういう祖母にとってミサに預るのは糧だったようで、神父が来るのを愉しみにしていた。ミサに預り祈る事は祖母にとって馴染のある神との交流だったわけで。だから洗礼を受けた。死ぬ準備。変な話なのだが家族にとっても祖母を神に委ねることになったことで少し肩の荷が降りたようだ。母も落ち着かない気分から少し安心をしたようだ。あの世とこの世の境界に不安定にいることが本人にとっても、家族にとっても落ち着かない気分であった。ミサに預ると祖母は間は寝ているが終わるとなんとなく晴れ晴れとしている。単純によかったなと思う。
今は残念ながら神父様はサバティカルでいないし、シスターも黙想会でいない。シスターが帰ってきた頃を見計らって改めてよろしくと電話しとかないと。


しかし妹が来てくれると聞いてほっとする。なんとなく気持的に一人じゃ負いきれないなぁと思っていたところだったので。助かる。